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	<title>経営戦略 - （株）流通ビジネス研究所</title>
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	<description>　　家電流通のプロフェッショナル</description>
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	<title>経営戦略 - （株）流通ビジネス研究所</title>
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		<title>経営者の視点「店舗戦略」</title>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 11 Oct 2023 06:50:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[不振店対策]]></category>
		<category><![CDATA[店舗戦略]]></category>
		<category><![CDATA[経営者の視点]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>ケーズデンキと言えば、家電量販店では唯一、家電専業に徹していながら、郊外に大型店を構えています。 　ケーズデンキは2000年代初頭まではスクラップ＆ビルドの時代で、新規出店と並行して店舗の大型化に取り組んでいます。現在の &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2462" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">経営者の視点「店舗戦略」</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>ケーズデンキと言えば、家電量販店では唯一、家電専業に徹していながら、郊外に大型店を構えています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>　ケーズデンキは2000年代初頭まではスクラップ＆ビルドの時代で、新規出店と並行して店舗の大型化に取り組んでいます。現在の主流である、売場面積3000㎡以上の店舗が多くなり始めたのは数年ほど前からですが、今は全店舗の半数以上が3000㎡を超えており、手応えを感じています。<br>　大きな売場なら、品揃えもよくなり試聴コーナーや提案コーナーなどの演出もできます。小さな売場では、そんなことより購入頻度の高いものを扱ったほうがいいということになり、ホー厶シアターなどの売場などつくれません。その結果、効率だけを追求したつまらない店になってしまう可能性があります。<br>　ただ、単に大きくすると場所代が高くなり、今度はコストダウンができなくなってしまいます。ですから、ケーズデンキでは郊外に大きな店をつくっています。コストを下げることは、お客様にもメーカーさんにも負担をかけずに利益を生み出す方法です。ローコストといっても「売上に占める経費の比率を下げる」という意味で、何でもかんでも削減ではありません。使うべきところに使わないと、事業規模は拡大できません。今後も大型店舗を数多く出店し、その上で少人数で営業する方法を追求していきます。</p>
<cite>加藤修一・著　すべては社員のために「がんばらない経営」（かんき出版）　第2章 会社はゆっくり大きくするもの</cite></blockquote>



<p>　地域で一番大きな店舗になれば、「あそこに行けばほしい家電があるかも」とお客様が期待を抱きます。「安い」と派手な文言のチラシで集客を図るより効果的です。買い回りをする商品の場合、お客様の購入店舗の選択肢は2～3店舗。その選択候補に入れなければ「見向きもされない店」となってしまいます。「一番大きい店」というのは選択候補に入るうえで重要な要素です。</p>



<p>　店舗が大きければ、展示場所の確保を気にせず、いろいろな商品を置けます。電子レンジや冷蔵庫などの主力家電だけでなく、小物家電、さらには消耗品も多数置けます。空気清浄機や加湿器のフィルター、洗濯機の糸くずフィルター、あるいはプリンターや様々なタイプの電池や電球などなど。フィルターなどは、多くの家電量販店が、店舗に在庫を置かず、メーカー取り寄せにしていますし、洗濯機の糸くずフィルターなどは汎用品で済ませています。一年に何個も売れる商品ではなく、単価も低いためです。商品回転率や売り場効率を度外視しなければ品揃えできないタイプの商品なのです。しかし、ケーズデンキの場合、メーカー純正の消耗品を品揃えしています。「単価も低く、1商品当たりの在庫数は１～２点で在庫金額もたかが知れている。ずっと売れ残ったとしても、他で手に入らなくなればむしろ、当社がお客様にとって唯一の購入先になる。最終処分になっても、当社の品揃えをお客様に知っていただく“壁紙商品”として十分な宣伝効果がある」と加藤修一氏は語っています。広い売り場があるからこそ、品揃えでも競合を圧倒できますし、圧倒しなければならないのです。</p>



<p>　とはいえ、ネット通販が浸透し、リアル店舗も昔ほどの高い売上高を出せなくなっている今、業界では「大型店」を見直す動きも出ています。売上が少ないため、店舗人員を削減する。人員を削減していくと広い売り場をカバーできなくなるので、今度は売場面積を縮小する。その結果、店構えは立派でも、中に入ると売り場が狭いという店舗が生まれています。人件費率や売り場効率を考えた見直し策ですが、本当にそれでいいのででしょうか。</p>



<p>　大型店舗が売り場を縮小する場合、原因にはいくつか考えられます。１つは、競合が強くてなかなか売り上げを伸ばせないこと。２つめは、商圏規模が想定よりも小さかったり、大規模商業施設や道路が開通する計画を見込んで近隣に出店したものの、計画自体が見直されてしまい前提条件が崩れた場合です。ほかにも、店舗がお客様の支持を失った場合もあるでしょう。また、家電量販店の1店舗当たり売上高が縮小傾向にある中、大型店でもかつて達成できていた予算に届かなくなった場合もあるでしょう。</p>



<p>　競合が強い場合、人員を減らし売場面積を縮小すれば、当然品揃えも悪化しますから、今後競合に勝てる見込みがなくなります。最終的には、閉店する道しかなく、閉店までの時間稼ぎにしかならないでしょう。お客様の支持を失った場合も、お客様の信頼や支持を獲得するために、むしろ人員や品揃えを強化し、自店のブランド力を高めなければなりません。縮小策は正反対であり、閉店までの時間を早める効果しかありません。商圏規模や前提条件が見込み違いだった場合は、今後の売り上げ増加が見込めないので、土地の契約期間満了まで最小限の出費で営業し続けるために、縮小策も致し方ないかもしれません。</p>



<p>　いずれにせよ、不採算店の店舗規模縮小策というのは、競合に対する「敗北宣言」、あるいは出店施策の「失敗宣言」に他ならないのです。とはいえ、多店舗展開をしていれば、店舗規模と商圏規模のミスマッチ、競合に対する苦戦、もしくは単純に見込み違いなどにより、不採算店というのは一定割合出てきます。また、5～10年と営業していれば、商圏規模が急激に縮小し、収支トントンだった店舗が不振店になることだってあります。</p>



<p>　収支を最重視する各本部や幹部には、不採算店はどうにかして解決しなければならない課題と映ります。一方、経営的な視点ではどうでしょうか。重要なのは全社としての収支です。会社全体の収支が高い利益が出ていれば、不採算店が何割あろうと早急に対処する必要はありません。不振店舗を閉めるのは簡単ですが、店舗単独の採算性を見るだけでなく、他店舗とのネットワークによるエリアシェア、競合に対する店舗網の優位性などを考慮し、本当にその店が不要なのか、閉店が唯一の選択肢なのか考える必要があります。</p>



<p>　業績が良いのに、不振店舗の整理に取り掛かるケースも珍しくありません。会社がうまく行っていると、経営幹部は特に解決すべき課題がなく、ヒマつぶしというわけではありませんが、そういう時こそ前年より高い利益水準の確保、コスト削減などに取り組みがちです。先々、市場環境が悪くなった時に備えて、もっと筋肉質の経営にしないといけない——しかし、人間は体脂肪率が下がり過ぎると病気へ抵抗力がなくなり、体が常に無理をしている状態になってしまいます。会社も同様です。そぎ落として確保した利益は、借金が多ければ返済などに充てられますが、期中に投資すべき用途がなければ、上場企業なら配当や自社株買いなどの株主還元に回ります。業績が好調なら、確保した利益を留保するより還元するよう求められますから、いざ市場環境が悪化した時に思っていたほど余裕がなく、いわば利益の先食いになりかねません。</p>



<p>　加藤修一氏は、「利益というのは出過ぎてもよくない。大きな利益が出るならお客様や従業員に還元すべき」と話します。お客様への還元というのは、なにも安売りだけではありません。お客様の買い物インフラとしての店舗を維持する、販売員を増やしてお客様が接客を受けやすくすることも含まれるでしょう。その結果として、各店舗がお客様に支持され、会社のブランド力が向上します。これも、中長期的な投資なのです。</p>



<p>　会社の利益の最大化を目指すよりも、利益水準の適正化を目指すことは、経営者にしか決断できません。どうすればもっと儲かるかではなく、何が正しいか、その取り組みが将来的にどのような結果につながるかを考える。教科書的な経営論や投資家の意見でもあく、なにが正しいのかを判断するのが経営者の重要な役割なのです。最後に「<a href="https://kato-keiei.com/archives/534" target="_blank" rel="noopener" title="">加藤馨氏の「正しい人生」</a>」で紹介した文章を再掲します。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p><strong>ものを判断するうえでは損得を考えず、すべて、どちらが正しいかということを判断基準にしてほしいものです</strong>。この基準が間違っていると社会的にも信用されませんし、事業としても発展しなくなると思います。</p>
<cite>「1997 SUMMER ひろば NO.19」の「名誉会長挨拶」より</cite></blockquote>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img data-recalc-dims="1" fetchpriority="high" decoding="async" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/10/img_3899-e1697006752623-1024x700.jpg?resize=427%2C292&#038;ssl=1" alt="1999年12月にオープンした当時のケーズデンキ水戸本店の写真" class="wp-image-2484" style="width:427px;height:292px" width="427" height="292"/><figcaption class="wp-element-caption">1999年12月にオープンした当時のケーズデンキ水戸本店</figcaption></figure>
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		<title>経営者の視点「出店戦略」</title>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 13 Sep 2023 08:54:29 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[ローコスト経営]]></category>
		<category><![CDATA[出店戦略]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　多くの流通・サービス業は、多店舗展開によって事業拡大を図ります。これは「チェーンストア理論」をベースにしており、多店舗展開することで、コスト比率を下げられ、仕入量拡大によるスケールメリットを得られるようになります。高度 &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2402" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">経営者の視点「出店戦略」</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>　多くの流通・サービス業は、多店舗展開によって事業拡大を図ります。これは「チェーンストア理論」をベースにしており、多店舗展開することで、コスト比率を下げられ、仕入量拡大によるスケールメリットを得られるようになります。高度経済成長期以降、多くの流通業が競うように店舗網の拡大を図り、厳しい競争を繰り広げてきました。もちろん家電量販店も同様で、地域店、地域チェーン、そして県外出店と店舗網を広げる中で、各地で衝突が生じました。現在では主要プレーヤーは10社以内に絞られています。1975年には「日本電気大型店協会」(通称 NEBA)の加盟企業数が93社あったことを考えれば、いかに熾烈な競争だったか分かります。</p>



<p>　現在、家電量販店のうち、全国展開を実現しているのはヤマダHDとケーズHDの2社です（ケーズHDは沖縄県は未出店）。人口減少、少子高齢化に伴う過疎化が地方で進む中、今後新たに全国展開を達成する企業はないでしょう。その意味では、全国に店舗網を確立しているこの2社は先行者利益を獲得していると言えます。ちなみにカメラ量販のように、主要都市に大型リアル店舗を展開しつつ、ネット通販で全国をカバーする方向性もあります。西日本を地盤とするエディオンや上新電機は、最大のマーケットである関東をリアル店舗でカバーできていないません。ホビーに強い上新電機はネット通販で、エディオンはニトリとの協力関係で、関東エリアをなんとか取り込もうとしています。しかし、ヤマダHDとケーズHDは北関東を地盤として、当初から関東の需要を大きく取り込んできており、同業他社がこのアドバンテージに対抗していくのは容易ではありません。</p>



<p>　出店戦略を考えると、かつて量販各社が拡大戦略を強く志向していた当時は、いかに店を増やすかが重視されていました。しかし、人口減少、少子高齢化が進む中、出店拡大は難しくなってきた、というのが一般的な見方です。実際、ヤマダHDは、2015年に不採算の小型店舗を中心に大量閉店。都心部攻略のために出店していた「LABI」店舗も多数閉店しています。出店で収益を伸ばせないからこそ、リフォームや住宅、リサイクル、金融など、異業種参入のスピードを速めた面もあります。</p>



<p>　海外を見ても、中国では、家電量販店大手の国美が、22年6月末時点で中国に3825店あった店舗の9割を閉鎖する方針を発表。蘇寧も直営家電量販店を、コロナ禍の影響が本格的に出る前の19年末と比べて38%減らしました（日経新聞オンライン「<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM278920X20C23A7000000/" target="_blank" rel="noopener" title="">中国小売り、閉店ラッシュ　家電・国美は9割削減方針</a>」）。新型コロナによる外出自粛、都市封鎖により消費者のネット購入が進んだことが要因とされています。米国でも家電量販店最大手ベスト・バイが、2022年に家電需要の縮小やネット通販への移行を背景に、店舗運営コストを抑制するべく大幅な人員削減を発表しています。</p>



<p>　ネット通販が拡大するとリアル店舗の存在意義が希薄になる――2010年ごろからよく言われてきたことですが、日本の家電流通市場では、まだまだリアル店舗を展開する家電量販店が圧倒的なシェアを有しています。日本における家電販売は、量販店チャネルが全体の半分以上を占めていること、なかでも冷蔵庫や洗濯機、エアコンといった大型家電の販売をほぼ独占していること、表示価格ではネット通販が安くても相対値引きでリアル店舗が対抗していることなどが挙げられます。また、自己責任で購入商品を選ぶよりも、販売員に相談して背中を押してもらう購入を好む消費者が多いことも要因の一つです。他にも、人口密度が高く、買物インフラが充実しており、店舗利用がしやすいという点も見逃せない事情でしょう。海外と異なり、日本ではまだまだリアル店舗の役割が大きいというのが筆者の見解です。</p>



<p>　とはいえ、ネット通販の普及や家電需要の緩やかな縮小を背景に、店舗の売上が減少しているのも事実です。かつては一店舗で100億円売り上げる郊外店舗がいくつもありましたが、現在では旗艦店でもおそらく50億円あればかなり良いほうでしょう。過疎化が進む地方都市では、店舗売上が下がってしまい、店舗人員数を減らし、人件費を抑えることでなんとかトントンにしている状況も珍しくありません。</p>



<p>　こうなると、「店舗整理」に動くケースが多くなります。採算の悪い店舗を閉鎖し、収益を見込める店舗に絞って人員や投資を集中することにより経営効率を上げるという考えです。しかし、加藤修一ケーズホールディングス名誉会長の考え方は違います。「店舗を閉めてもコスト比率は下がらない。そもそも、店舗整理というのは、儲からなくて傾いている会社が採るべき方法。儲かっている会社が店舗を整理する必要はない」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">店舗整理がコスト増を招く</h2>



<p>　少し解説をしましょう。チェーンストア理論に基づいて出店する場合、エリアを飛び地にせず、地続きで店舗網を充実させていきます。こうすることで、チラシの配布を大きく増やす必要がなく、また既存店があるのでブランド（店名）を周知するための大掛かりな販促も不要になります。さらには、物流配送網や人員配置も既存のネットワークを活用できるので、新店を出しても、コスト比率が上らないのです。もし飛び地に出店すれば、物流・配送拠点を新設しなければならず、社員の異動に伴う住宅手当などが必要になり、新規エリアであれば、配布するチラシ枚数も大幅に増加します。コストを抑えて店舗網を拡大することが、チェーンストアの強みであり、ローコスト経営のカギとなるのです。</p>



<p>　ローコスト経営を実現するための店舗網充実は、国内市場が緩やかに縮小傾向にあり、ネット通販の利用が拡大している現在でも、変わりません。1つの物流センターで30店舗をカバーしている場合、不採算店を閉めて20店舗にすれば、1店舗当たりの物流費は上昇します。流通の場合、「撤退」を認めたくないので、近隣店舗と統合しましたというたてつけで閉店しますが、近隣店舗が30キロ離れていれば、統合先店舗に足を運ぶ人も大幅に減るでしょう（車がないお客は物理的に来られません）。しかし、あくまで店舗統合なので、閉鎖したエリアにもチラシはまき続けます。来店見込みの薄いお客に対し、フォローとしてチラシを毎週入れ続ける――まさに無駄なコストになってしまいます。閉店することで、コスト比率を下げるどころか、逆にコスト高になってしまうリスクがあるのです。しかも、撤退したエリアのお客が失望してしまう可能性もあります。</p>



<p>　店舗を何百店舗も展開していれば、好調店もあれば、なかなか売上が伸びない不振店も当然出てきます。もともと売り上げ規模の小さい田舎の店舗は、減価償却が終ってトントン状態という店舗も多いでしょう。しかし、こういう店舗は地代も低いので、売上不振が会社の経営成績に大きな影響を与えるわけではありません。個店単位の成績で店舗継続の可否を決めるのではなく、旗艦店や物流拠点を含めたエリア全体、会社全体で採算性を見て、十分利益が出ているなら、急いで閉店する必要はないのです。</p>



<p>　長く営業していれば、お客の店舗利用経験も増え、固定客が増えるかもしれません。あるいは、競合店が経営不振で店舗整理に動くかもしれません。体力勝負となれば、不振店を抱えても利益が出せる会社の方が明らかに強いはずです。チェーンストア理論に基づき、ローコスト経営を実現しているのに、単店管理で不振店を閉めることは、その強みを捨てるようなもの。だからこそ、加藤修一氏名誉会長は、「店舗整理は経営不振の会社がやること」と常々話してきたのです。</p>



<p>　リアル店舗は、地域の住民にとっては大切な「生活インフラ」です。人口が少ない地方都市にまで店舗網を展開できていれば、買物弱者と言われる人たちの窓口にもなれます。商品取り寄せ、ネット通販で購入した商品の受け取り、さらには地域の困りごとの窓口になれるかもしれません。リアル店舗のネットワークがあれば、将来的にもさまざまな可能性が生まれるのです。</p>



<p>　高齢者の場合、普段は近場の小型店舗で買物をして、家族や友人知人とでかける時は大型旗艦店に行くというケースも少なくありません。小型店舗が毛細血管のように小商圏ネットワークを広げ、旗艦店が大商圏を支える。両者がうまく機能してこそ、チェーンストアのローコスト経営が実現するのです。人口減少や過疎化が進むエリアに単独店が出店しようとしたら、だれもが無理と考えるでしょう。しかし、チェーンストアなら可能です。単店舗では収益が小さくても、ローコスト経営により採算ベースを下げられ、エリア全体として商圏をカバーできるのです。これこそ「スケールメリット」です。売上拡大により仕入価格を抑える「スケールメリット」は、実際には差をつけられません。差をつけられないからこそ、多くの企業がリスクが高い「オリジナル商品開発」に走るのです。</p>



<p>店舗網のスケールメリットは違います。全国どこでも商品を供給できるというのは大きな強みです。ネット通販が全国に届けられると言っても、物流自体が疲弊してしまえば難しくなります（参考　住友電工システムソリューション<a title="" href="https://www.traffic-probe.jp/wp_all/wp03_1.html" target="_blank" rel="noopener">物流業界「2024年問題」を一から解説</a>）。しかし、全国の店舗に商品を届ける物流インフラを自社で持っていれば、BtoC配送ほどには影響を受けにくいでしょう。ネット通販が普及した現在でも、長年かけて積み上げてきた店舗網のスケールメリットには大きな可能性があります。</p>



<h2 class="wp-block-heading">常識・当たり前を疑う</h2>



<p>　しかしながら、頭でっかちな経営者や、常識にとらわれる経営者は、不採算店があると閉鎖したほうが「収益効率が上がる」と考えてしまいます。しかし、加藤修一氏は常に「“常識”や“当たり前”を疑う」姿勢です。一見正しいようでも、誰も否定していなくても、中長期的にはどうなのか、お客様から見たらどうなのか――いろいろな角度から「何が正しいか」を判断します。だからこそ、ケーズデンキは、さまざまな不況の中でも成長できたのです。</p>



<p>　MBAや中小企業診断士、あるいはコンサルティングなどの資格を有していれば、優れた経営者になれるわけではありません。マーケティングや販売手法に秀でていることが優れた経営者の資質というわけでもありません。「常識にとらわれず、何が本当に正しいかを見きわめる力」こそ、優れた経営者に必要な資質ではないでしょうか。経営幹部の多くは、経営における常識論を振りかざしがちです。こうすればコストが下がる、社員がもっと働く、前年より数字を改善できる――厳しい言い方をするなら、世間で正しいと言われていることを主張すれば、結果がどうなっても自身の責任にならないからでしょう。</p>



<p>このような常識論にしっかり反論できたのが加藤修一氏です。細かい営業施策などは現場に任せながらも、子会社幹部の強い要請を受けて、多大な費用をかけたポイント制度を導入目前になって「これはおかしい」とストップする——まさに経営者ならではの決断と言えます。そして、店舗網を着実に拡大し続ける方針も同様です。着実に実行したからこそ、64期連続増収を達成し、競合よりも高い利益率を実現できたのです。さらに加えるなら、正しい経営判断というのは、業績面で即効性があるものではありません。目先の利益を拡大するコストダウンなどと違い、中長期的な成長につながるものがほとんどです。だからこそ幹部ではなく、経営者自ら判断することが欠かせないのです。</p>



<p></p>



<p></p>



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		<title>従業員を大切にするとは</title>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 25 Aug 2023 01:29:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[パート従業員]]></category>
		<category><![CDATA[ブラック企業]]></category>
		<category><![CDATA[人を大切にする経営]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>立石泰則氏が執筆された「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）にはいろいろな加藤馨氏のエピソードが紹介されており、残された資料を整理、研究してきた筆者としても、好きなエピソードがいくつも紹介されてい &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2377" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">従業員を大切にするとは</span></a></p>
<p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2377">従業員を大切にするとは</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>立石泰則氏が執筆された「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）にはいろいろな加藤馨氏のエピソードが紹介されており、残された資料を整理、研究してきた筆者としても、好きなエピソードがいくつも紹介されています。そのような中でも感心させられるのが、採用に関する考え方です。</p>



<p>間借りしていた元台町の家から、昭和26年6月に根積町の自社所有店舗（現在の柳町事務所、当初は平屋の自宅兼店舗）に移転して売上はぐんと伸びたものの、加藤馨氏は今度は人手不足に悩まされます。「正しく生きる」では、当時は茨城県内には有力企業も大手企業も存在しておらず、優秀な人材は職を求めて県外に流れ、加藤電機商会のような小さな会社の求人に応募してくるのはほとんどが中卒の失業者だったと紹介しています。そして、加藤馨氏の以下のような言葉を紹介しています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>こういっては何ですが、ウチのような小さな店に来る人に満足な人はいません。来るのはみんな、中卒者の仕事がない人ばかりでした。だけども私は、最初の頃は居ないよりもマシだと考えて、そんな人たちを頼んでなんとかやってきたわけです。それに実際に「居れば」、どんな人でも自分の給料分は働くんですよ。だから、払う賃金に応じた仕事をしてくれたら上出来なのです。もし給料分以上の働きをしてくれたら、その時は賞与でもなんでも奮発してやればいい。そういう考えでした。</p>
<cite>「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）p81</cite></blockquote>



<p>それでも、採用したものの、数週間で連絡もなく無断欠勤し、退職する人もいます。それでも、加藤馨氏は解雇する旨を伝えるだけでなく、わずかな期間であっても働いたぶんの報酬をちゃんと用意し、店の近くに来た際に立ち寄って受け取るようにと伝えることも忘れませんでした。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>私は、本人が悪いことをしない限り、採用した人間を絶対にクビにはしません。それまでも実際に、クビにしたことはありませんでした。不正なことをしなければ、たとえ（修理等の）難しい仕事が出来なくなっても、勤勉な人であれば、どこか他の部門で働かせるようにしていました。いまでもウチでの会社では、そうやっていますよ。</p>
<cite>「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）p95</cite></blockquote>



<p>「優れた人材がいないから会社の業績が伸びない」「能力のない社員はいらない」——そのようなことを口にする経営者と、加藤馨氏は大きく異なります。加藤馨氏には「雇ってやっている」という姿勢はありません。働きぶりに対し、正当な賃金を支払う大切さを語る一方で、たとえ能力がなくても勤勉に（真面目に）仕事をする人は切らない。「人を大切にする」姿勢があるからこそ、社員がノルマのプレッシャーや解雇の不安を感じることなく働くことができ、自分に適した業務で能力を発揮することができるのです。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>私は、能力に比例した賃金を支払うという考え方なんです。能力に合った賃金を支払わないと、いい人は会社を辞めて行ってしまいます。ですから、私が社長の時は、新卒の給料を他社よりも二割ほど高くしましたし、中途採用は職業安定所と新聞広告とで高めの給料で人材募集していました。逆に優秀な人を安い賃金で働かせようとすれば、いい人は居なくなり、また入っても来なくなります。一番悪いやり方は、能力の低い人を安い賃金で集めることです。これだと会社が回りません。それに対し給料を高めにしましたら、比較的優秀な人が入ってくるようになりました</p>
<cite>「<em>正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）p95</em></cite></blockquote>



<p>一般に言われる「成果報酬」の考え方とは似て非なるものです。加藤馨氏にとって、賃金水準と集まる人材の質は天秤の左右のようなもので、安い賃金で優秀な人材を集めることはできないし、安い賃金で優秀な人材を雇い続けることができない、それが当たり前という考え方です。当たり前と言えば当たり前ですが、その当たり前ができず、従業員を「コスト」としかみない経営者が多いことも事実です。</p>



<p>加藤馨氏のこのような「人を大切にする」採用や雇用の考え方の対象は、決して社員だけでなくパート従業員も同様です。加藤電機商会のころから勤めていたパート従業員の冨田松枝氏は、退職後も、引退して高齢となった加藤馨氏の体調を心配して自宅に顔を出したり、食事会に出掛けたりと親交が続きました。雇い主、パートという関係ではない付き合いが加藤馨氏が亡くなるまで続きました。ちなみに冨田氏はパート時代にはフルタイムで社員以上の働きぶりを見せていて、退職時には加藤馨氏が当時の加藤修一社長に「長い間、（ケーズデンキのために）よく働いてくれたのだから、退職金を五百万円払ってやってくれ」と頼んだと言います（「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）p405）。すでに大会社となっていたケーズデンキは雇用規定上、退職金の支給はできなかったものの、加藤馨氏は個人的に冨田さんの貢献に報いたようです。</p>



<p>加藤馨氏が社長・会長時代に、毎年お歳暮として「数の子」を従業員を配った際にも、社員だけでなく、パート従業員や子会社の従業員にも配っていました。会社のために働くすべての従業員が対象であり、従業員の家族に対し、従業員の仕事を支えてくれていることへの感謝の気持ちを込めて送っていたそうです。社員もパート従業員も分け隔てなくとらえていたことがわかります。従業員が働くことを「当たり前」と考えず、「会社のために働いてくれてありがとう」「かぞくの皆さんも支えてくれてありがとう」という「感謝」の気持ちを常に持っていたのです。</p>



<p>人を大切にする経営というのは、なにも正社員だけが対象ではありません。会社にかかわるすべての人を大切にするものです。近年ＥＳ（従業員満足度）が投資家に注目されるようになり、「退職率」「平均勤続年数」など雇用に関する指標を気にする会社も多くなっています。しかし、本来のＥＳは、指標で測るものではなく、会社として、経営者としての考え方が行動として示されるべきものであり、その結果として会社に対する世の中の評価が高まるものです。</p>



<p>たとえば「人を大切にする」とうたいながら、パート従業員には厳しい会社もあります。休憩スペースやフリードリンクの利用を社員に限定し、パート従業員には使わせない。社員には福利厚生を手厚くしても、パート従業員は別というわけです。また、待遇は違うのに、厳しいノルマや自社製品購入を押し付けるようなケースもあります。</p>



<h2 class="wp-block-heading">優しい顔をしたブラックも</h2>



<p>パート従業員への待遇を差別する、あるいはきつい扱いをする会社というのはいうまでもなく「ブラック企業」です。しかし、分かりやすい「ブラック企業」はなんらかのかたちで世の中に気づかれ、バッシングなどの対象となるでしょう。</p>



<p>実は「優しい顔をしたブラック企業」というのもあります。むしろこちらのほうがやっかいかもしれません。一例を挙げてみましょう。</p>



<p>会社自体は「人を大切にしている」と評価されていたり、働きやすい職場とうたったりしています。しかし、パート従業員比率が高いにもかかわらず、パート従業員が正社員登用されるためには、時間や業務の達成条件に厳しいハードルが設けられています。職場環境はみんな優しく、仕事にやりがいもある、しかしパート従業員のまま正社員登用される見込みもなく、いつまでも働くしかありません。自分が職場で戦力として重要と自覚しているからこそ、辞めたら周囲の仲間が困ると分かるし、人間関係もいいからこそ辞めにくい。しかし、正社員登用のために５年以上フルタイムで勤務が必要となれば、20歳で働いた人は25歳になります。25歳なら30歳です。いくら能力が高く、一緒に働く仲間が「社員にすべき人」と評価していても、会社のルール上、正社員登用を会社に認められません。30歳を過ぎれば、その人はその後もフリーターとして働かなければならない可能性が高くなります。あるいは、結婚したいと思っても、パートでは相手の家族に認めてもらえないため、就職のために辞めることになります。</p>



<p>「優しい顔」というのは、働く環境として、やりがいがあり、職場の人もやさしく、働く場所として不満がないどころか、非常に居心地が良いという点です。一方で、その居心地の良さに長く浸かっていると、抜け出しにくくなり、将来に向けた人生設計に支障が生じてしまいます。なまじ良い職場だけに、主婦や学生のパートならいいかもしれませんが、正社員登用を期待して入った人にとっては不幸な結末になりかねないのです。</p>



<p>仕事を覚え、高い実績をあげているのに、どうして正社員登用されないのか。昔ある会社で人事担当者に尋ねたところ、「新卒採用数は新聞や経済誌で取り上げられ注目される指標。正社員登用より新卒採用の方が大切」と答えました。能力が未知数の新卒のほうが、実際に職場で欠かせないパート人材よりも重要というのが、会社の言い分というわけです。このような会社は、パートを含む従業員を単なる「数値」「指標」としか見ていないのでしょう。邪推かもしれませんが、正社員登用のハードルを高くすることも、パート従業員にはあくまでパートしてフルタイムで長く働かせたいという狙いなのかと疑いたくなります。</p>



<p>社員の待遇を手厚くするほうが会社のＥＳへの取り組みを訴求もしやすいでしょう。育児休暇や有給取得などの数字を高め、正社員が家庭の事情や病気で働けなくなった際に、休業補償や一時的にパート勤務に切り替えるなど、手厚い支援をしたほうが「良い会社」とアピールできます。広報・ＩＲ的には、パートはあくまで「臨時雇用者」というわけです。高い実績があって周囲にも評価されている人材よりも、「良い会社です」とアピールするための数字を重視しているようでは、会社の人事が機能不全ではないでしょうか。</p>



<p>かつて雇用関係が今よりずっといい加減だった昭和30～40年代、加藤馨氏は、パートを含めた従業員一人ひとりに対し、人としての成長、家族との暮らしの向上、将来設計まで考えて向き合っていました。中途退社してなお加藤馨氏への感謝の思いを持ち続けた人、パート従業員ながら長く家族づきあいを続けた人、加藤馨氏の「正しさ」は会社経営を退いてからも多くの人を引き寄せました。世の中に「社員を大切にする」とうたう会社は数多くありますが、ケーズデンキが「社員を大切にする経営」で厳しい競争環境でも継続成長できた本質はここにあります。社員を「雇って働かせる」のではなく、社員一人ひとりの人生に向き合い良いものとしていき、社員の生活向上とともに会社が成長していく、それこそが「人を大切にする経営」です。</p>



<p>加藤馨氏のあとを継いだ加藤修一氏は、現場に任せる人です。会社の細かい取り組みについてテレビで聞かれても、「こうしたほうがいいんじゃないかという考え方は示したけど、詳しいことは知らない。うまく行っているならいいでしょう」と自信をもって言えます。そのうえで、なにか会社が評価されることがあれば「社員のおかげ」、なにか悪いことがあれば「経営の責任」というのが加藤修一氏のスタンスでした。加藤馨氏が始めた数の子のお歳暮も、誰よりも思い入れをもって引き継ぎ、大切にしてきました。また、売上の低い小型店舗を巡回して飲み会を開いた際にも、正社員もパートも分け隔てなく接していました。</p>



<p>「人を大切にする経営」とはどのようなものか。ＥＳといった流行で判断するのではなく、単に数字を飾るのではなく、加藤馨氏や加藤修一氏の根本的な考え方を経営幹部はしっかり学んでほしいと思います。</p>



<p>最期に、正社員登用を目指すパート従業員の人に向けてひと言。正社員登用の条件、過去の登用事例などをしっかり確認し、自分の人生を大切にしてほしいと思います。パートとして何年待っても登用されないくらいなら、その分の時間を他の勤務実績にあてた方が、将来的な人生設計の見通しが立ちます。人間関係に引きずられ抜け出せないという「優しい顔をしたブラック企業」も、一般的な「ブラック企業」同様、早く見切らないと大変です。職場の良い人間環境は、周囲の社員の努力であり、誠意です。しかし、会社としての意思が同じとは限らないことを忘れないようにしてください。</p>



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		<title>「わかりやすさ」こそトップの自信</title>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 03 Jul 2023 04:27:22 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[トップの言葉]]></category>
		<category><![CDATA[マネジメントの資質]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>加藤馨氏の出演した「モーニングショー　宮尾すすむのああ日本の社長」（テレビ朝日　1986年12月3日放送）。あるいは加藤修一氏の出演した「プライムニュース」（BSフジ　2012年8月23日放送）などを見ていると気づくこと &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2293" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">「わかりやすさ」こそトップの自信</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>加藤馨氏の出演した「モーニングショー　宮尾すすむのああ日本の社長」（テレビ朝日　1986年12月3日放送）。あるいは加藤修一氏の出演した「プライムニュース」（BSフジ　2012年8月23日放送）などを見ていると気づくことがあります。それは、ビジネスや経営に詳しくない、それこそ小学生でも誰でも理解できるような平易な言葉で常に語っているということです。</p>



<p>たとえば加藤馨氏。「<a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/188" target="_blank" rel="noopener" title="">がんばらない＝能率を上げる</a>」の記事でその発言をピックアップしています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>宮尾「商売というのはどうすれば儲かるんですかね」<br>会長「信条として、<strong>『品質が良い』『値が安い』『サービスが良い』</strong>という３つの目標を実行してきています。そういうことを誠実に実行することが、まあお客さんの信頼につながるんです」<br>宮尾「しかし、ある程度の利益がないと、会社の成長というのもない」<br>会長「<strong>利益は『能率』の中にある</strong>んです。事業の利益というのは」<br>宮尾「能率を上げるためにはどうしますか？」<br>会長「当社の場合、<strong>各人が自分が受け持っている仕事を、この会社の中で一番自分が上手によくできる人間になるんだという信念</strong>ですね」</p>
<cite><em>「宮尾すすむの　ああ日本の社長」（テレビ朝日）より　※言い回しは多少手直ししています</em></cite></blockquote>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img data-recalc-dims="1" decoding="async" width="640" height="480" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201225-151342.jpg?resize=640%2C480&#038;ssl=1" alt="カトーデンキ店内で笑顔で話す加藤馨氏" class="wp-image-189" srcset="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201225-151342.jpg?w=640&amp;ssl=1 640w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201225-151342.jpg?resize=300%2C225&amp;ssl=1 300w" sizes="(max-width: 640px) 100vw, 640px" /><figcaption class="wp-element-caption">カトーデンキ店内で笑顔で話す加藤馨氏（1986年12月3日放送 テレビ朝日「モーニングショー」内、宮尾すすむのああ日本の社長」に出演したとき）</figcaption></figure>
</div>


<p>「ああ日本の社長」というバラエティ色の強い番組ですが、加藤馨氏の語り口は普段どおりです。ごく自然に自身の考えを語っています。気負いやてらいは一切見られず、自分の考えをわかりやすく相手に伝えようとする姿勢が目立ちます。</p>



<p>加藤修一氏も同様です。「プライムニュース」の番組冒頭で、ケーズデンキの店舗では、音楽も静かで、販売員がしつこく背後につきまとってガンガン売り込みするような姿勢がないことを問われて、以下のように答えています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>（番組冒頭に識者が説明）静かで落ち着いていて、店員さんが売らんかなの背後霊のようにずっとくっついてくるような、ガンガン売るぞみたいな雰囲気がまるでないのが新鮮というか、印象的でした。<br><strong>司会</strong>　加藤さん、まずお店の雰囲気について伺いたい、どうしてこういうふうに？<br><strong>加藤</strong>　若い頃は多少はがんばったような気がするんですよね。二十歳代のころはやはり若いですからいろいろがんばるわけですよね。でも、その中で頑張りってのは続かないなって気づいてくるわけです。そしてやっぱりこれはマラソンとかスポーツと同じで自分の持つ力をうまく配分していくことが、その間の中で最大の実績を残すことだというふうに気がついたわけですよね。<br><strong>司会</strong>　その雰囲気を実際のお店にもという感じ？<br><strong>加藤</strong>　売場の場合はですね、会社の都合でお客さんにアピールするんじゃなくて、お客さんの言っていることをよく聞いてお客さんのためになるようにすれば、どこかでお客さんが儲けさせてくれるんであって、儲けようというところから入っちゃうと押しつけになっちゃうんですよね。</p>
<cite>BSフジ「プライムニュース」2012年8月23日放送　より</cite></blockquote>



<p>また、「がんばらない」ための施策の一つとして何百通り以上のバリエーションがある勤務シフトについて問われ、以下のように答えています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p><strong>加藤</strong>　私としては社員の残業を減らしたいという話がありますね。お店としては10時から21時まで営業している。当然、早番遅番となる。そうすると、お店は一番ひまな時間に一番社員が（多く）いる状態になっちゃうんですよ、通常の早番遅番で処理したら。だから、そうじゃなくて中を抜くとか、勤務時間をある程度組み合わせるとかして、ひまな時は少ない社員で、忙しい時は多くの社員で働くようにしなければ、残業を減らしていくことは不可能だということで、そんなふうにしたらどうだとは言いました。<br>で、５～６通りのパターンができるのかなと思って、何年か経って気がついたら何百通りと言われてびっくりしているんですけどね。<br>考え方だけは示しましたけども、そのあとは全然携わっていないので、今日初めて（勤務シフトの表を）見ています。<br><strong>識者</strong>　個々の従業員の人たちのいろいろな生活のパターンがあるじゃないですか、そういうのを聞き入れながら作っていくから数が増えていくということですか<br><strong>加藤</strong>　そうですね。それは人事とお店と、営業の人が考えていることで私の範疇ではない。私の知ったことではないけども（笑）、まあ工夫はした方がいいだろうとは言ったんですね。<br>（中略）<br><strong>加藤</strong>　結局、そういう方向までみんなでみんなで考えて決まっているんであれば、それ以上私らには関係ない、現場の人がやった方がいいわけですよね。</p>
<cite>BSフジ「プライムニュース」12年8月23日放送　より</cite></blockquote>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img data-recalc-dims="1" decoding="async" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/img_3607.jpg?resize=671%2C392&#038;ssl=1" alt="BSフジ「プライムニュースに出演したときの加藤修一氏（2012年8月23日）" class="wp-image-2300" width="671" height="392"/><figcaption class="wp-element-caption">残業やノルマがない「がんばらない経営」について質問を受ける加藤修一氏<br>（2012年8月23日放送　BSフジ「プライムニュース」に出演）</figcaption></figure>
</div>


<p>「残業なし」に続いて、「ノルマ不要」について質問され、加藤修一氏は以下のように説明しています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p><strong>司会</strong>　ノルマ不要は、働く方としてはうれしいんですが、こんな感じでいいかって割と適当な感じになったりしないんですか。<br><strong>加藤</strong>　そうみんな不安に思いますけども、社員というのはたぶんね、仕事が面白かったら勝手にどんどんやるんだと思いますよね。で、人に言われてやるというのは結構大変なんですよね。子供さんがいてね、母親から勉強しろ勉強しろと言われると、本当はやる気あるんだけど、なんとなく言われてやったというのは価値がなくて、やりたくなくなってしまうっていうことありませんか。<br><strong>司会</strong>　あります、今やろうと思ったのにって（笑）<br><strong>加藤</strong>　ところがそんな要求受けなければ、面白さを与えておけば社員は自らやると思うんですよね。だからサボる心配はないと思います。<br><strong>司会</strong>　でも、サボる人が出てきたらどうする？<br><strong>加藤</strong>　みんながちゃんとやってるとね、サボる人はその会社にいずらくなって辞めていくんじゃないですかね。ぶら下がっているだけというのが目立っちゃえば。</p>
<cite>BSフジ「プライムニュース」12年8月23日放送　より</cite></blockquote>



<p>長く引用しましたが、難しい言葉や難解な理論はまったくありません。誰でも話していることが理解できます。そして、加藤馨氏、加藤修一氏、ふたりの考え方の根底が同じということもわかります。</p>



<p>経営者、あるいは経営幹部は、立場に見合った自分の姿を演出するために、「特別感」を出そうとしがちです。会社の説明資料やホームページで腕組みをした写真を掲載したり、あるいはカタカナ語やマーケティングの専門用語などを駆使して難しそうな話をしたりする人もいます。一例を挙げるなら、ここ最近注目され始めた「ES（従業員満足度）向上」という言葉。それよりも、両加藤氏が話す「従業員を大切にする経営」のほうが誰でも理解できますし、伝わります。そもそも、ESという言葉が出るよりもはるか昔から、加藤馨氏は加藤電機商会の頃からすでに「人を大切に」してきました。言葉よりも実行が重要であり、しかも高い実績を出してきたのです。</p>



<p>トップが、社員が理解できない、伝わらない話をいくらしても、社内のモチベーションは高まりません。また、トップや幹部が現場の細かいところまで自分が一番理解していると話していれば、下の人間は何も意見を言えなくなります。結果、上司の顔色ばかり気にする指示待ち人間ばかりになるのです。加藤修一氏は、番組中で現場のことを問われて「知りません」と平気で答えます。自分の考え方は示しているから、現場の細かいことは知らなくても問題ない、自分が細かく指示するよりも現場が実情にあわせて決める方がうまくいく‥‥こう考えているからこそ、トップとして自信を持って「知りません」と言えるのです。「特別感」を出すために自分を大きく見せる経営者とは、大きな違いです。</p>



<p>人間というのは、他者とかかわる中で「自分の方が優れている」「自分の方が経験豊富だ」「自分が一番会社のことを考えている」など、優位性を出そうとしがちです。いわゆる「マウンティング」です。ここに肩書や権威が加われば、ハラスメントになりかねません。自分を大きく強く見せたいからこそ、難しそうな話をして、自分が優れていると主張するのです。しかし、周囲が理解できないような難しい話をするというのは、裏を返せば中身がないということです。中身がないからこそ、難しそうな言葉や難解な経営理論を引っ張り出して、自分の考えをきらびやかに飾り立てるのです。</p>



<p>そもそも、社員が理解できないような難しい話をトップがしていて、話を聞いた社員が行動に反映できるはずがありません。満たされるのは「俺はすごいだろ」というトップの自尊心のみです。話を聞く時間すらも無駄ですし、非生産的です。</p>



<p>これに対し、加藤修一氏はみんなが無理なく、楽しく働けるようにすることがトップの役割と考えています。自分を大きく見せる必要もなく、卑下することもなく自然体です。加藤修一氏は、「がんばらない経営」を取り上げるテレビ番組に出演する際に、事前になにも用意せずに臨んでいたそうです。自分の考え方を話すだけだから準備は要らない、聞かれたことに答えるだけとのこと。これこそがトップとして考え方がぶれない「自信」なのでしょう。自分の考えがしっかりまとまっているからこそ、誰にでも理解してもらえるように、いくらでもかみくだいて話ができるのです。</p>



<p>経営者や経営幹部に限らず、店長をはじめ部下を持つマネジメント職の人は、コミュニケーションにしっかり気を配るべきです。自分を偉く見せることは能力が無くても肩書があればできます。しかし、自分一人の自尊心は満たされても、会社の業績があがるわけではありません。それよりも部下が理解し行動できるようにわかりやすく考えを伝えることのほうが、マネジメントとしての能力が求められますし、結果的に組織はうまく動き、会社の業績も上がります。</p>



<p>加藤馨氏、加藤修一氏は、話す言葉が簡単だからとって、能力が低いわけではありません。二人の実績がそのことを示しています。経営者やマネジメントの立場の人には、ぜひ二人が話す映像を見て学んでほしいと思います。</p>



<p></p>



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		<title>「がんばらない」の原点</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2223</link>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 28 Nov 2022 01:54:39 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[解決と対処の違い]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>ケーズデンキを象徴する「がんばらない経営」。加藤修一氏の著書のタイトルになっており（Amazon）、またジャーナリストの立石泰則氏も『「がんばらない」経営　不況下でも増収増益を続けるケーズデンキの秘密」という著書でケーズ &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2223" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">「がんばらない」の原点</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>ケーズデンキを象徴する「がんばらない経営」。加藤修一氏の著書のタイトルになっており（<a href="https://www.googleadservices.com/pagead/aclk?sa=L&amp;ai=DChcSEwj7t-uQ5MD7AhUR0pYKHUDAB64YABAHGgJ0bA&amp;ohost=www.google.com&amp;cid=CAASJORoC_nApju16_zt0wiJjv42kd_otridZTrWsM92GPvvMR_RIg&amp;sig=AOD64_1A7BqMsqG4iIZOokXJs_hTW5_lSg&amp;ctype=5&amp;q=&amp;ved=2ahUKEwij1-OQ5MD7AhWts1YBHQ2pB00Q9aACKAB6BAgBECk&amp;adurl=" target="_blank" rel="noopener" title="">Amazon</a>）、またジャーナリストの立石泰則氏も『「がんばらない」経営　不況下でも増収増益を続けるケーズデンキの秘密」という著書でケーズデンキの経営を解き明かしています。</p>



<p>「がんばらない経営」という言葉は平易で誰でも理解できます。しかし、いざ実践しようとするとできないものです。「社員が必死に頑張ってこそ会社は大きくなる」「“がんばらない”なんてきれいごと。努力なくして結果は得られない」「“がんばらない”なんて言ったら社員がサボる」といった反論も聞かれます。しかし、がんばらないと成長できない会社というのは、それこそ一秒たりとも手を抜かず全力疾走し続けるようなものです。短距離走ならいいでしょう。しかし、会社は存続することが大切ですから、短距離走のペースでは体力が持ちません。</p>



<p>社員だって同じです。「四六時中仕事のことを考えろ」と社員に命じる会社もありますが、社員は奴隷ではありませんし、社員にも仕事を離れたプライベートの充実は大切です。いくら優秀な社員でも、無理な働き方で体調を崩したり精神的に参ってしまえば会社を辞めていきます。これは会社にとっても、社会にとっても大きな損失です。</p>



<p>これまでも説明してきましたが、「がんばらない経営」というのは、がんばらなくても会社が成長し続けることを目指す考え方です。無理のない適切なペース配分をすることで長距離を走り抜き、そのうえで次の走者に確りタスキをつなげていく「駅伝」のような経営です。そのために、「無駄なことをせず、やるべきことに集中する」のです。「がんばらない」ためには、会社がどうあるべきか、どこに向かうべきか、社員がどう働くべきか、しっかり考え抜くことが必要です。</p>



<p>社名がまだ「カトーデンキ販売株式会社」だった昭和63（1988）年9月28日の経営方針発表会資料を見ると、「がんばらない」の原点と言える加藤修一氏の言葉がありました。この年のカトーデンキ販売は、4月に株式を店頭公開し、5月には独自の自動発注システムを導入しています。加藤修一氏は昭和57（1982）年3月に、創業者・加藤馨氏から社長の座を引き継いで6年目、まだ42歳でした。水戸ではコジマや進出した大手百貨店が家電販売で攻勢をかけており、カトーデンキ販売も必死に対抗していた時期です。</p>



<p>経営方針発表会資料のファイルに含まれていたのが、昭和62（1987）年5月に全店導入したばかりのPOSシステムの説明のために作られた「POSシステムを活かすストア・マーケティング」です。そのPart.2の「売上を伸ばす対策」という項に以下のような記述がありました。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p><strong>解決と対処の違い</strong></p>



<p>　次に「<strong>解決</strong>」というものを考えていきましょう。<br />　<strong>解決とは向こう３～５年、あるいは未来永劫、この課題には対応しなくてもよいというレベルにまで仕事のやり方を引き上げてしまうこと</strong>です。<br />　解決の対極にあるものは「<strong>対処</strong>」というものです。たとえば何かセールがあって、こうすればお客様が集まり、セールは成功するというノウハウがあれば、セールという課題は基本的に解決されます。<br />　しかし、セールの成功ノウハウがなければ、ガンバレ、ガンバレといわざるを得ません。<strong><span style="text-decoration: underline;">ガンバレしかいわないということは、自らの知恵のなさ、ノウハウのなさを物語っているのだということを知らなければなりません。いつも、いつもガンバっている状態、これが対処だといえます。とくに流通業では、「ガンバレばなんとかなる」という空気が強く、対処、対処の連続で仕事をこなしているところが多く、解決という考え方がきわめて希薄です。</span></strong></p>



<p>　最後に「行動の重視」というものを考えてみます。これは、実行力、実現力、達成力などを意味しております。流通業では不言実行というよりも有言実行でいいのですが、あまりにも有限不実行、不言不実行が多い。<br />　多くの会社、店、売場で重点・集中・解決・行動の重視の逆をしているではないでしょうか。ここが、忙しさに取り紛れ、いまと同じようなレベルの販売を続けるのか、２ケタ増の売上を獲得するかの分岐点になっているのです。</p>
<cite>カトーデンキ販売「POSシステムを活かすストア・マーケティングPart.2」　※太字、アンダーラインは筆者による</cite></blockquote>



<p>「解決」と「対処」、似ているようで非なる二つの言葉から、加藤修一氏は日々の働き方の心構えをうまく説明しています。「対処」はその場限りの対策に過ぎず、同じことを何度も繰り返さなければならなくなる、だからこそ根本的な「解決」をして、二度と対応する必要がないレベルに仕事を引き上げましょうと訴えかけています。</p>



<p>ただガンバレ、ガンバレと発破をかけても、次につながるノウハウは残りません。忙しい中でも、今取り組むべき課題を明確にし、その課題に集中して根本的な解決を図り、しっかり行動していく。そして「解決」済みにすることで仕事の精度が向上し、全社の生産性が向上し、業績が飛躍的に伸びるのです。だからこそ加藤修一氏は、「対処」につながる「ガンバレ」という言葉を避け、「がんばらない」と明言したのです。</p>



<p>「がんばらない」の背景には、「重点・集中・解決・行動の重視」があります。忙しい中で課題を解決していくことは決して容易ではありません。「なまける」「手を抜く」とは真逆です。別の言い方をするなら、がんばらなくても高い生産性を実現できる組織になりましょうということです。そのためには、できもしないことに時間を費やしたり、目先の成果のためにがむしゃらに働いたりせず、やるべきことを明確にして集中的に取り組み、解決することでノウハウを蓄積していきましょうというわけです。</p>



<p>先の文章は、大手百貨店の進出、価格破壊セールをしかけるコジマなどの競合との戦いの真っ最中に、従業員に向けて加藤修一氏が講習したときの資料に書かれているものです。厳しい競争環境の中でも、加藤修一氏は、目先にとらわれず、一歩先、二歩先を見据えて日々の業務に取り組む大切さを社員に説いていたことがわかります。</p>



<p>「がんばらない経営」という言葉は、加藤氏がある時急に思いついて、実行したものではありません。厳しい競争の中で「解決」に取り組み、勝ち残ってきた結果生まれた「経営の極意」です。だからこそ、平易で誰でも理解できそうな言葉ですが、正しく理解することが難しく、容易に真似できないのです。競合他社がある日を境に急に真似しようとしてもすぐに成果を得られるものではありませんから、まさに最強の「差別化戦略」「独自資産」といえるでしょう。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img data-recalc-dims="1" loading="lazy" decoding="async" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2022/11/img_1981-e1669599778412-1024x704.jpg?resize=541%2C372&#038;ssl=1" alt="" class="wp-image-2231" width="541" height="372"/><figcaption class="wp-element-caption">昭和63（1988）年9月のカトーデンキ販売の経営方針発表会資料のファイルに残されていた「POSを活かすストア・マーケティング Part.2」。前年に導入したPOSシステムの活用方法を加藤氏が自ら社員に向けて説明していた</figcaption></figure>
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		<title>平凡のなかに本物の味がある</title>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 17 Oct 2022 04:21:18 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[がんばらない経営]]></category>
		<category><![CDATA[優れた経営とは]]></category>
		<category><![CDATA[経営理念]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>以前、加藤馨経営研究所のFacebookでも紹介されていた、加藤修一氏が好きな言葉が『平凡のなかに本物の味がある』です。 この言葉は『菜根譚(さいこんたん)』という書物の前集７項にある「真味只是淡」という句に由来していま &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2119" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">平凡のなかに本物の味がある</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>以前、加藤馨経営研究所のFacebookでも紹介されていた、加藤修一氏が好きな言葉が『平凡のなかに本物の味がある』です。</p>



<p>この言葉は『菜根譚(さいこんたん)』という書物の前集７項にある「真味只是淡」という句に由来しています。『菜根譚』は明代末期の中国（16世紀）で、洪自誠によって書かれた随筆集です。菜根譚という言葉は、宋の汪信民の言葉「人咬能得菜根、則百事可做（人能く菜根を咬みえば、則ち百事なすべし）」に由来するもので「菜根は堅くて筋が多いので、これをよく咬みうるのは、ものの真の味わいを味わいうる人物である」ということを意味しているそうです。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow"><p>醲肥辛甘非真味　　　　　　醲肥辛甘（じょうひしんかん）は真味にあらず<br>真味只是淡　　　　　　　　真味は只だこれ淡なり<br>神奇卓異非至人　　　　　　神奇卓異（しんきたくい）は至人にあらず<br>至人只是常　　　　　　　　至人はただ是れ常なり<br></p><p>【意味】濃い酒や脂ののった肉、辛いもの、甘いものは、本物の美味しさではない。本物の味というものは淡白なものだ。同様に、人並みはずれた特異な才能がある人が、道を究めた人というわけではない。道を究めた人というのは、ただ平凡に見える人だ。</p></blockquote>



<p>加藤氏は、『がんばらない経営』でケーズデンキを育て上げた名経営者ですから、会って話を聞きたいという人が多くいますし、時にはアドバイスを求められることもあります。高名なコンサルタントなら「○○を△△するとよい」と答えるところですが、加藤氏は、細かい営業施策や経営戦略について語ることはほとんどありません。</p>



<p>社員に向けた朝礼での話も同様です。「世の中のトレンドは○○だから、当社も〇〇を強化して、高い目標値をクリアしよう」といった話をすることはなく、生きる上で大切なこと、あるいはお客様と接する上で大切なことを説くだけです。その象徴ともいえるのが「キビキビと、お客様に伝わる本当の親切を実行しよう」というケーズデンキのスローガンです。これ以上の言葉はないからと、このスローガンは長く変更されていません。加藤氏の経営理念を最もよく表している言葉だからこそ、変える必要がないのです。</p>



<p>加藤氏は物事に対する姿勢や考えかたについては話しますが、こうしなさいという指示はほとんどしません。そのため、加藤氏の話を聞きに来た人のなかには拍子抜けする人もいますし、当たり前のことを普通に話すだけの「凡人」と思う人もいます。加藤氏を近くで見ていた人でも、細かい営業的な指示をしないので、「加藤さんはほとんど仕事をしていない。会社が成長したのは周囲の努力の結果」と誤解する人もいます。もし、面と向かって加藤氏にそう言ったとしても、加藤氏は「そうだよ。俺ができない仕事を周りがしてくれたから」と笑って返すでしょう。しかし、このような加藤氏の姿勢こそ、菜根譚の「至人只是常（至人はただ是れ常なり）」と言えます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">経営のプロは本当に優れているのか</h2>



<p>世の中には経営のプロといわれる人もいます。傾いた会社を立て直した、利益を大幅に向上させた、あるいは周囲が思いつかないようなアイデアで大成功したなど。経済紙などでは、そのような経営のプロがもてはやされますし、ベンチャー企業のトップにもそのようなプロ経営者を手本にする人が少なくありません。しかし、短期で目ざましい成果を挙げることが、本当にすぐれた経営といえるでしょうか。</p>



<p>会社に勤める従業員にとって良い会社とはどのような会社でしょうか。日本においては、安定的な雇用を実現する会社が良い会社でしょう。業績が悪いと社員を解雇し、業績が良いと大盤振る舞いするような会社は、分かりやすいかもしれませんが従業員にとっては人生設計がしにくいものです。もちろん、能力の高い人ならば、能力至上主義や成果報酬制のほうが収入も格段に増え、やりがいを感じるかもしれません。また、能力の高い人ばかり集めれば会社は大きくなるかもしれませんが、常に優れた人ばかり従業員として集め続けるのは容易ではないでしょう。世の中にとんでもなく優れた人など多くいるわけでもありませんし、そもそも一口に能力といっても様々です。どんなに頭が良い人でも、組織の中では能力を発揮するどころか組織に亀裂を生じさせてしまうことだってあります。</p>



<p>ごく平凡な人でも無理をせずに働きながら、収入面でも大きな困りごともなく安心して生活でき、会社も個々の従業員の能力に過度に頼ることなく安定的に成長できるのが、本当に「強い会社」なのではないでしょうか。さらには、経営者一個人のスキルに頼ることなく、経営者が細かい指示を出さずとも会社が迷走することなく安定的に成長できることが「仕組みとしての強さ」です。「個人の能力」ではなく、「仕組み」で成長する会社をつくりあげることが経営者として一番優れた仕事でしょう。加藤修一氏が創業者の加藤馨氏の精神を引き継ぎ、多店舗展開、さらにはM&amp;Aなどで会社を飛躍的に成長させたのは、このような「仕組み」づくりを徹底してきたからこそであり、その仕組みこそが「がんばらない経営」なのです。仕組みがあるからこそ、能力が特段秀でた人でなくても戦力となりますし、会社が雇用する際にも人材難を嘆かずに済むのです。</p>



<p>加藤修一氏に会って話した、他社の経営幹部やベンチャー企業トップが加藤修一氏を「普通の人」と感じるとすれば、「テクニック」を求めていたのに「仕組みづくりのための心構え」を聞かされるのですから、当然のすれ違いと言えます。菜根譚の「神奇卓異非至人　至人只是常」は、「人並みはずれた特異な才能がある人が、優れた経営者というわけではない。優れた経営者というのは、ただ平凡に見える人だ」と言い換えることができます。この言葉を言っていれば、加藤氏の印象もまた違ったものになっていたかもしれません。また、平凡な従業員でも力を発揮し貢献できる会社ということも、「至人只是常」という言葉の意味に含めてもいいかもしれません。</p>



<h2 class="wp-block-heading">命令する必要がない</h2>



<p>会社経営において奇手奇策はあくまで一時的なカンフル剤に過ぎず、必ずしも会社を強くするわけではありません。急ごしらえの体力強化よりも、日々地道に時間をかけてトレーニングを重ねてきた方が強い体を作れるものです。その地道なトレーニングのノウハウを学びたいなら、加藤修一氏に勝る先生はいないと筆者は思います。加藤修一氏の話を聴きたいという方は、ぜひこのことを覚えておいてほしいと思います。</p>



<p>最後に、加藤氏の経営に通じる言葉として、2022年9月にNHK交響楽団の首席指揮者に就任したファビオ・ルイージ氏の言葉を紹介します。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow"><p>どんなビジネスにおいても、<strong><span style="text-decoration: underline;">優秀で強いリーダーとは、命令をする必要がない人だと思います</span>。優れたリーダーなら、自分が率いるチームが同じ方向に進めるよう、上手に説得できる</strong>はずです。音楽やオーケストラの世界もそれは同じです。私がいいアイデアや計画の持ち主で、向かう先がわかっている人だと納得すれば、団員もついてきてくれます。また、私がリーダーとして優れた資質を持っていることもわかってもらわなければなりません。確かに難しい問題なのですが、<strong><span style="text-decoration: underline;">私は命令を下すことはしません。演奏家には、なぜこの方向に向かうべきなのか、理由を説明します。</span>たいていの場合は、それでわかってくれます。わかってくれない場合は、さらに丁寧な説明を心がけます。それで最終的には、全員が同じ方向に進むようになります。</strong>これはどんなビジネスの世界でも同じだと思います。</p><cite><a href="https://www.nhk.jp/p/nw9/ts/V94JP16WGN/blog/bl/pKzjVzogRK/bp/p1y8agb2xe/" target="_blank" rel="noopener" title="">NHK ニュースウォッチ９「Ｎ響　新首席指揮者ファビオ・ルイージ氏が目指す音楽」１１１</a></cite></blockquote>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img data-recalc-dims="1" loading="lazy" decoding="async" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2022/10/230515361_299660965286653_6268976360099268862_n.jpg?resize=504%2C377&#038;ssl=1" alt="加藤修一氏による著書へのサインと「平凡のなかに本物の味がある」という一文" class="wp-image-2128" width="504" height="377" srcset="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2022/10/230515361_299660965286653_6268976360099268862_n.jpg?w=960&amp;ssl=1 960w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2022/10/230515361_299660965286653_6268976360099268862_n.jpg?resize=300%2C225&amp;ssl=1 300w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2022/10/230515361_299660965286653_6268976360099268862_n.jpg?resize=768%2C576&amp;ssl=1 768w" sizes="auto, (max-width: 504px) 100vw, 504px" /><figcaption>加藤修一氏が著書にサインとともに記した言葉「平凡のなかに本物の味がある」</figcaption></figure>
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		<title>清濁併せ呑む姿勢</title>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 13 Sep 2022 05:46:07 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[清濁併せ呑む]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>ケーズデンキ創業者の加藤馨氏、そしてケーズデンキを大きく発展させた加藤修一氏。ケーズデンキが大きく発展した要因の一つとして、二人が「清濁併せ呑む」経営者だったことが挙げられます。「清濁併せ呑む」を辞書で調べると、「心が広 &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2053" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">清濁併せ呑む姿勢</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>ケーズデンキ創業者の加藤馨氏、そしてケーズデンキを大きく発展させた加藤修一氏。ケーズデンキが大きく発展した要因の一つとして、二人が「清濁併せ呑む」経営者だったことが挙げられます。「清濁併せ呑む」を辞書で調べると、「心が広くて、善悪の区別なく受け入れる。度量が大きいこと」（大辞林）とあります。「他人や自分に対して、善悪両面を持ち合わせる」「良いことだけでなく時に悪いことをすることも必要」などと間違って使われることがありますが、「度量が大きい」というのが正しい意味です。加藤馨・修一両氏は、「あの人は悪い人だから絶対に近づかない」「あの人は敵だ」などと、付き合いに壁を設けることがありませんでした。</p>



<p>まだ社員が少なく一店舗しかなかった「加藤電機商会」時代、有能な社員が中途退職することになりました。その社員には、家族との生活を支えるためにいろいろと援助をしてきた中での退職でした。その際、加藤馨氏は、最低限の礼儀として「直近の援助分の埋め合わせとしてこの期間だけはしっかり仕事をするように」と告げたそうです。そしてその社員がしっかり勤め上げた後、送り出しました。退職した社員は、「加藤社長には申し訳ないことをした」と自責の念を抱いていたそうですが、ある時店の前を歩いていると加藤芳江氏（馨氏の奥さん）に声を掛けられ、お茶でも飲んでいきなさいと呼び止められます。そして事務所で、馨氏から退職後の近況などを聞かれたといいます。「裏切られた」とか「育ててやったのに」といった感情は加藤馨氏にはありませんでした。その後も馨氏とその社員の付き合いは続いたそうです。</p>



<p>また、個人店時代に加盟していた茨城県電機商工組合との付き合いも大切にしていました。1985（昭和60）年以降、カトーデンキは量販店として業容が拡大し、コジマやヤマダとの価格競争で戦っていました。量販の価格競争に巻き込まれた個人電気店は危機的な状況に追い込まれ、当然カトーデンキ、そして当時代表取締役会長だった加藤馨氏に対する組合内の風当たりも強くなります。そして、1991（平成3）年3月に加藤馨氏は茨城県電機商工組合に脱会届を出します。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow"><p><strong>組合脱会に関する通知</strong><br>謹啓貴組合の皆様には組合創設以来32年の長きにわたり大変お世話になり誠に有難く厚く御礼申し上げます。<br>さて諸情勢の変化に依り当社も規模が拡大し社員も480名、資本金も9億7千8百万円となり、中小企業団体法に基づく貴組合に在籍することは法的にも無理があり一部の方々からも以前からご注告を頂いて居りましたので、貴組合にご迷惑にならない中に脱会したいと考へ来たる平成3年3月31日を以って脱会することに決しましたのでここにご通知申し上げます。　　　　　　以上</p><p>なお、脱会致しましても今後共皆様と変りませづご交際を続けさせて頂き度お願い申し上げます。</p><cite>平成3年3月7日 加藤馨氏から茨城県電機商工組合中央支部宛てに送られたFAX</cite></blockquote>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img data-recalc-dims="1" loading="lazy" decoding="async" width="529" height="765" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2022/09/IMG_1497.jpg?resize=529%2C765&#038;ssl=1" alt="" class="wp-image-2099" srcset="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2022/09/IMG_1497.jpg?w=529&amp;ssl=1 529w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2022/09/IMG_1497.jpg?resize=207%2C300&amp;ssl=1 207w" sizes="auto, (max-width: 529px) 100vw, 529px" /><figcaption>茨城県電機商工組合への脱会届。加藤馨氏は脱会後も組合のことを常に気にし、ことあるごとにお祝金などを送って活動を支援した</figcaption></figure>
</div>


<p>加藤馨氏は、1959（昭和34）年に茨城県電機商工組合が設立された当時から組合活動を支え、支援してきました。1972（昭和47）年まで茨城県電機商工組合の理事を務めています。さらには、電機商工組合の前身である「茨城県ラジオテレビ電機組合連合会」でも理事を務めており、理事長による出資金の使い込みの後処理に取り組むなど、組合を支えてきました。組合設立からの中心人物でしたが、量販店に業態転換し、飛躍的な成長を遂げたことで組合を脱会します。</p>



<p>しかし、加藤馨氏は決してスパッと関係を断ったわけではありません。その後も、組合の会合や新年会、研修旅行などがあるたびにお祝金として何万円も送ります。「当方老齢の為欠席とさせて頂きます。なお、お祝金として〇万円をお贈り致しますので恐縮ですが集金にお来し下され度お願い申し上げます」というFAXの控えがたくさん残されています。先の脱会届にあるように、組合の中には量販店となった加藤氏を敵視する人もいたでしょう。しかし、それでも関係を断つことなく支援を続け付き合い続けたのは、加藤馨氏が「損得」や「感情」ではなく、人とのつながりを大切にしてきた証左と言えるでしょう。このような付き合いは他にもたくさんあります。</p>



<p>加藤馨氏は社会的に「よくない人」とされる人にも、深入りして関係を強くすることはなかったものの、門戸は閉ざすことはありませんでした。良い人の意見ばかりを聞いていても見かたが偏る、悪いとされる人の意見も聞くことで物事をとらえる視野が広がる――加藤馨氏はこのように考えていたようです。</p>



<h2 class="wp-block-heading">門は広く開けておく</h2>



<p>社長を引き継いだ加藤修一氏も、馨氏と同じ姿勢でした。量販店を目指す電気店の勉強会では、参加した会社に後にケーズデンキFCとなったところが少なくありません。中にはFC加盟の直前になって、ケーズデンキの役員を社長に迎え入れ、独自路線に切り替えた会社もあります（結局はうまくいきませんでした）。また、「単独では今後戦っていけない」とFCとなり、子会社化された会社のトップには、加藤修一氏に「商売はこうした方が効率が良い」「加藤さんは甘すぎる」などと、アドバイスをする人もいます。傍から見れば、ケーズデンキの子会社になって加藤修一氏の経営方針のもとにいたから今があるのに、ずいぶんと失礼な話だなと思いますが、加藤修一氏に気にするそぶりはありません。このあたりは本当に懐が深いと驚かされます。</p>



<p>また、加藤修一氏を裏切るような形で袂を分かったはずの人が、その後も「儲け話がある」「こんないい話がある」と連絡をしてくるケースもあります（怪しい話ですが、連絡してくる本人は本気で信じているようです）。それらに対し、加藤修一氏は決して「迷惑だ。連絡してくるな」と突き放したりしません。話は一応聞いて、単に受け流すだけです。くだらない眉唾物の話の中にも、時には役に立つ関係づくりにつながることもあるかもしれない、だからこそ門戸は開いておくという姿勢です。</p>



<p>実際、加藤修一氏は、かつてのNEBA（日本電気大型店協会）で一緒に勉強した競合量販、あるいはメーカーや証券会社の幹部など、いろいろな人との関係が今も続いています。切らないからこそ、そして受け入れる姿勢があるからこそ、何かの拍子にいろいろな人が声を掛けてきて、付き合いが続くのです。</p>



<p>加藤馨氏の人生観は「正しく、誠実に生きる」ことでしたが、だからといって「清い水ばかり」の環境にいようとしたわけではありません。人はさまざまです。悪い人が良いことをすることもあれば、良い人が結果として悪いことをしてしまう場合もあります。「清濁併せ呑む」姿勢というのは、正しく、周囲に非難されるようなことをせず、自身の立ち位置に自信がなければできないことです。「あの人は良い人、あの人は悪い人」「あいつは敵、こいつは味方」「あいつは好き、あいつは嫌い」といった切り捨てではなく、人間の多様性を受け入れながら、自身はぶれずに正しい行動をしてきたのです。</p>



<p>そのような加藤馨氏の姿勢は、子供の頃からそばで見てきた修一氏にもしっかり引き継がれました。自分の方が立場が上とマウンティングしたり、相手を敵視したりしないからこそ、敵を作りにくいのです。筆者は家電量販に限らず、いろいろな会社の経営者を取材したり話したりしてきましたが、多くの会社で、トップの好き嫌いや使える使えないという私見が人事や日々の業務に影響し、結果として派閥のような組織内の軋轢が生じていました。このような軋轢は上流から下流へと波及し、組織全体がギスギスしたものとなりがちです。社内に対しても、社外に対しても、常に門戸を広くしておく姿勢が、組織を健全化させるのだと筆者は強く思います。</p>



<p>ケーズデンキが社員を大切にし、取引先を大切にする会社として、社会的に評価されてきた背景には、このようなトップの「清濁併せ呑む」姿勢があり、受け継がれてきたことで、会社が社会的に非難されなかったことも影響しています。このことをぜひ皆さんに知っておいてほしいと思います。</p>



<p></p>



<p></p>



<p></p>



<p></p>



<p></p><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2053">清濁併せ呑む姿勢</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>勝つスーパーはＳＰＡ？</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2055</link>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 07 Sep 2022 14:20:41 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[SPA]]></category>
		<category><![CDATA[ランチェスター戦略]]></category>
		<category><![CDATA[一点突破]]></category>
		<category><![CDATA[成城石井]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>2022年8月26日の日経MJのトップ記事は「勝つスーパーは製造業　スイーツや総菜、SPA進化」というもの。リード（冒頭の記事紹介文）には以下のように書かれている。 独自開発商品を売りにするスーパーの動きが活発だ。成城石 &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2055" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">勝つスーパーはＳＰＡ？</span></a></p>
<p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2055">勝つスーパーはＳＰＡ？</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>2022年8月26日の日経MJのトップ記事は「<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC174WT0X10C22A8000000" target="_blank" rel="noopener">勝つスーパーは製造業　スイーツや総菜、SPA進化</a>」というもの。リード（冒頭の記事紹介文）には以下のように書かれている。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow"><p>独自開発商品を売りにするスーパーの動きが活発だ。成城石井は自家製総菜やスイーツの製造能力を倍増させ、出店拡大の足がかりにする。紀ノ国屋は看板商品のアップルパイを海外で外販していく。こだわりの自社商品を自社で作って商圏を広げる。そんな製造小売業（SPA）を進化させた「製造業型」経営がスーパーの勝ちパターンの1つとなりつつある。</p><cite>2022年8月26日の日経MJ「<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC174WT0X10C22A8000000" target="_blank" rel="noreferrer noopener">勝つスーパーは製造業　スイーツや総菜、SPA進化</a>」　※会員限定記事</cite></blockquote>



<p>スーパー業界を取り巻く状況は巣ごもり特需の縮小と物価高で消費者の節約志向が高まり、スパーマーケット統計調査によると6月は3ヶ月連続で前年割れと記事は指摘している。一方で、独自製造のスイーツや総菜で集客につなげている勝ち組として紹介されているのは、成城石井や紀ノ国屋、明治屋、クイーンズ伊勢丹など。オーガニック商品を独自展開するライフコーポレーションや長野県などの地元食材を活用するツルヤなども紹介されている。</p>



<p>スーパー業界は、同じ小売業でも、家電業界とは大きく異なるが、何かと「SPA」がもてはやされる今、家電業界にかかわる人間として無視できない記事と感じたので今回取り上げてみる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">弱者の「一点突破」</h2>



<p>成城石井では自家製チーズケーキが「1本1000円しないのに専門店で買うより手軽に楽しめる」と屈指の人気商品になっており、成城石井では工場を新設するなど製造能力を拡大、生クリーム入りメロンパンを復活させるなど、独自商品をテコに出店地域を拡大する狙いだという。また、他社への商品供給も行っており、食品卸としても売り上げが拡大しているとのこと。また、JR東日本傘下の紀ノ国屋も、長年愛されてきたオリジナルのアップルパイやパンなどの看板商品を、他社に卸して販路を拡大するともに駅ナカ店で売れる菓子や弁当、総菜なども新規開発しているという。</p>



<p>こういう記事を読むと、単純に「やっぱり時代はSPA」だなと受け取る向きが多い。しかし、ピックアップされた企業の事業規模を見ずに表面の成功面だけ見ることは大きな過ちとなる。成城石井は年商1000億円超。紀ノ国屋は同200億円超。クイーンズ伊勢丹も同約430億円。ピックアップされた企業で一番の大手はライフコーポレーションで年商約7500億円だが、記事中では「オーガニックの『ビオラル』を展開」としか紹介されていない。そもそも、ライフは企業規模的に、主流であるイオンやセブン＆アイを選ばない顧客層を獲得する対抗軸としてのポジションをすでに確立している。『ビオラル』は違いを明確に主張するための象徴、あるいはひとつの駒といったものだ。</p>



<p>一方、業界首位はイオンでスーパーマーケット事業で年商3兆円弱、セブン＆アイHDは同約1兆5000億円となっており、圧倒的な規模の差がある。日経MJが取り上げた「SPAで勝つ」は、結局のところ弱者の戦い方であるランチェスター戦略の「一点突破」にすぎない。特定の顧客層や商圏に特化した営業や商品開発、あるいは狭い特定の分野での戦いに一点集中することで、圧倒的大手との戦いに勝利する戦術だ。勝利とはいえ、あくまで局所戦での勝利に過ぎない。そもそも規模が大きい企業でも、100％シェアはありえず、一定数の「特別」を求める買物が存在する。一定の「アンチ」、あるいは「日常使い」と「特別な買物」といった使い分けがある。その買物に特化することで生き残りを図るという考え方だ。このような「特別」を求める層は、はるかにパイが小さい。</p>



<p>「一点突破」の弱点は、生き残りは図れても事業拡大が難しいことにある。「特別」感を支持するお客は強い支持顧客層となるが、一方で絶対数は少ない。さらには顧客が拡大すると「特別感」が失われていくというジレンマも生じる。実際、記事でも「メーカーとの垣根が低くなる中、小売企業にはこれまで以上に商品開発力が求められてくる」と書きながら、以下のように書き加えている。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow"><p>日常の食事や日用品で立ち寄る事の多いコンビニやドラッグストアに比べ、成城石井の来客は「ハレの日」需要の場合もある。それだけに現在進めている出店拡大や他チェーンへの卸販売が増えていけば、商品に対する「特別感」が薄まる懸念がある。</p><cite>2022年8月26日の日経MJ「<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC174WT0X10C22A8000000" target="_blank" rel="noreferrer noopener">勝つスーパーは製造業　スイーツや総菜、SPA進化</a>」　※会員限定記事</cite></blockquote>



<p>懸念があるというものではなく、これは弱者戦略に常に存在するジレンマだ。家電業界で言えば、量販店と地域店の戦いに似ているだろう。地域店の取り組みで量販店の優位性が大きく影響されることはない。むしろ、量販店のサービスが及ばない顧客層や分野を補完する存在として、ある意味「すき間」を補うことで存在意義を発揮し、共存している。</p>



<p>デザイン性の高い扇風機やトースターで名を挙げたバルミューダも、ヒット商品は出したものの、家電市場で安定的なポジションを得るには至っていない。高級家電で話題になったとはいえ、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などを安定的に製造販売している大手家電メーカーからすればはるかに小さい存在。まだまだ一つの失敗が会社を傾かせかねない状況だ。アイデアと技術で突破するにも、ヒット商品を連発し続けることは容易ではない。</p>



<h2 class="wp-block-heading">一点突破SPAと量販SPAは別物</h2>



<p>もちろん「一点突破」に成功した会社がその後大きな成長を遂げる可能性もゼロではない。しかし、一点を二点、三点にして太い突破口とするのは容易ではない。そもそも突破したはずの一点も、顧客に飽きられてしまったり、何かトラブルがあったりすれば、開けた穴はすぐにふさがれてしまう。顧客に飽きられないようにする努力だけでも大変なものだ。うまくブランド評価を高めても、顧客の接触機会が増えれば「特別感」がなくなってしまう。重要なのは、局所での勝利をいかに継続し、その効果を持続させるかということだ。</p>



<p>確かにユニクロやニトリはSPAならではの強みを発揮し大企業に成長した。お買い得感を前面に出すイオンのトップバリュー、あるいは高級感をうたうセブンプレミアムなど、いずれも大きな販売数量を目指し、その上で粗利向上につなげており、いわば「量販SPA」というべきもの。圧倒的な販売力をバックに、割安感、コストパフォーマンスといったキャッチフレーズで展開するSPAだ。SPAの成功事例であるニトリやユニクロも実際には「量販SPA」を早くから志向している。弱者の戦略である「一点突破SPA」とは全くの別物だ。</p>



<p>弱者の「一点突破SPA」は、コストや手間暇をかけて苦労の末に生み出すもの。お客の期待感も大きいだけに、品質の維持・向上が不可欠で、販売数量を追えばどうしても無理が出やすい。自社の立場や、SPAの特性を正しく把握して、上手に活用しなければならず、自社のブランド力や成功体験を過剰に評価してしまうことは、逆に経営上の大きな過ちを招くことすらある。</p>



<p>製造から販売まで手掛ければ、確かに利益率は大きくなるが、一方で大きなリスクを伴う。メーカーや卸は、製造者責任や在庫調整などのリスクを分担し、調整弁のような役割を担っている。そもそも自社生産の商品だけに絞るよりも、複数のメーカーが競争しながら作った複数の商品から選ぶほうが、ヒットする可能性は高い。</p>



<p>ビックカメラやヤマダHD、エディオンなど、家電流通でもSPA拡大を掲げる企業は多いが、筆者が諸手を挙げて賛成できないのは、このような背景があるからだ。長年の製造ノウハウのある家電メーカーとの友好的な関係の中で、「お客様にはこういう要望がある」「この機能はお客様に響かない」などコミュニケーションを図りながら、メーカーの商品開発力を高め、その結果として自社の販売拡大につなげる方が事業としての安定性、継続性につながるのではないだろうか。ケーズHDの加藤修一氏はSPAに否定的な発言をすることが多かったが、今ブームのようにもてはやされる「SPA」という言葉を見るたびに、筆者も加藤氏の言葉を思い出し、違和感を抱いてしまう。</p>



<p>そもそも経営や営業方針はブームで左右されるものではないはずだ。メディアやコンサルタントは経営に責任を負わない立場で批評するが、経営者は、自社の強みやアイデンティティーなどを最もよく知る者として、正しい信念のもと経営判断する強さが求められる。ケーズデンキを創業し、大きく発展させてきた加藤馨氏や加藤修一氏の取り組みや思想を研究していると、経営者に求められるのは、時流に乗って“うまく”経営する事ではなく、正しく、ブレない芯の強さだということを強く思うのだ。</p>



<p>最期に、SPAに関連して、加藤修一氏がメーカーと流通の関係について言及した言葉を紹介する。もっと利益を多くしようとバイイングパワーを高め、メーカーに圧力をかけることを間違っていると指摘しているが、SPAやオリジナル商品の強化にもどこか通じる話だと筆者は思う。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow"><p>バイイングパワーというのは、メーカーさんに圧力をかけようという意識が潜在しています。私はお客様もメーカーさんも量販店も、相互によくなったほうがいいと思っています。また、そうでなければ業界の正常な発展はないと考えているのです。（中略）</p><p>　メーカーさんと量販店との関係は戦いではなく、お客様に対して「製造」と「販売」という役割分担です。それが業界の健全化につながる考え方だと確信しています。昔から小さな電器屋さんとも勉強会をやってきて、そこで言ってきたことは、日本では、メーカーさんが強いことで流逋が助かっているということです。国内メーカーさんが弱くなってしまったら、商品を海外から仕入れなければならなくなり、小さな店まで回らなくなります。<br>　国内メーカーさんが強く、そして必ず売れる商品を出してきてくれたからこそ、家電一筋で来られたのだと思っています。私はメーカーさんに感謝しています。</p><cite>加藤修一 著「<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%AF%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB-%E3%80%8C%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%B0%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%80%8D-%E5%8A%A0%E8%97%A4%E4%BF%AE%E4%B8%80/dp/476126795X#:~:text=%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%AF%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%20%E3%80%8C%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%B0%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%80%8D%20%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC,%EF%BC%89%20%E2%80%93%202011%2F11%2F16&amp;text=%E6%AE%8B%E6%A5%AD%E3%82%82%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%82%E3%81%AA%E3%81%84,%E5%84%84%E5%86%86%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%82%82%E7%99%BB%E5%A0%B4%EF%BC%81" target="_blank" rel="noopener">すべては社員のために『がんばらない経営』</a>」（かんき出版）より</cite></blockquote><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2055">勝つスーパーはＳＰＡ？</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>店長のマネジメント</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2034</link>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 02 Aug 2022 07:33:01 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[マネジメント]]></category>
		<category><![CDATA[店長の仕事]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>家電量販店に限らず、チェーン展開する流通の場合、リアル店舗一つひとつが営業拠点です。そこを任される店長は、いわば一国の城主。野球で言えば監督のようなものです。ビジネス的な言い方をすればマネージャーで、ビジネス書などでは「 &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2034" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">店長のマネジメント</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>家電量販店に限らず、チェーン展開する流通の場合、リアル店舗一つひとつが営業拠点です。そこを任される店長は、いわば一国の城主。野球で言えば監督のようなものです。ビジネス的な言い方をすればマネージャーで、ビジネス書などでは「メンバーが仕事で成果を出せるように、チーム全体を管理しながらサポートする役割を担う」とされています。</p>



<p>しかし、実際に店長に話を聞くと「あの社員は使いものにならない」「本社がもっと良い人材を送ってくれないと売上を伸ばせない」といった声が少なからずあります。時には、「あいつは使えないから異動させてほしい」という意見すら出ます。店舗という箱の中で、日々同じメンバーと顔を突き合わせて仕事をしていると、合う合わないといった感情も出やすいですし、合わないと思ったメンバーのアラが目につきやすいものです。ひとたび人間関係がこじれると店舗の雰囲気は悪くなります。</p>



<p>かつて関西の量販店では、社員一人ひとりの売上げノルマが厳しく、ノルマ未達成者は、罰として昼食を「立たされ台」という台の上で立ったまま食べるということが行われていました。今ならパワーハラスメントで大問題です。売上の良い社員はもてはやされ、売上の悪い社員は罵倒される。そのような店舗は、店長自身も店舗の成績を本部に厳しく詰められていることが少なくありません。ビデオ会議などで本社から何度も何度も罵声を浴びせかけれられ、その焦りやストレスが部下に向けられるという面もあります。</p>



<p>このような環境では、いくら会社として「お客様第一」「親切」をうたっていても、親切な接客などできるはずがありません。目先の売上をなんとしても確保しようと、強引に売りつけるような接客がまかり通ります。さらにはお客に意中の機種があっても、本社が決めた重点販売商品になんとか振り替えようとする強引な接客をします。「なんでその機種を売るんだ」「今接客している客に絶対買わせろよ」と汚い言葉がインカムで飛び交う――そんな状況もかつてはありました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">販売力とマネジメント力は別物</h2>



<p>コンプライアンスが重視されるようになった今、このようなひどいパワーハラスメントはほぼ解消されました。それでも店長には、やはり店舗の業績を担う責任があります。最近では、会社に貢献しようという熱意が強かったり、あるいは店長として評価される実績を挙げたいという気持ちがあったりして、社員を叱咤激励するようなケースの方が多いかもしれません。そのような熱い思いが、最初に挙げたような「あの社員は使いものにならない」「本社がもっと良い人材を送ってくれないと売り上げを伸ばせない」という発言につながっています。</p>



<p>しかし、そのような店長の意見は正しいでしょうか。優れた販売員ばかりを集めた店舗なら、だれが店長をしても店舗業績は好調でしょう。店長の能力など関係ありません。「良い人材を送ってくれ」というのは、野球にたとえれば、勝てないから良い選手をもっと集めろと文句をいう監督のようなものです。お金をかけて他球団のスター選手ばかりを集めて目先の勝利を奪おうとする――実際のスポーツでは、それでも優勝できなかったり、黄金時代が短かったりします。ちなみに、メジャーリーグでは、ゼネラルマネージャーがチームの方針とチーム編成を決定し、監督は与えられた戦力で戦うフィールドマネージャーと明確に分業化されています。店長の役割はこのフィールドマネージャーに近いでしょう。与えられた人材でいかにチームとしての総合力を高めていくかが重要なのです。</p>



<p>店舗に配属されたメンバーは会社が雇い入れた人材です。店長は、与えられた戦力であるメンバーを「使えない」と嘆くのではなく、いかに戦力化するかを考えるべきです。人間というのは、一人ひとり個性が異なります。明るい人もいれば暗い人もいます。口上手な人もいれば口下手な人もいます。機転が利く人もいれば、遅くても着実に物事を進める人もいます。それらの個性を把握しながら、全メンバーの向上心を高め、実績につなげていくことこそ、店長の大切なマネージャーとしての任務なのです。他店で使えないとレッテルを貼られた社員を、自店で活躍できるようにしてこそ店長の力量というものでしょう。</p>



<p>筆者の個人的な経験です。筆者は長年雑誌制作に携わってきましたが、最初の勤務先はゲーム雑誌でした。最新ゲームを知らずファミコンしか知らないまま、とりあえず雑誌作りに携わりたいとゲーム雑誌に入りました。何年かして自分がデスクという立場になり、部下を持って教えるようになりましたが、新人の部下はゲームが好きなだけで、文章を書いたこともなければ本もほとんど読んでいないような人ばかりです。それこそ文章の書き方を一から教えるようなものでした。当然、最初は部下が書き上げた原稿をほぼ全面書き直しするくらいに修正を指示します。なかにはゲームで徹夜をして体調を崩すような部下もいますし、いくら説明をしても理解が遅い人もいます。しかし、そのような新人も含めて10名弱のメンバーで一冊の月刊誌を毎月仕上げなければならないのです。読者にとっては、どんな人がどのように原稿を書いていても関係ありません。購入して読む記事が全てです。筆者は、最初からゲーム雑誌の編集者（ライターのようなもの）はそういうものだと考えて、大きな期待をかけるでもなく、少しずつでもメンバーが文章力や構成力を高めていけるようにサポートしました。文章を書けない人に「何でうまく書けないんだ」と叱咤しても始まりません。それでも、少しずつ力がついてくると、デスクとしての業務はスムーズに進むようになっていきました。私が退社し、しばらくしてそのゲーム雑誌は廃刊になりましたが、かつて教えた部下の多くがその後も雑誌編集やライター業に携わってくれたので、多少は自分が教えたことが役に立ったのかなと思っています。</p>



<p>家電量販店に話を戻しましょう。繁忙期に店舗応援に入ると、お客様受けの良いメンバーというのは、必ずしも社交的で口がうまい人とは限らないことに気付きます。どちらかというと口下手で暗く見える大人しいタイプの人が、接客では、誠実に一生懸命説明してくれると、お客様にとても気に入られることがあるのです。店長に聞くと売上上位で店舗のエースだといいます。流通業の販売員のあるべき姿というのは決して一つではないのだと筆者も実感しました。性格が異なれば、理想的な接客スタイルも人ぞれぞれなのです。そのような店舗メンバー個々のの能力を引き出し、育てることが店長には求められます。そして成長したメンバーが、他店に異動してからも活躍し、いつか店長になることで社員を育て、会社全体の業績が上がっていくのです。その意味では、店長の役割というのは、第一に人材育成にあるといっても過言ではないでしょう。</p>



<h2 class="wp-block-heading">一店舗ではなく会社全体を考える</h2>



<p>最近「ダイバーシティ」（多様性）という言葉がよく聞かれるようになりました。経済産業省の「ダイバーシティ経営の推進」では、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義し、「多様な人材」とは、性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、性的指向、宗教・信条、価値観などの多様性だけでなく、キャリアや経験、働き方などの多様性も含むとしています。また「能力」には、多様な人材それぞれの持つ潜在的な能力や特性などを含むと説明しています。</p>



<p>とかく性的志向や人種、国籍などを中心に語られがちですが、先に挙げたような一人ひとりの性格などの個性も多様性のひとつではないでしょうか。店長になる人は、販売員として高い販売実績を出して、その上でさまざまな店舗業務をこなしてきています。しかし、自身のスキルが高いからと言って、「自分ができたから他の人もできるはず」「このメンバーはこれ程度のことがどうしてできないのか」と考えていてはマネジメントはできません。自身の成功体験をもとに「こうやってみろ」と話しても、個性が異なる人がそのままうまくいくとも限りません。野球で優れた選手が優れた監督になるとは限らないように、優秀な販売スキルを持つ人が優れたマネジメント力を有するとは限らないのです。</p>



<p>個々人の能力を着実に高めながら、異なる個性を組み合わせ店舗全体としてのチームワークを高め、店舗全体の営業力を高めていく。それこそが、店長自身が担う役割です。マネジメントというと、メンバーに目標やノルマを課し達成度をチェックする「評価者」と勘違いする人がいます。実際、部下の評価査定を行うのも店長の仕事の一つです。しかし、評価が業務のメインと考えてしまうと組織はうまく回りません。むしろ、メンバーみんなが活躍できるように下支えする役割とさえ言えるでしょう。</p>



<p>加藤修一氏は、店長に向けて常々こう話していました。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow"><p>私が店長に言うのは「店長が二倍働いたところで、生産性も能率も上がらない」ということだけです。やる気満々で二倍働いても、社員五〇人の店では五一人にしかなりません。しかし、部下がやる気になってくれたら、五五人とか六〇人の戦力になる。だから、店長が二倍働いても能率は上がらないのです。</p><cite>加藤修一<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%AF%E7%A4%BE%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB-%E3%80%8C%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%B0%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%80%8D-%E5%8A%A0%E8%97%A4%E4%BF%AE%E4%B8%80/dp/476126795X" target="_blank" rel="noopener">『すべては社員のために「がんばらない経営」』</a>（かんき出版）</cite></blockquote>



<p>優れたプレーヤーが優れた監督になるには、役割の変化に合わせた考えかたの切り替えが必要です。加藤氏の言葉は、まさにそのことをわかりやすく表現したものです。メンバーの駄目なところや苦手なところを見て「使えない」と嘆くのではなく、得意なことや良いところを伸ばし、店舗における大切な戦力として活用することが、店舗人員50人を、55人、60人分の力にするのです。そのためにも、まず働きやすい環境を整えることが大切です。成績が劣る人を叱るよりも、みんなが店舗で前向きに働けるようにほうが「能率」が上がります。</p>



<p>育った戦力はやがて他店舗に異動します。せっかく育てたメンバーが他店にとられたと思うのではなく、新しく加わったメンバーをまた育てていくのです。店舗についてもうまく回るようになっても、いつかは店長自身異動します。こうして皆で「良い人材が育つ環境」というバトンを引き継いでいくことで、多くの店舗が良くなり会社全体の業績が向上していくのです。先の加藤氏の言葉を借りれば「１店舗が２倍の売上にしても、店舗数５００店の会社なら５０１店の売上にしかならない。でも全店が５％向上すれば５２５店分の売上になる」とでも言えるでしょうか。店長に求められるのはスタンドプレーではなく、部下をまとめ、自社他店舗と協力して会社全体の業績を高めていくことです。売上日報を毎日確認していると、どうしても「目標達成率」「前年同期比」など、目先の成績を気にしてしまいますが、広い視点、長期的な視点で考えることもマネージャーとして忘れてはいけません。</p>



<p>最後に店長が人材を育成するうえで、しっかり胸に刻んでおきたい言葉を紹介します。連合艦隊司令長官だった山本五十六が口にしていたといわれる言葉です。一般的には1行目だけで紹介され、2行目以降はおそらく後世の人が付け加えたものでしょう。しかし、人を育てるマネージャーの人にとっては非常に役立つ言葉だと思います。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow"><p><strong>やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。<br>話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。<br>やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。</strong></p><cite>大日本帝国海軍連合艦隊司令長官の山本五十六の言葉して知られる　※諸説あり</cite></blockquote>



<p></p>



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		<title>数値改善に潜む罠</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/1879</link>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 26 May 2022 02:48:34 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[がんばらない経営]]></category>
		<category><![CDATA[コスト改善]]></category>
		<category><![CDATA[バイイングパワー]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>カトーデンキを、業界を代表するケーズHDにまで発展させた加藤修一氏（入社時は加藤電機商会）。その経営哲学は「がんばらない経営」として知られています。立石泰則氏著『「がんばらない」経営 不況下でも増収増益を続けるケーズデン &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/1879" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">数値改善に潜む罠</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p>カトーデンキを、業界を代表するケーズHDにまで発展させた加藤修一氏（入社時は加藤電機商会）。その経営哲学は「がんばらない経営」として知られています。<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%B0%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%E7%B5%8C%E5%96%B6-%E4%B8%8D%E6%B3%81%E4%B8%8B%E3%81%A7%E3%82%82%E5%A2%97%E5%8F%8E%E5%A2%97%E7%9B%8A%E3%82%92%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%81%AE%E7%A7%98%E5%AF%86-%E7%AB%8B%E7%9F%B3%E6%B3%B0%E5%89%87/dp/4794217463">立石泰則氏著『「がんばらない」経営 不況下でも増収増益を続けるケーズデンキの秘密</a>』（草思社）の中で、加藤修一氏はその真意を以下のように語っています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>「うち（ケーズデンキ）では、社員にあまり負荷を与えないんです。私の発言でよく出ていると思いますが、（社員は）『頑張らない』ようにと。その意味は、『やるべきことは、ちゃんとやりましょう。出来もしないことをやらないようにしましょう』ということです。『頑張る』という言葉には、私は『出来ないことをなんとかしろ』という意味合いが込められているような気がしてならないんです。そういうものは不確定だから、経営的には不安要素でしかない。だから、『頑張れ』なんて言っちゃいけない。『何をどうしましょう』という言い方でいきましょうとみんなには伝えています」</p>
<cite>立石泰則・著『<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%B0%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8D%E7%B5%8C%E5%96%B6-%E4%B8%8D%E6%B3%81%E4%B8%8B%E3%81%A7%E3%82%82%E5%A2%97%E5%8F%8E%E5%A2%97%E7%9B%8A%E3%82%92%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%81%AE%E7%A7%98%E5%AF%86-%E7%AB%8B%E7%9F%B3%E6%B3%B0%E5%89%87/dp/4794217463" target="_blank" rel="noreferrer noopener">「がんばらない」経営 不況下でも増収増益を続けるケーズデンキの秘密</a>』（草思社）</cite></blockquote>



<p>「がんばらない」＝無理をしない、無理をさせない――これは社員に対してのみ向けられた言葉ではありません。お客様や取引先、あらゆるステークホルダー（利害関係者）が含まれます。2009年に、当時ケーズHD社長だった加藤修一氏は、投資家のM&amp;Aへの関心が高まる中、「バイイングパワー」について記者に聞かれ、以下のように語っています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p>バイイングパワーというのはメーカーに圧力をかけようという意識なんです。僕は、お客さんもメーカーも従業員もみんなよくなった方がいいと言っているんですよね。そこからいくと、バイイングパワーだけで安くしろではなくて、うちの方としてメーカーの能率が上がるようにしていきましょう、と。そのコストが下がった分は山分けしましょうという言い方はよくしています。下った分だけ全部よこせと言うのであれば、メーカーは下がらなくてもいいとなります。能率が上がったら全部取られちゃうんだったら、能率は上らなくてもいいと言う。能率が上がったら分けっこしましょう、だったら喜ぶけどね。</p>
<cite>日経ビジネスオンライン2009年5月14日「不況下の増益企業スペシャル 第3回　ケーズホールディングス」より</cite></blockquote>



<p>このコメントは「メーカー」を「従業員」と言い換えても、ほぼそのまま通用します。ちなみに「能率」という言葉は、以前「<a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/446" target="_blank" rel="noreferrer noopener">効率と能率は違う</a>」で紹介しています。かつて加藤馨氏は、従業員が退職して独立するものの失敗してしまう状況を憂いて、会社を勤めあげればひと財産を形成できるよう、社員を株主にしました。そして、会社の利益の3割を配当として増資に回すようにしました（社員の持ち株が増えていく）。社員や取引先と利益を分け合う――創業者・加藤馨氏と息子の加藤修一氏に共通する経営姿勢が分かります。</p>



<h2 class="wp-block-heading">利益を分け合う大切さ</h2>



<p>「企業の目的は株主価値の最大化」といった論調は最近でこそ否定されることが多くなりました。「社会貢献」「社会価値の創出」こそが企業の目的であるという考え方が広まっていますが、実際の経営では「利益」を最優先の目的とする行動が目立つものです。上場企業であれば、利益は会社の取り組みが評価される一番の指標であり、株価に直結するからです。社会貢献はあくまで理想で、大きな利益が出てこそ社会貢献をする余裕ができる。現実の行動としては利益を最大化するために粗利益率を上げる、販管費を下げる――利益を拡大させる施策こそが「正しい」となりがちです。</p>



<p>粗利益率を上昇させるには、仕入れ値を抑えるべく強い商談を行う、販管費を抑えるために人件費や地代家賃、販促費を抑えるといった方法があります。いずれも経営上、間違いではありませんが、行き過ぎた利益の追求は、加藤修一氏が語るところの「全部よこせ」になりかねず、ステークホルダーとの関係を悪くしかねません。</p>



<p>実際、家電量販業界では、年商日本一になった多くの企業が倒産したり、他社に買収されたりして退場していきました。売上高や利益の最大化を目指して激しく競争し、一時勝者となっても、結局は会社として存続できなかったのです。経営は、「終わりのない駅伝競走」です。短期的に大きな利益を上げることよりも、継続的に利益をあげ、会社を長く存続させることが何より重要です。</p>



<p>たとえば「地代家賃」を例に挙げてみましょう。賃料削減コンサルティングを行う会社を使えば、賃料が周辺環境に比べて適正か調べた上で賃料交渉をしてくれます。下がった賃料の差額から一定の割合が成功報酬となるので、依頼した会社は損がなく、むしろ得しかないように思えます。しかし、契約時の賃料が相場より現在は高くなっているからと言って、中途で契約を見直すことは本当に「正しい」のか考える必要があります。店舗が一つだけの会社ならいいかもしれません。しかし、多店舗展開する企業は話が別です。「あの会社は賃料に厳しい」「あとから条件を変えろと要求してくる」――そのような噂が広まれば、新規出店用地の確保に影響が出ます。契約が満了して、周辺に新店舗をスクラップ＆ビルドで作ろうとしても用地を確保できないかもしれません。</p>



<p>加藤修一氏は、地代家賃や建築費は「少し高いと相手に思ってもらえるくらいがちょうどいい」と常々話していました。どこまでもコストダウンを追求するより、多少「無駄」があるくらいのほうが良い関係を築けるというわけです。「あの会社に貸すなら安心だ」と思ってもらえれば、どこかに良い土地があったときに紹介してくれるケースも出てきます。建築費も、建築資材が不足している状況でも、多少高く買っていれば回してもらえますが、普段からギリギリまで値下げを要求していれば資材を回してもらえなくなります。</p>



<p>利益を増やす、コストを削減するというのは決して「絶対正義」ではありません。その取り組みが長期的に見て、会社にとって本当に必要なのか、将来的に悪い影響が出ないか、さまざまな面から検討し、正しく判断することが経営者には求められます。そもそも、ギリギリまでコストダウンを図る取り組み自体、倒産しそうな追い込まれた会社がとる最期の手段です。瀕死の患者が服用するような強い薬を、健康体の人が飲めば逆に健康を害するのも当然でしょう。</p>



<p>贅肉のない筋肉質な経営は一見強そうです。しかし、人間も極度に体脂肪率を落とすと生命活動の維持に支障が生じます。実際、アスリートが大会直前にギリギリまで体脂肪率を落とすと、風邪をひきやすくなるなど「弱い」面が出てきます。経営も同様で、多少の余裕があったほうが外部環境の変化に耐えられます。また、アスリートも一人で練習するのではなく、トレーナーやコンディショニングコーチ、スポンサーなどの力を借りて大会に臨んでいます。周囲に信頼され、力を貸してもらえるためにも、周囲と「分け合う」「感謝する」姿勢が大切なのです。</p>



<h2 class="wp-block-heading">指標の適正水準とは？</h2>



<p>様々な経営指標がありますが、いずれも「良ければ良いほどいい」のではなく、「自社にとって最適な水準」を把握することが大切です。ケーズデンキが、徹底したローコスト経営で厳しい競争環境を勝ち抜いてきたことは事実です。しかし、加藤馨氏も、加藤修一氏も、指標の改善を図るだけではなく、自社にとっての適正水準を常に念頭に置いていました。</p>



<p>「商品回転率」を例に考えてみましょう。流通業では、商品回転率は高ければ高いほど良いと考えられています。家電量販店の場合、だいたい６～８回転／年。家電は、購入サイクルの長い高額商品が多く、主力製品をメーカーが毎年モデルチェンジしている、さらには消耗品など比較的購入頻度の高い商品がミックスされることを考えると、年6回程度、棚卸資産回転期間にすると60日程度が業界標準と言えます（都市部大型量販店は回転率が高くなる）。</p>



<p>一方で、売場の品揃えには各社の特徴が反映されます。ケーズデンキの場合、販売数量が少なくても、代替品がないような商品はしっかり品揃えするという方針がありました。たとえば加湿器・空気清浄機のフィルター、特殊な電池や管球などは、「ものがないのでこの商品を代わりに使ってください」と提案することができません。そこで年間販売数量がたとえ、０～１個でも、置いていないとお客様が困るので品揃えするようにしています。このような消耗品の品揃えは、ケーズデンキの電気専門店としての「強み」であり、競合との差別化、顧客満足度の向上につながる重要な要素です。</p>



<p>だからこそ、加藤修一氏は商品回転率が競合並みの水準に改善すると、「商品回転率はあまり上がり過ぎてはいけない。品揃えや在庫の確保を考えると、もう少し数字は低いほうがいい」と注意を促したのです。「在庫は適度に持っていないと、品切れを起こして、来店して買えなかったお客様をがっかりさせることになる。それに、売れる商品ばかりにして売れ行きの悪い商品を外してしまうと、お客様の購入時の選択の幅を狭めてしまう」。消耗品についても、「単価も低く、1商品当たりの在庫数は１～２点で在庫金額もたかが知れている。ずっと売れ残ったとしても、他で手に入らなくなればむしろ、当社がお客様にとって唯一の購入先になる。最終的に処分することになったとしても、当社の品揃えをお客様に知っていただく“壁紙商品”として十分な宣伝効果がある」と説明しました。つまり、加藤修一氏は、業界水準や競合の指標と比べるよりも、自社にとっての適正水準を何より重視していたのです。</p>



<p>目先の数字に惑わされず、自社のあるべき姿、やるべきことを明確にイメージし、長期的な視点で判断する、これは経営者にしかできない仕事です。「がんばらない経営」には、このような経営の視点が不可欠なのです。「会社は急に大きくすると寿命が来てしまう。寿命が来ないように、会社はゆっくり大きくさせるものだ」――大学を卒業して加藤電機商会に入社した加藤修一氏に、父・加藤馨氏はこのように話したそうです。加藤修一氏は、この言葉を「忠実に守ってきた」そうです。わき目もふらずに全力疾走するのではなく、周囲の景色がしっかり見える速さで走るからこそ、長く走り続けるためのペース配分や体調管理をしながら、不測の事態に備えることができ、コストや利益に対しても俯瞰的な見方ができたのでしょう。</p>



<p>「がんばらない」という言葉は誰でも知っている言葉です。しかし、「利益を分け合う」「自社の最適な水準を把握する」といった、背景にある考えかたを理解しなければ、「がんばらない経営」は実現することができないのです。</p><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/1879">数値改善に潜む罠</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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