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	<title>（株）流通ビジネス研究所</title>
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	<description>　　家電流通のプロフェッショナル</description>
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	<title>（株）流通ビジネス研究所</title>
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		<title>経済誌のあきれた家電量販比較記事</title>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 19 Dec 2024 03:38:50 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[ダイヤモンド・オンライン]]></category>
		<category><![CDATA[ビックカメラ]]></category>
		<category><![CDATA[ヤマダHD]]></category>
		<category><![CDATA[ヤマダデンキ]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>　12月4日のダイヤモンド・オンラインに「【ヤマダデンキvsビックカメラ】王者ヤマダをビックが猛追！立地・在庫回転・ECの三番勝負で徹底比較、軍配は？」という記事が掲載された。しっかりとした業界の知識を持たずに、表面的な &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2535" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">経済誌のあきれた家電量販比較記事</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">　12月4日のダイヤモンド・オンラインに「<a title="" href="https://diamond.jp/articles/-/355077" target="_blank" rel="noopener"><strong>【ヤマダデンキvsビックカメラ】王者ヤマダをビックが猛追！立地・在庫回転・ECの三番勝負で徹底比較、軍配は？</strong></a>」という記事が掲載された。しっかりとした業界の知識を持たずに、表面的な数値や営業戦略だけで、企業の経営状況を比較する軽率な記事に驚かされた。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　先に言っておくが、筆者はヤマダHDの異業種拡大戦略には否定的な立場であり、現在のヤマダHDは主力であるはずの家電販売で苦戦していることが大きなリスクだと考えている。そういう意味では、今回の記事の「ヤマダHDが苦戦している」という結論と似ているかもしれないが、そのように判断する根拠は異なる。そもそも売上上位としてヤマダHDとビックカメラを2強として比較し、「ビックカメラの快走」と結論づけることはあまりにも無理がある。反論というわけではないが、この記事の問題点を指摘しておきたい。</p>
<figure id="attachment_2558" aria-describedby="caption-attachment-2558" style="width: 300px" class="wp-caption aligncenter"><img data-recalc-dims="1" fetchpriority="high" decoding="async" class="size-medium wp-image-2558" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2024/12/diamond2-1.jpg?resize=300%2C214&#038;ssl=1" alt="ダイヤモンド・オンラインの量販企業比較記事" width="300" height="214" srcset="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2024/12/diamond2-1.jpg?resize=300%2C214&amp;ssl=1 300w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2024/12/diamond2-1.jpg?w=693&amp;ssl=1 693w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><figcaption id="caption-attachment-2558" class="wp-caption-text">ダイヤモンドオンラインに12月4日掲載された記事「ヤマダデンキvsビックカメラ」。会員限定記事となっている</figcaption></figure>



<h2 class="wp-block-heading">売上推移の比較</h2>



<p class="wp-block-paragraph">　まず、2社の近年の売上推移を比較しているが、記事では以下のように指摘している。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-style-default is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow" style="font-size: 15px;">
<p class="wp-block-paragraph">　<strong>だが、アフターコロナの業績はやや見劣りする。11月に開示された25年3月期中間決算では、売上高は前年同期比2.7％増の7960億円、営業利益は同14.1％増の232億円となった。</strong><br /><strong>　対して、ビックカメラの業績は上り調子だ。24年8月期下期の売上高は前年同期比17.6％増の4750億円、営業利益は同2.1倍の146億円となったのだ。</strong></p>
<span style="color: #0000ff;"><cite><a href="https://diamond.jp/articles/-/355077">12月4日 ダイヤモンド・オンライン「【ヤマダデンキvsビックカメラ】王者ヤマダをビックが猛追！立地・在庫回転・ECの三番勝負で徹底比較、軍配は？」</a> 以下同</cite></span></blockquote>
</blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">　ビックカメラが大きく伸ばしているのは、間違いなくインバウンド需要減の反動とさらなるインバウンド需要の拡大だ。実際、記事でも「インバウンドという強力な追い風をビックカメラは生かそうとしている。同社は29年までの中期経営計画でインバウンドの売り上げ強化を掲げており、今後は免税特化店舗を増設していく」と説明している。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　だが、待ってほしい。ビックカメラはインバウンド需要取り込みに積極的だが、これまでに中国との外交問題、コロナによるインバウンド減少で、競合他社より大きく売上を落としていたことも事実だ。現在はインバウンド需要も好調で、今後もこの好調さが持続するかもしれない。しかし、インバウンド客は、決して固定客ではないことも見逃せない。市場環境が変われば、あっという間に離脱しかねない脆弱な顧客基盤だ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　流通業においては、固定客と流動客のバランスが重要になる。流動客は、価格や施策によって、購入先をコロコロ変える。店舗ブランドに信頼を寄せているのではなく（顧客ロイヤルティ）、商品の価格や特典、利便性などを重視している。いくら流動客に好調に売れていても、価格政策や特典施策を見直せば、容易に競合他社に乗り換える。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　一方、固定客は「家電を買うならこの店で」という強い店舗ブランドへの信頼がある。相対で競合価格に合わせてくれるなら購入先を変えず、多少価格差があっても購入先を変えない場合も多い。特に高額で長年使用し、配送設置サービスが必要となる大型家電は、信頼している店舗で優先的に購入する。大型家電は、家電量販店にとっては収益の柱であるとともに、購入サイクルが10年前後と長く、企業にどれだけ多くの固定客がいるかで左右される。インバウンド需要と異なり、長期にわたる安定的な収益の土台だ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　ヤマダHDはもともと郊外型量販であり、特に地方の店舗数が多い。地方店舗では大型家電を中心に固定客が多い。一方、ビックカメラのようなカメラ量販店は、通勤通学の途上での小物、消耗品買いが多い。スマホ関連品やパソコン消耗品、あるいはヘッドホンなど。カメラや玩具、音響製品などの趣味商品にも強いが、基本的には、低価格商品を高回転で回すビジネスモデルだ。</p>
<h2>商品回転率比較は無意味</h2>
<p>　同記事では、両社の差を分ける要素として「立地」を挙げ、駅前立地のビックカメラは「アフターコロナのインバウンド需要を多く取り込んでいる」と軍配を上げている。しかし、本当にビックカメラが優位と言えるだろうか。短期視点で優れているように見えても、中長期視点で考えれば、駅前立地ビジネスの脆弱性も見え隠れする。逆に、環境変化に強いのは郊外型店舗が多いヤマダHDという見かたもできなくはない。</p>
<p>　このような状況を考えると、同記事がもう一つの要素として挙げる「棚卸資産回転率」の比較も無意味と言えよう。そもそも、郊外の高単価・低回転率と、駅前の低価格・高回転率は、ビジネスモデルが違うのだ。</p>





<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph" style="font-size: 15px;">　<strong>棚卸し資産回転率は、在庫回転率とも呼ばれる。賃借対照表の棚卸し資産と、損益計算書の売上高を用いて計算する指標で、数字が大きいほど、効率的に商品を仕入れて販売していることを示す。</strong><br /><strong>　ヤマダの棚卸し資産回転率を見ると、コロナ禍の巣ごもり需要で家電の販売が伸びた21年3月期は4.4回転だった。これは、1年間で在庫が4.4回入れ替わったということだ。　コロナ禍が明けると棚卸し資産回転率は下がり、24年3月期は3.8回転にまで悪化している。</strong><br /><strong>　一方、ビックカメラの棚卸し資産回転率は、コロナ禍前から一貫してヤマダより高い水準にある。24年8月期は8.3回転となっており、ヤマダに2倍以上の差をつけている。</strong></p>
</blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">　違って当然だ。郊外店の多いヤマダHDは、棚卸回転率は４～５回転。カメラ量販であるビックカメラは７～８回転。これも単なるビジネスモデルの違いだ。もちろんヤマダHDが住宅販売やリフォームなど、回転率の低い商材を事業に取り込み、回転率が低下しているのは事実だ。しかし、「ヤマダに2倍以上の差をつけている」という解釈は無意味である。そもそも、カメラ量販店は郊外店と在庫管理が違う面も見逃せない。商習慣に関する昔話を少し話したい。</p>
<p>　高級カメラや高級レンズは、店舗が在庫として仕入れて販売するのは難しい商品だ。マニアに対して必要な品ぞろえではあるが、単価があまりにも高く、通常商品のように在庫を確保すれば、資金繰りに影響を与えかねない。そこでカメラメーカーは、メーカー在庫を店舗の倉庫に置き、売れた段階ではじめて仕入れが発生するようにした。いわゆる「消化仕入」だ。カメラメーカーとしても高級品は販売したいし、カメラ販売店も高級品を並べて魅力ある品揃えを実現したい、両者にとってメリットがある販売方法だった。</p>
<p>　カメラ販売店からスタートしたカメラ量販店は、その後品揃えをオーディオやパソコン、家電へと品揃えを拡大するが、その中で「消化仕入」に準じた販売方法をメーカーに要望した。実際、客数が多く、回転率が高いカメラ量販では、「買取仕入」では在庫が不足する可能性が高い。駅前立地の大規模カメラ量販店はメーカーにとって販売効率も良く、要望に応じたメーカーもあった。その結果、在庫を「買取仕入」で確保する郊外量販店と棚卸資産回転率で大きな差が生じている。</p>
<p>　一方、郊外量販店は日本全国に商品を行き渡らせられるメリットがある。とはいえ、店舗数が非常に多いため市中在庫は格段に多くなる。そこでメーカーは、仕入価格の改定や処分費、あるいは返品などにより手当し、商品がだぶつかないように便宜を図っている。</p>
<p>　同じ量販店といっても、ビジネスそのものが大きく違うのだ。それを単純に教科書的な数値の物差しで測れば無理が生じる。極端なたとえをすれば、家具店とコンビニを棚卸資産回転率で比較し、評価するようなものだ。</p>
<h2>EC比率の比較</h2>
<p>　２社を比較するもう一つの要素、「EC売上高比率」も無理な比較だ。店舗数が多いヤマダHDは郊外店舗を展開しており、出店や改装で売上を伸ばす余地がある。一方、カメラ量販店は、駅利用客が非常に多いターミナル駅で、オフィス需要も見込める場所で、なおかつ買い物をするエリアとして強く認知されている場所にしか出店できない。いくら利用客が多いターミナル駅でも、東京駅ではカメラ量販店はなかなか成立しない。またターミナル駅であっても、郊外では成功率は低くなる。結局、新規出店できる場所がほとんど残っていないから、リアル店舗ではなくネット通販で未出店エリアをカバーするしかないのだ。</p>
<p>　加えて、駅前ターミナル立地ならではの品揃え、アクセサリーなどの小物、趣味商品に強い点もネット通販と親和性が高い。冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの主力家電を、全国各地のリアル店舗で販売する郊外量販店は、いくら売上規模で上回っていても、ネット通販でカメラ量販に負けているのは当然と言える。逆を言えば、ビックカメラがネット通販でヤマダHDに負けているようでは、それこそ危機的な状況といわざるをえない（ただし、ヤマダHDが自社のネット通販の強さをどう自己評価しているかは別の話）。</p>
<h2>メディアの役割とは</h2>
<p>　テレビ局や雑誌、新聞といったメディアの多くは、都心にオフィスを構えており、社員も電車通勤している。そのため、昔からカメラ量販店を利用している人が多い。駅前大型店は、客数が非常に多く、その賑やかさを見慣れていると、地方郊外店の客数の少なさに違和感を持ちやすい。だが、駅前大型店舗は高い地代家賃を負担する高コストの商売。客数が減ったり、強い競合が商圏に現れると、採算性が厳しくなる。</p>
<p>　だからこそ、ヨドバシカメラは自社物件にこだわってきた。一方、有利子負債依存度が高かったビックカメラは不動産流動化スキームを活用して地代家賃を経費化し、有利子負債を圧縮する道を選んだ。そして良い駅前物件を確保すべくJR物件（駅ビル）に出店したが、物件を吟味して出店するばかりではなく、JRとの協力関係のためか、近郊や地方駅前に出店し、苦戦するケースも目立った。こういう面を考えると、現在の好調さも確固たる強さとは言い切れない。</p>
<p>　ヤマダHDが厳しい状況にあるのは筆者も同意見だ。住宅や金融、EVなどの新規事業がなかなか実も結ばずコスト高、棚卸資産回転率の低下を招いている一方で、主力である家電販売の力が落ちているというのは正しい見立てだろう。だからといって、異なるビジネスモデルの2社を経営指標で単純比較することに何の意味があるだろうか。</p>
<p>　経済系メディアは新聞・雑誌とも、外国人観光客などブームに乗った取り組みを取り上げたがる。話題性があって読者受けがいいのかもしれないが、そのために各種経営指標を持ち出し、誤った解釈で自分達の主張の正当性の根拠とするのは悪質ともいえる。読者は、家電流通業界に詳しいわけではなく、記事を鵜呑みにする人も多いだろう。詳しい知識がないからこそ、読者は詳しい知識を持った人間の解釈や意見としてメディアの主張を信頼する。話題性優先でミスリードをする内容を、平気でメディアとして発信するなら経済誌を名乗らず「経済ゴシップ誌」を名のればよいと思う。</p>
<blockquote>
<p><strong>家電量販店最大手のヤマダホールディングスの勢いに陰りが出ている。対照的にヤマダを猛追しているのが、ビックカメラだ。</strong></p>
</blockquote>
<p>　この導入文（リード）の「結論」ありきで、むりやり内容を構成したとしか思えない。そこまでビックカメラにおもねる背景のほうが筆者は気になった。</p><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2535">経済誌のあきれた家電量販比較記事</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>経営者の視点「店舗戦略」</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2462</link>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 11 Oct 2023 06:50:09 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[不振店対策]]></category>
		<category><![CDATA[店舗戦略]]></category>
		<category><![CDATA[経営者の視点]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>ケーズデンキと言えば、家電量販店では唯一、家電専業に徹していながら、郊外に大型店を構えています。 　ケーズデンキは2000年代初頭まではスクラップ＆ビルドの時代で、新規出店と並行して店舗の大型化に取り組んでいます。現在の &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2462" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">経営者の視点「店舗戦略」</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">ケーズデンキと言えば、家電量販店では唯一、家電専業に徹していながら、郊外に大型店を構えています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">　ケーズデンキは2000年代初頭まではスクラップ＆ビルドの時代で、新規出店と並行して店舗の大型化に取り組んでいます。現在の主流である、売場面積3000㎡以上の店舗が多くなり始めたのは数年ほど前からですが、今は全店舗の半数以上が3000㎡を超えており、手応えを感じています。<br>　大きな売場なら、品揃えもよくなり試聴コーナーや提案コーナーなどの演出もできます。小さな売場では、そんなことより購入頻度の高いものを扱ったほうがいいということになり、ホー厶シアターなどの売場などつくれません。その結果、効率だけを追求したつまらない店になってしまう可能性があります。<br>　ただ、単に大きくすると場所代が高くなり、今度はコストダウンができなくなってしまいます。ですから、ケーズデンキでは郊外に大きな店をつくっています。コストを下げることは、お客様にもメーカーさんにも負担をかけずに利益を生み出す方法です。ローコストといっても「売上に占める経費の比率を下げる」という意味で、何でもかんでも削減ではありません。使うべきところに使わないと、事業規模は拡大できません。今後も大型店舗を数多く出店し、その上で少人数で営業する方法を追求していきます。</p>
<cite>加藤修一・著　すべては社員のために「がんばらない経営」（かんき出版）　第2章 会社はゆっくり大きくするもの</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">　地域で一番大きな店舗になれば、「あそこに行けばほしい家電があるかも」とお客様が期待を抱きます。「安い」と派手な文言のチラシで集客を図るより効果的です。買い回りをする商品の場合、お客様の購入店舗の選択肢は2～3店舗。その選択候補に入れなければ「見向きもされない店」となってしまいます。「一番大きい店」というのは選択候補に入るうえで重要な要素です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　店舗が大きければ、展示場所の確保を気にせず、いろいろな商品を置けます。電子レンジや冷蔵庫などの主力家電だけでなく、小物家電、さらには消耗品も多数置けます。空気清浄機や加湿器のフィルター、洗濯機の糸くずフィルター、あるいはプリンターや様々なタイプの電池や電球などなど。フィルターなどは、多くの家電量販店が、店舗に在庫を置かず、メーカー取り寄せにしていますし、洗濯機の糸くずフィルターなどは汎用品で済ませています。一年に何個も売れる商品ではなく、単価も低いためです。商品回転率や売り場効率を度外視しなければ品揃えできないタイプの商品なのです。しかし、ケーズデンキの場合、メーカー純正の消耗品を品揃えしています。「単価も低く、1商品当たりの在庫数は１～２点で在庫金額もたかが知れている。ずっと売れ残ったとしても、他で手に入らなくなればむしろ、当社がお客様にとって唯一の購入先になる。最終処分になっても、当社の品揃えをお客様に知っていただく“壁紙商品”として十分な宣伝効果がある」と加藤修一氏は語っています。広い売り場があるからこそ、品揃えでも競合を圧倒できますし、圧倒しなければならないのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　とはいえ、ネット通販が浸透し、リアル店舗も昔ほどの高い売上高を出せなくなっている今、業界では「大型店」を見直す動きも出ています。売上が少ないため、店舗人員を削減する。人員を削減していくと広い売り場をカバーできなくなるので、今度は売場面積を縮小する。その結果、店構えは立派でも、中に入ると売り場が狭いという店舗が生まれています。人件費率や売り場効率を考えた見直し策ですが、本当にそれでいいのででしょうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　大型店舗が売り場を縮小する場合、原因にはいくつか考えられます。１つは、競合が強くてなかなか売り上げを伸ばせないこと。２つめは、商圏規模が想定よりも小さかったり、大規模商業施設や道路が開通する計画を見込んで近隣に出店したものの、計画自体が見直されてしまい前提条件が崩れた場合です。ほかにも、店舗がお客様の支持を失った場合もあるでしょう。また、家電量販店の1店舗当たり売上高が縮小傾向にある中、大型店でもかつて達成できていた予算に届かなくなった場合もあるでしょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　競合が強い場合、人員を減らし売場面積を縮小すれば、当然品揃えも悪化しますから、今後競合に勝てる見込みがなくなります。最終的には、閉店する道しかなく、閉店までの時間稼ぎにしかならないでしょう。お客様の支持を失った場合も、お客様の信頼や支持を獲得するために、むしろ人員や品揃えを強化し、自店のブランド力を高めなければなりません。縮小策は正反対であり、閉店までの時間を早める効果しかありません。商圏規模や前提条件が見込み違いだった場合は、今後の売り上げ増加が見込めないので、土地の契約期間満了まで最小限の出費で営業し続けるために、縮小策も致し方ないかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　いずれにせよ、不採算店の店舗規模縮小策というのは、競合に対する「敗北宣言」、あるいは出店施策の「失敗宣言」に他ならないのです。とはいえ、多店舗展開をしていれば、店舗規模と商圏規模のミスマッチ、競合に対する苦戦、もしくは単純に見込み違いなどにより、不採算店というのは一定割合出てきます。また、5～10年と営業していれば、商圏規模が急激に縮小し、収支トントンだった店舗が不振店になることだってあります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　収支を最重視する各本部や幹部には、不採算店はどうにかして解決しなければならない課題と映ります。一方、経営的な視点ではどうでしょうか。重要なのは全社としての収支です。会社全体の収支が高い利益が出ていれば、不採算店が何割あろうと早急に対処する必要はありません。不振店舗を閉めるのは簡単ですが、店舗単独の採算性を見るだけでなく、他店舗とのネットワークによるエリアシェア、競合に対する店舗網の優位性などを考慮し、本当にその店が不要なのか、閉店が唯一の選択肢なのか考える必要があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　業績が良いのに、不振店舗の整理に取り掛かるケースも珍しくありません。会社がうまく行っていると、経営幹部は特に解決すべき課題がなく、ヒマつぶしというわけではありませんが、そういう時こそ前年より高い利益水準の確保、コスト削減などに取り組みがちです。先々、市場環境が悪くなった時に備えて、もっと筋肉質の経営にしないといけない——しかし、人間は体脂肪率が下がり過ぎると病気へ抵抗力がなくなり、体が常に無理をしている状態になってしまいます。会社も同様です。そぎ落として確保した利益は、借金が多ければ返済などに充てられますが、期中に投資すべき用途がなければ、上場企業なら配当や自社株買いなどの株主還元に回ります。業績が好調なら、確保した利益を留保するより還元するよう求められますから、いざ市場環境が悪化した時に思っていたほど余裕がなく、いわば利益の先食いになりかねません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　加藤修一氏は、「利益というのは出過ぎてもよくない。大きな利益が出るならお客様や従業員に還元すべき」と話します。お客様への還元というのは、なにも安売りだけではありません。お客様の買い物インフラとしての店舗を維持する、販売員を増やしてお客様が接客を受けやすくすることも含まれるでしょう。その結果として、各店舗がお客様に支持され、会社のブランド力が向上します。これも、中長期的な投資なのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　会社の利益の最大化を目指すよりも、利益水準の適正化を目指すことは、経営者にしか決断できません。どうすればもっと儲かるかではなく、何が正しいか、その取り組みが将来的にどのような結果につながるかを考える。教科書的な経営論や投資家の意見でもあく、なにが正しいのかを判断するのが経営者の重要な役割なのです。最後に「<a href="https://kato-keiei.com/archives/534" target="_blank" rel="noopener" title="">加藤馨氏の「正しい人生」</a>」で紹介した文章を再掲します。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph"><strong>ものを判断するうえでは損得を考えず、すべて、どちらが正しいかということを判断基準にしてほしいものです</strong>。この基準が間違っていると社会的にも信用されませんし、事業としても発展しなくなると思います。</p>
<cite>「1997 SUMMER ひろば NO.19」の「名誉会長挨拶」より</cite></blockquote>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img data-recalc-dims="1" decoding="async" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/10/img_3899-e1697006752623-1024x700.jpg?resize=427%2C292&#038;ssl=1" alt="1999年12月にオープンした当時のケーズデンキ水戸本店の写真" class="wp-image-2484" style="width:427px;height:292px" width="427" height="292"/><figcaption class="wp-element-caption">1999年12月にオープンした当時のケーズデンキ水戸本店</figcaption></figure>
</div><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2462">経営者の視点「店舗戦略」</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>経営者の視点「出店戦略」</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2402</link>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 13 Sep 2023 08:54:29 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[ローコスト経営]]></category>
		<category><![CDATA[出店戦略]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://ryutsu-biz.co.jp/?p=2402</guid>

					<description><![CDATA[<p>　多くの流通・サービス業は、多店舗展開によって事業拡大を図ります。これは「チェーンストア理論」をベースにしており、多店舗展開することで、コスト比率を下げられ、仕入量拡大によるスケールメリットを得られるようになります。高度 &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2402" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">経営者の視点「出店戦略」</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">　多くの流通・サービス業は、多店舗展開によって事業拡大を図ります。これは「チェーンストア理論」をベースにしており、多店舗展開することで、コスト比率を下げられ、仕入量拡大によるスケールメリットを得られるようになります。高度経済成長期以降、多くの流通業が競うように店舗網の拡大を図り、厳しい競争を繰り広げてきました。もちろん家電量販店も同様で、地域店、地域チェーン、そして県外出店と店舗網を広げる中で、各地で衝突が生じました。現在では主要プレーヤーは10社以内に絞られています。1975年には「日本電気大型店協会」(通称 NEBA)の加盟企業数が93社あったことを考えれば、いかに熾烈な競争だったか分かります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　現在、家電量販店のうち、全国展開を実現しているのはヤマダHDとケーズHDの2社です（ケーズHDは沖縄県は未出店）。人口減少、少子高齢化に伴う過疎化が地方で進む中、今後新たに全国展開を達成する企業はないでしょう。その意味では、全国に店舗網を確立しているこの2社は先行者利益を獲得していると言えます。ちなみにカメラ量販のように、主要都市に大型リアル店舗を展開しつつ、ネット通販で全国をカバーする方向性もあります。西日本を地盤とするエディオンや上新電機は、最大のマーケットである関東をリアル店舗でカバーできていないません。ホビーに強い上新電機はネット通販で、エディオンはニトリとの協力関係で、関東エリアをなんとか取り込もうとしています。しかし、ヤマダHDとケーズHDは北関東を地盤として、当初から関東の需要を大きく取り込んできており、同業他社がこのアドバンテージに対抗していくのは容易ではありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　出店戦略を考えると、かつて量販各社が拡大戦略を強く志向していた当時は、いかに店を増やすかが重視されていました。しかし、人口減少、少子高齢化が進む中、出店拡大は難しくなってきた、というのが一般的な見方です。実際、ヤマダHDは、2015年に不採算の小型店舗を中心に大量閉店。都心部攻略のために出店していた「LABI」店舗も多数閉店しています。出店で収益を伸ばせないからこそ、リフォームや住宅、リサイクル、金融など、異業種参入のスピードを速めた面もあります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　海外を見ても、中国では、家電量販店大手の国美が、22年6月末時点で中国に3825店あった店舗の9割を閉鎖する方針を発表。蘇寧も直営家電量販店を、コロナ禍の影響が本格的に出る前の19年末と比べて38%減らしました（日経新聞オンライン「<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM278920X20C23A7000000/" target="_blank" rel="noopener" title="">中国小売り、閉店ラッシュ　家電・国美は9割削減方針</a>」）。新型コロナによる外出自粛、都市封鎖により消費者のネット購入が進んだことが要因とされています。米国でも家電量販店最大手ベスト・バイが、2022年に家電需要の縮小やネット通販への移行を背景に、店舗運営コストを抑制するべく大幅な人員削減を発表しています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　ネット通販が拡大するとリアル店舗の存在意義が希薄になる――2010年ごろからよく言われてきたことですが、日本の家電流通市場では、まだまだリアル店舗を展開する家電量販店が圧倒的なシェアを有しています。日本における家電販売は、量販店チャネルが全体の半分以上を占めていること、なかでも冷蔵庫や洗濯機、エアコンといった大型家電の販売をほぼ独占していること、表示価格ではネット通販が安くても相対値引きでリアル店舗が対抗していることなどが挙げられます。また、自己責任で購入商品を選ぶよりも、販売員に相談して背中を押してもらう購入を好む消費者が多いことも要因の一つです。他にも、人口密度が高く、買物インフラが充実しており、店舗利用がしやすいという点も見逃せない事情でしょう。海外と異なり、日本ではまだまだリアル店舗の役割が大きいというのが筆者の見解です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　とはいえ、ネット通販の普及や家電需要の緩やかな縮小を背景に、店舗の売上が減少しているのも事実です。かつては一店舗で100億円売り上げる郊外店舗がいくつもありましたが、現在では旗艦店でもおそらく50億円あればかなり良いほうでしょう。過疎化が進む地方都市では、店舗売上が下がってしまい、店舗人員数を減らし、人件費を抑えることでなんとかトントンにしている状況も珍しくありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　こうなると、「店舗整理」に動くケースが多くなります。採算の悪い店舗を閉鎖し、収益を見込める店舗に絞って人員や投資を集中することにより経営効率を上げるという考えです。しかし、加藤修一ケーズホールディングス名誉会長の考え方は違います。「店舗を閉めてもコスト比率は下がらない。そもそも、店舗整理というのは、儲からなくて傾いている会社が採るべき方法。儲かっている会社が店舗を整理する必要はない」。</p>



<h2 class="wp-block-heading">店舗整理がコスト増を招く</h2>



<p class="wp-block-paragraph">　少し解説をしましょう。チェーンストア理論に基づいて出店する場合、エリアを飛び地にせず、地続きで店舗網を充実させていきます。こうすることで、チラシの配布を大きく増やす必要がなく、また既存店があるのでブランド（店名）を周知するための大掛かりな販促も不要になります。さらには、物流配送網や人員配置も既存のネットワークを活用できるので、新店を出しても、コスト比率が上らないのです。もし飛び地に出店すれば、物流・配送拠点を新設しなければならず、社員の異動に伴う住宅手当などが必要になり、新規エリアであれば、配布するチラシ枚数も大幅に増加します。コストを抑えて店舗網を拡大することが、チェーンストアの強みであり、ローコスト経営のカギとなるのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　ローコスト経営を実現するための店舗網充実は、国内市場が緩やかに縮小傾向にあり、ネット通販の利用が拡大している現在でも、変わりません。1つの物流センターで30店舗をカバーしている場合、不採算店を閉めて20店舗にすれば、1店舗当たりの物流費は上昇します。流通の場合、「撤退」を認めたくないので、近隣店舗と統合しましたというたてつけで閉店しますが、近隣店舗が30キロ離れていれば、統合先店舗に足を運ぶ人も大幅に減るでしょう（車がないお客は物理的に来られません）。しかし、あくまで店舗統合なので、閉鎖したエリアにもチラシはまき続けます。来店見込みの薄いお客に対し、フォローとしてチラシを毎週入れ続ける――まさに無駄なコストになってしまいます。閉店することで、コスト比率を下げるどころか、逆にコスト高になってしまうリスクがあるのです。しかも、撤退したエリアのお客が失望してしまう可能性もあります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　店舗を何百店舗も展開していれば、好調店もあれば、なかなか売上が伸びない不振店も当然出てきます。もともと売り上げ規模の小さい田舎の店舗は、減価償却が終ってトントン状態という店舗も多いでしょう。しかし、こういう店舗は地代も低いので、売上不振が会社の経営成績に大きな影響を与えるわけではありません。個店単位の成績で店舗継続の可否を決めるのではなく、旗艦店や物流拠点を含めたエリア全体、会社全体で採算性を見て、十分利益が出ているなら、急いで閉店する必要はないのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　長く営業していれば、お客の店舗利用経験も増え、固定客が増えるかもしれません。あるいは、競合店が経営不振で店舗整理に動くかもしれません。体力勝負となれば、不振店を抱えても利益が出せる会社の方が明らかに強いはずです。チェーンストア理論に基づき、ローコスト経営を実現しているのに、単店管理で不振店を閉めることは、その強みを捨てるようなもの。だからこそ、加藤修一氏名誉会長は、「店舗整理は経営不振の会社がやること」と常々話してきたのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　リアル店舗は、地域の住民にとっては大切な「生活インフラ」です。人口が少ない地方都市にまで店舗網を展開できていれば、買物弱者と言われる人たちの窓口にもなれます。商品取り寄せ、ネット通販で購入した商品の受け取り、さらには地域の困りごとの窓口になれるかもしれません。リアル店舗のネットワークがあれば、将来的にもさまざまな可能性が生まれるのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　高齢者の場合、普段は近場の小型店舗で買物をして、家族や友人知人とでかける時は大型旗艦店に行くというケースも少なくありません。小型店舗が毛細血管のように小商圏ネットワークを広げ、旗艦店が大商圏を支える。両者がうまく機能してこそ、チェーンストアのローコスト経営が実現するのです。人口減少や過疎化が進むエリアに単独店が出店しようとしたら、だれもが無理と考えるでしょう。しかし、チェーンストアなら可能です。単店舗では収益が小さくても、ローコスト経営により採算ベースを下げられ、エリア全体として商圏をカバーできるのです。これこそ「スケールメリット」です。売上拡大により仕入価格を抑える「スケールメリット」は、実際には差をつけられません。差をつけられないからこそ、多くの企業がリスクが高い「オリジナル商品開発」に走るのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">店舗網のスケールメリットは違います。全国どこでも商品を供給できるというのは大きな強みです。ネット通販が全国に届けられると言っても、物流自体が疲弊してしまえば難しくなります（参考　住友電工システムソリューション<a title="" href="https://www.traffic-probe.jp/wp_all/wp03_1.html" target="_blank" rel="noopener">物流業界「2024年問題」を一から解説</a>）。しかし、全国の店舗に商品を届ける物流インフラを自社で持っていれば、BtoC配送ほどには影響を受けにくいでしょう。ネット通販が普及した現在でも、長年かけて積み上げてきた店舗網のスケールメリットには大きな可能性があります。</p>



<h2 class="wp-block-heading">常識・当たり前を疑う</h2>



<p class="wp-block-paragraph">　しかしながら、頭でっかちな経営者や、常識にとらわれる経営者は、不採算店があると閉鎖したほうが「収益効率が上がる」と考えてしまいます。しかし、加藤修一氏は常に「“常識”や“当たり前”を疑う」姿勢です。一見正しいようでも、誰も否定していなくても、中長期的にはどうなのか、お客様から見たらどうなのか――いろいろな角度から「何が正しいか」を判断します。だからこそ、ケーズデンキは、さまざまな不況の中でも成長できたのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　MBAや中小企業診断士、あるいはコンサルティングなどの資格を有していれば、優れた経営者になれるわけではありません。マーケティングや販売手法に秀でていることが優れた経営者の資質というわけでもありません。「常識にとらわれず、何が本当に正しいかを見きわめる力」こそ、優れた経営者に必要な資質ではないでしょうか。経営幹部の多くは、経営における常識論を振りかざしがちです。こうすればコストが下がる、社員がもっと働く、前年より数字を改善できる――厳しい言い方をするなら、世間で正しいと言われていることを主張すれば、結果がどうなっても自身の責任にならないからでしょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">このような常識論にしっかり反論できたのが加藤修一氏です。細かい営業施策などは現場に任せながらも、子会社幹部の強い要請を受けて、多大な費用をかけたポイント制度を導入目前になって「これはおかしい」とストップする——まさに経営者ならではの決断と言えます。そして、店舗網を着実に拡大し続ける方針も同様です。着実に実行したからこそ、64期連続増収を達成し、競合よりも高い利益率を実現できたのです。さらに加えるなら、正しい経営判断というのは、業績面で即効性があるものではありません。目先の利益を拡大するコストダウンなどと違い、中長期的な成長につながるものがほとんどです。だからこそ幹部ではなく、経営者自ら判断することが欠かせないのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph"></p>



<p class="wp-block-paragraph"></p>



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		<title>ビッグモーター問題に関する記事</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2421</link>
					<comments>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2421#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 05 Sep 2023 05:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[がんばらない経営]]></category>
		<category><![CDATA[ビッグモーター]]></category>
		<category><![CDATA[磯﨑自動車工業]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>中古車販売大手ビッグモーターの不正について、プレジデント オンラインの記事で、『成長の原動力は会社を儲からないようにする』（プレジデント社）を出した磯﨑自動車工業（本社：茨城県ひたちなか市）の磯﨑孝会長と磯﨑拓紀社長が語 &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2421" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">ビッグモーター問題に関する記事</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">中古車販売大手ビッグモーターの不正について、プレジデント オンラインの記事で、『成長の原動力は会社を儲からないようにする』（プレジデント社）を出した磯﨑自動車工業（本社：茨城県ひたちなか市）の磯﨑孝会長と磯﨑拓紀社長が語っています。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><a href="https://president.jp/articles/-/72912?fbclid=IwAR1sGZPGtiPA-Z3teoyGwjZ3MbWJcMecq2Bl2b2Klw9eyo0zw2fzS7osDYA" target="_blank" rel="noopener" title="">なぜビッグモーターは｢車検の基本料金｣が他社より安いのか…中古車業界でささやかれていた｢本当の評判｣</a>（プレジデント オンライン）</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">もしかしたら前社長や前副社長は、不正まで犯すつもりはなかったのかもしれません。しかし、数字をとことん追求していった結果として、現場が不正行為に手を出すしかなくなるということは十分に考えられます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">（中略）</p>



<p class="wp-block-paragraph">当社の場合、以前からあえて厳しい基準を設けて車を仕入れてきました。当然、利幅は薄くなります。それでも「いい車を売っていれば、お客さまはついてきてくれる」という判断でやってきたんです。現在のビッグモーターとはまさに真逆の経営方針といえると思います。</p>
<cite><a href="https://president.jp/articles/-/72912?fbclid=IwAR1sGZPGtiPA-Z3teoyGwjZ3MbWJcMecq2Bl2b2Klw9eyo0zw2fzS7osDYA912/" target="_blank" rel="noopener" title="">なぜビッグモーターは｢車検の基本料金｣が他社より安いのか…中古車業界でささやかれていた｢本当の評判｣</a>（プレジデント オンライン）より</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">磯﨑孝会長が8月に出した書籍『成長の原動力は会社を儲からないようにする』（プレジデント社）の第３章「軽自動車の時代が来る！」の構成を見ると、以下のようになっています。「いつかはクラウン」の時代にあえて軽自動車販売にシフト／「会社を儲からなくする」新方針に社員は大反対／わずか1年で3億円の売上増を達成！／業績拡大を支えた経営理念「顧客の創造」。「会社を儲からなくする」新方針は、書籍のタイトルにもなっています。目先の利益追求ではない方針により大きな成長を実現した磯﨑自動車工業は、中古車販売の不正問題による影響についても、「地域密着で地道に商売をしてきましたので、実際のところそれほどの影響はありません」と語っています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">プレジデント オンラインの記事は、無料登録で本記事の全文が読めるので、興味を持った方はぜひリンク先の記事をご覧ください。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さて、この記事を紹介したのは、同記事の最後に磯﨑拓紀社長が以下のように話しているからです。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">【磯﨑（拓）】時代が変わったということですね。<strong><span style="text-decoration: underline;">ケーズホールディングスの加藤修一名誉会長が唱える「がんばらない経営」がこれからのスタンダードでしょう</span></strong>。無理な営業ノルマを課さない、長時間の残業をさせない。それでも成果を出すことはできるのですから。中古車販売業界でもこの方針は十分に通用するはずです。</p>
<cite>なぜビッグモーターは｢車検の基本料金｣が他社より安いのか…中古車業界でささやかれていた｢本当の評判｣（プレジデント オンライン）より　※下線太字は筆者による</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">目先の利益追求で毎年増益を重ねて行くことだけが正しい経営ではありません。社員に無理をさせず、お客様に嘘をついたり、お客様を騙したりするような商売にしないことで、社員も正しい行動が出来るようになり、お客様に強く支持される会社になることで、市況に左右されないようになるのです。このような代表事例として、加藤修一氏の「がんばらない経営」が取り上げられているのは注目されます。「無理をしない、させない」「嘘をつかない、正しい」経営は、家電量販業界に限らず、さまざまな業種・業態に通用するのです。</p><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2421">ビッグモーター問題に関する記事</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>従業員を大切にするとは</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2377</link>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 25 Aug 2023 01:29:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[パート従業員]]></category>
		<category><![CDATA[ブラック企業]]></category>
		<category><![CDATA[人を大切にする経営]]></category>
		<category><![CDATA[正社員登用]]></category>
		<category><![CDATA[非正規労働]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>立石泰則氏が執筆された「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）にはいろいろな加藤馨氏のエピソードが紹介されており、残された資料を整理、研究してきた筆者としても、好きなエピソードがいくつも紹介されてい &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2377" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">従業員を大切にするとは</span></a></p>
<p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2377">従業員を大切にするとは</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">立石泰則氏が執筆された「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）にはいろいろな加藤馨氏のエピソードが紹介されており、残された資料を整理、研究してきた筆者としても、好きなエピソードがいくつも紹介されています。そのような中でも感心させられるのが、採用に関する考え方です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">間借りしていた元台町の家から、昭和26年6月に根積町の自社所有店舗（現在の柳町事務所、当初は平屋の自宅兼店舗）に移転して売上はぐんと伸びたものの、加藤馨氏は今度は人手不足に悩まされます。「正しく生きる」では、当時は茨城県内には有力企業も大手企業も存在しておらず、優秀な人材は職を求めて県外に流れ、加藤電機商会のような小さな会社の求人に応募してくるのはほとんどが中卒の失業者だったと紹介しています。そして、加藤馨氏の以下のような言葉を紹介しています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">こういっては何ですが、ウチのような小さな店に来る人に満足な人はいません。来るのはみんな、中卒者の仕事がない人ばかりでした。だけども私は、最初の頃は居ないよりもマシだと考えて、そんな人たちを頼んでなんとかやってきたわけです。それに実際に「居れば」、どんな人でも自分の給料分は働くんですよ。だから、払う賃金に応じた仕事をしてくれたら上出来なのです。もし給料分以上の働きをしてくれたら、その時は賞与でもなんでも奮発してやればいい。そういう考えでした。</p>
<cite>「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）p81</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">それでも、採用したものの、数週間で連絡もなく無断欠勤し、退職する人もいます。それでも、加藤馨氏は解雇する旨を伝えるだけでなく、わずかな期間であっても働いたぶんの報酬をちゃんと用意し、店の近くに来た際に立ち寄って受け取るようにと伝えることも忘れませんでした。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">私は、本人が悪いことをしない限り、採用した人間を絶対にクビにはしません。それまでも実際に、クビにしたことはありませんでした。不正なことをしなければ、たとえ（修理等の）難しい仕事が出来なくなっても、勤勉な人であれば、どこか他の部門で働かせるようにしていました。いまでもウチでの会社では、そうやっていますよ。</p>
<cite>「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）p95</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">「優れた人材がいないから会社の業績が伸びない」「能力のない社員はいらない」——そのようなことを口にする経営者と、加藤馨氏は大きく異なります。加藤馨氏には「雇ってやっている」という姿勢はありません。働きぶりに対し、正当な賃金を支払う大切さを語る一方で、たとえ能力がなくても勤勉に（真面目に）仕事をする人は切らない。「人を大切にする」姿勢があるからこそ、社員がノルマのプレッシャーや解雇の不安を感じることなく働くことができ、自分に適した業務で能力を発揮することができるのです。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">私は、能力に比例した賃金を支払うという考え方なんです。能力に合った賃金を支払わないと、いい人は会社を辞めて行ってしまいます。ですから、私が社長の時は、新卒の給料を他社よりも二割ほど高くしましたし、中途採用は職業安定所と新聞広告とで高めの給料で人材募集していました。逆に優秀な人を安い賃金で働かせようとすれば、いい人は居なくなり、また入っても来なくなります。一番悪いやり方は、能力の低い人を安い賃金で集めることです。これだと会社が回りません。それに対し給料を高めにしましたら、比較的優秀な人が入ってくるようになりました</p>
<cite>「<em>正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）p95</em></cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">一般に言われる「成果報酬」の考え方とは似て非なるものです。加藤馨氏にとって、賃金水準と集まる人材の質は天秤の左右のようなもので、安い賃金で優秀な人材を集めることはできないし、安い賃金で優秀な人材を雇い続けることができない、それが当たり前という考え方です。当たり前と言えば当たり前ですが、その当たり前ができず、従業員を「コスト」としかみない経営者が多いことも事実です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏のこのような「人を大切にする」採用や雇用の考え方の対象は、決して社員だけでなくパート従業員も同様です。加藤電機商会のころから勤めていたパート従業員の冨田松枝氏は、退職後も、引退して高齢となった加藤馨氏の体調を心配して自宅に顔を出したり、食事会に出掛けたりと親交が続きました。雇い主、パートという関係ではない付き合いが加藤馨氏が亡くなるまで続きました。ちなみに冨田氏はパート時代にはフルタイムで社員以上の働きぶりを見せていて、退職時には加藤馨氏が当時の加藤修一社長に「長い間、（ケーズデンキのために）よく働いてくれたのだから、退職金を五百万円払ってやってくれ」と頼んだと言います（「正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯」（岩波書店）p405）。すでに大会社となっていたケーズデンキは雇用規定上、退職金の支給はできなかったものの、加藤馨氏は個人的に冨田さんの貢献に報いたようです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏が社長・会長時代に、毎年お歳暮として「数の子」を従業員を配った際にも、社員だけでなく、パート従業員や子会社の従業員にも配っていました。会社のために働くすべての従業員が対象であり、従業員の家族に対し、従業員の仕事を支えてくれていることへの感謝の気持ちを込めて送っていたそうです。社員もパート従業員も分け隔てなくとらえていたことがわかります。従業員が働くことを「当たり前」と考えず、「会社のために働いてくれてありがとう」「かぞくの皆さんも支えてくれてありがとう」という「感謝」の気持ちを常に持っていたのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">人を大切にする経営というのは、なにも正社員だけが対象ではありません。会社にかかわるすべての人を大切にするものです。近年ＥＳ（従業員満足度）が投資家に注目されるようになり、「退職率」「平均勤続年数」など雇用に関する指標を気にする会社も多くなっています。しかし、本来のＥＳは、指標で測るものではなく、会社として、経営者としての考え方が行動として示されるべきものであり、その結果として会社に対する世の中の評価が高まるものです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">たとえば「人を大切にする」とうたいながら、パート従業員には厳しい会社もあります。休憩スペースやフリードリンクの利用を社員に限定し、パート従業員には使わせない。社員には福利厚生を手厚くしても、パート従業員は別というわけです。また、待遇は違うのに、厳しいノルマや自社製品購入を押し付けるようなケースもあります。</p>



<h2 class="wp-block-heading">優しい顔をしたブラックも</h2>



<p class="wp-block-paragraph">パート従業員への待遇を差別する、あるいはきつい扱いをする会社というのはいうまでもなく「ブラック企業」です。しかし、分かりやすい「ブラック企業」はなんらかのかたちで世の中に気づかれ、バッシングなどの対象となるでしょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">実は「優しい顔をしたブラック企業」というのもあります。むしろこちらのほうがやっかいかもしれません。一例を挙げてみましょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">会社自体は「人を大切にしている」と評価されていたり、働きやすい職場とうたったりしています。しかし、パート従業員比率が高いにもかかわらず、パート従業員が正社員登用されるためには、時間や業務の達成条件に厳しいハードルが設けられています。職場環境はみんな優しく、仕事にやりがいもある、しかしパート従業員のまま正社員登用される見込みもなく、いつまでも働くしかありません。自分が職場で戦力として重要と自覚しているからこそ、辞めたら周囲の仲間が困ると分かるし、人間関係もいいからこそ辞めにくい。しかし、正社員登用のために５年以上フルタイムで勤務が必要となれば、20歳で働いた人は25歳になります。25歳なら30歳です。いくら能力が高く、一緒に働く仲間が「社員にすべき人」と評価していても、会社のルール上、正社員登用を会社に認められません。30歳を過ぎれば、その人はその後もフリーターとして働かなければならない可能性が高くなります。あるいは、結婚したいと思っても、パートでは相手の家族に認めてもらえないため、就職のために辞めることになります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「優しい顔」というのは、働く環境として、やりがいがあり、職場の人もやさしく、働く場所として不満がないどころか、非常に居心地が良いという点です。一方で、その居心地の良さに長く浸かっていると、抜け出しにくくなり、将来に向けた人生設計に支障が生じてしまいます。なまじ良い職場だけに、主婦や学生のパートならいいかもしれませんが、正社員登用を期待して入った人にとっては不幸な結末になりかねないのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">仕事を覚え、高い実績をあげているのに、どうして正社員登用されないのか。昔ある会社で人事担当者に尋ねたところ、「新卒採用数は新聞や経済誌で取り上げられ注目される指標。正社員登用より新卒採用の方が大切」と答えました。能力が未知数の新卒のほうが、実際に職場で欠かせないパート人材よりも重要というのが、会社の言い分というわけです。このような会社は、パートを含む従業員を単なる「数値」「指標」としか見ていないのでしょう。邪推かもしれませんが、正社員登用のハードルを高くすることも、パート従業員にはあくまでパートしてフルタイムで長く働かせたいという狙いなのかと疑いたくなります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">社員の待遇を手厚くするほうが会社のＥＳへの取り組みを訴求もしやすいでしょう。育児休暇や有給取得などの数字を高め、正社員が家庭の事情や病気で働けなくなった際に、休業補償や一時的にパート勤務に切り替えるなど、手厚い支援をしたほうが「良い会社」とアピールできます。広報・ＩＲ的には、パートはあくまで「臨時雇用者」というわけです。高い実績があって周囲にも評価されている人材よりも、「良い会社です」とアピールするための数字を重視しているようでは、会社の人事が機能不全ではないでしょうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">かつて雇用関係が今よりずっといい加減だった昭和30～40年代、加藤馨氏は、パートを含めた従業員一人ひとりに対し、人としての成長、家族との暮らしの向上、将来設計まで考えて向き合っていました。中途退社してなお加藤馨氏への感謝の思いを持ち続けた人、パート従業員ながら長く家族づきあいを続けた人、加藤馨氏の「正しさ」は会社経営を退いてからも多くの人を引き寄せました。世の中に「社員を大切にする」とうたう会社は数多くありますが、ケーズデンキが「社員を大切にする経営」で厳しい競争環境でも継続成長できた本質はここにあります。社員を「雇って働かせる」のではなく、社員一人ひとりの人生に向き合い良いものとしていき、社員の生活向上とともに会社が成長していく、それこそが「人を大切にする経営」です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏のあとを継いだ加藤修一氏は、現場に任せる人です。会社の細かい取り組みについてテレビで聞かれても、「こうしたほうがいいんじゃないかという考え方は示したけど、詳しいことは知らない。うまく行っているならいいでしょう」と自信をもって言えます。そのうえで、なにか会社が評価されることがあれば「社員のおかげ」、なにか悪いことがあれば「経営の責任」というのが加藤修一氏のスタンスでした。加藤馨氏が始めた数の子のお歳暮も、誰よりも思い入れをもって引き継ぎ、大切にしてきました。また、売上の低い小型店舗を巡回して飲み会を開いた際にも、正社員もパートも分け隔てなく接していました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「人を大切にする経営」とはどのようなものか。ＥＳといった流行で判断するのではなく、単に数字を飾るのではなく、加藤馨氏や加藤修一氏の根本的な考え方を経営幹部はしっかり学んでほしいと思います。</p>



<p class="wp-block-paragraph">最期に、正社員登用を目指すパート従業員の人に向けてひと言。正社員登用の条件、過去の登用事例などをしっかり確認し、自分の人生を大切にしてほしいと思います。パートとして何年待っても登用されないくらいなら、その分の時間を他の勤務実績にあてた方が、将来的な人生設計の見通しが立ちます。人間関係に引きずられ抜け出せないという「優しい顔をしたブラック企業」も、一般的な「ブラック企業」同様、早く見切らないと大変です。職場の良い人間環境は、周囲の社員の努力であり、誠意です。しかし、会社としての意思が同じとは限らないことを忘れないようにしてください。</p>



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		<title>池袋ヨドバシ出店についての雑感</title>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 18 Jul 2023 07:01:06 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[ヨドバシカメラ]]></category>
		<category><![CDATA[西武池袋本店]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>筆者は、家電量販業界誌に携わる中で、家電量販店以外の流通が家電量販店を下に見る発言を耳にして、苦々しく思うことが少なくなかった。確かに家電量販店と言えば、安売り屋という印象が強く、優越的地位の濫用やヘルパー問題、過度なリ &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2256" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">池袋ヨドバシ出店についての雑感</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">筆者は、家電量販業界誌に携わる中で、家電量販店以外の流通が家電量販店を下に見る発言を耳にして、苦々しく思うことが少なくなかった。確かに家電量販店と言えば、安売り屋という印象が強く、優越的地位の濫用やヘルパー問題、過度なリベート要求など、不祥事も少なくなかった。しかし、不当な要求や悪事ばかりしているなら、国内家電販売の6割以上のシェアを占めるまでに発展することはありえない。消費者に支持され、またメーカーの協力がなければ、家電量販店という業態の飛躍的な成長はなかったことも事実だ。問題が多かった時期があったからこそ、各社に向けられる行政の目も厳しく、今生き残っている企業の多くはコンプライアンスを重視している。リベートについても、家電量販店の要求だけでなく、メーカーが家電量販店を巧みに飼いならしてきた面もあるだろう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さて、西武・そごうが、米・不動産投資ファンド運用会社フォートレス・インベストメント・グループに売却され、ヨドバシカメラが池袋、渋谷、千葉の百貨店に出店する意向が伝えられると、やはり家電量販店に対する偏見ともいえる発言が流通関係者、特に百貨店関係者から出てくる。西武ホールディングス（HD）の後藤高志社長は「池袋が家電量販店の激戦区になるイメージが先行するのは好ましくない。百貨店の文化的な側面を大切にしたい」（<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2895T0Y2A121C2000000/" target="_blank" rel="noopener" title="">日経新聞　2022年11月29日</a>）と発言。豊島区長だった故・高野之夫氏とともに、「文化の発信地として育ててきた池袋」が壊されかねないと危惧をあらわにした。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そして今度は、元西武百貨店社長の水野誠一氏が週刊朝日で次のように語っている。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">私はヨドバシカメラを否定しているわけではありません。大阪の梅田では複合商業施設を運営していますし、必需品を中心にネット販売も大いに結構だと思います。配送態勢がしっかりしていて便利ですから私も時々利用しています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　ただ、百貨店の役割と意味をどれほど理解しているのでしょうか。百貨店はお客様にじっくりと商品を試していただき、店員と商品にまつわる会話を楽しんでいただき、豊かな気分でお買い上げいただく。そうしたプロセスを楽しんでいただく場所です。物質的な充足を得る文明的消費ではなく、心の豊かさにつながる文化的消費を提供するのが役割で、売り方なども含めたクオリティーが問われます。つまり存在意義が異なるのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">中略</p>



<p class="wp-block-paragraph">また、同じモノを売ればおのずから価格競争に陥ってしまいます。デフレが続いた日本で安いものが売れるのはわかりますが、他方では質の高い商品を求める人は確実にいます。明確な「ワケ」と「ナットク」があれば高くても買ってくれる顧客です。これは家電量販店とは完全に異なる風景です。</p>
<cite><a href="https://dot.asahi.com/wa/2023030800031.html?page=1" target="_blank" rel="noreferrer noopener">西武池袋「ヨドバシ」出店 元社長が語る“三つのハードル”「ありえないと思う」〈週刊朝日〉</a>　より抜粋</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">そして3月30日には、西武・そごう売却延期という報道が出た。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">地元の事業者や地権者である西武ホールディングスから慎重な検討を求める意見があがっていて難航。労働組合側も売却は会社に損失を与えるとして、セブン＆アイの取締役の責任を問う訴訟を準備していると明らかにした。</p>
<cite><a href="https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/406272?display=1" target="_blank" rel="noopener" title="">「3月中の実行難しくなった」　そごう・西武の売却“再延期”で予定日は示されず…　ヨドバシ池袋出店めぐり調整難航</a>（TBS NEWS DIG）</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">さらに7月に入って、そごう・西武労組がストを検討、ヨドバシが低層階への出店を一部断念するという報道も出ている。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><a href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1099F0Q3A710C2000000/" target="_blank" rel="noopener" title="">ヨドバシ、西武池袋の低層階出店を一部断念　反発に配慮</a>　（日経新聞　　2023年7月11日）</p>



<p class="wp-block-paragraph">百貨店は文化の発信地というが、百貨店の経営が厳しい状況であることは周知の事実。駅前の人流を生かした百貨店は、2000年以降縮小を続け、撤退した百貨店の跡地に、家電量販店が出店するケースが多かった。駅前の主役交代は、なにも池袋が特別というわけではないそ。そもそも百貨店は大衆向けの流通業態ではなくなっている。売上の多くを外商部（上得意客に対する外売り）が支えており、さらには売上の大半をごく限られた上得意の富裕層客が支えているという特殊な業態。駅前の人流とは関係なく、駅前一等地で高級感を演出することでブランド力を高めており、一般客にとっては、総菜やスイーツ、化粧品などを除けば、プレゼントや引き出物などを買う「ハレ」の場である。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「あの商品をいつか持てるようになりたい」、そんな上昇志向があった高度成長期は百貨店の黄金時代と言えた。そもそも総合小売店が少なかった時代、庶民にとって百貨店は間違いなく情報の最先端だった。しかし、バブルを経て、上昇志向が薄れた2000年以降、百貨店の存在意義は急速に薄れ、一部の富裕層相手のビジネスへと移っていった。「文化の発信地」という言葉自体がバブル以前の遺物といえるものだ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「じっくりと商品を試していただき、店員と商品にまつわる会話を楽しんでいただき、豊かな気分でお買い上げいただく。そうしたプロセスを楽しんでいただく場所」と百貨店を定義しているが、これは接客販売が中心の家電量販店にこそ当てはまる。しかも、百貨店と異なり、家電量販店はあらゆる客層に対応する商品をラインアップしている。かつてのバッタ屋とは違い、家電を購入するメインチャネルとして機能している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">百貨店“文化”は特別なのか</h2>



<p class="wp-block-paragraph">百貨店を百貨店たらしめ、「ハレ」の場としての地位を支えてきた商習慣が「消化仕入れ」だ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">その前に一般的な流通の構造をおさらいしておこう。メーカーや卸から購入した商品を、流通は消費者に販売する。卸値と販売価格の差が流通にととっての利益だ。その利益分は、流通が提供する付加価値であり、「商品選び」「品揃え」や「接客」などにより生まれる。とはいえ、販売時の差額がまるまる利益になるわけではなく、売れ残った在庫の処分、消費期限を過ぎた商品の廃棄ロスなどで削られる。消費者の望む商品を幅広く品揃えしつつ、ロスを最小限にするべく仕入れや価格設定の精度を高めることが欠かせない。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「ネット通販は人件費や地代家賃、広告費がかからない分安い」といった論調も見られるが、リアル店舗を多数展開する流通の努力は軽視してはならないものだ。必要な時に必要な商品をいつでも買えるという「インフラ」は、流通の努力と知恵の結晶によって支えられている。そのインフラを支えるコスト分を、流通は大量仕入れによってカバーしている。先の「ネット通販はコストがかからないから安い」といった単純な構図ではないのだ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さて、百貨店の「消化仕入れ」は一般的な流通の仕入れとは異なる。店舗に置かれている在庫は、仕入れ代金を支払って確保したものではなく、仕入れ先の在庫という扱いになっている。そしてお客様が購入した段階で、はじめて百貨店の在庫として計上される。お客様から受け取った代金から仕入金額を仕入れ先に支払うという仕組みだ。つまり、売れようが売れまいが、百貨店に在庫リスクはない。在庫リスクがないので年に数個しか売れないような超高額品でも（仕入れ先がOKを出せば）店頭に展開できる。駅前の好立地を背景に、有利な取引条件で、在庫管理リスクを最小限にする「箱もの」ビジネスというのが百貨店の実態だ。それでいて、店頭では高い価格を維持しつつ、上得意客に特別価格で高級品を販売する「外商」が売上の中心。店によっては売上の半分以上を「外商」で稼ぐとも言われる。</p>



<p class="wp-block-paragraph">西武池袋本店の2022年度の売上高は、1768億円と日本全国で3位というが、そごう・西武自体は経営不振が続く。そごうは2000年に経営破綻、西武百貨店も2003年に私的整理となっており、両社が経営統合して2006年にセブン＆アイHDの傘下となった。しかし、その後18店舗を閉鎖したものの、最終赤字が続いている状況。新型コロナによるインバウンド需要の落ち込みが影響したとはいえ、不振は一過性のものではなく、立て直しのめどが立っていない。セブン＆アイHD自体もコンビニ事業以外は苦戦しており、お荷物となっているそごう・西武を早期に売却し、経営資源を稼げる事業に集中させることを迫られている状況だ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ヨドバシは家電の百貨店</h2>



<p class="wp-block-paragraph">カメラ量販店も、総ての商品というわけではないが、百貨店と同じような「消化仕入れ」を採用している。カメラ量販という名前のとおり、ヨドバシカメラやビックカメラはもともとはカメラ販売店。カメラも高級機種やレンズなどは、非常に高額で販売数量が少ない。しかし専門店として、品揃えとして欠かせないものでもある。そこでカメラ流通では、カメラメーカーの協力の元、百貨店と同様に「仕入れ消化」を採用していた。家電が主力になった現在もカメラ量販店には消化仕入れが残っており、人の多い駅前立地という特性もあいまって、非常に高い商品回転率を実現している。消化仕入があるからこそ、ニッチな高額商品を店頭に並べることができる。郊外店では不可能な圧倒的な品揃えはカメラ量販店の大きな強みだ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">仕入形態やとがった品揃えなど、カメラ量販店は、まさに家電の百貨店と言える。バーミキュラのフライパンやライスポット、あるいは有名デザイナーによる高級照明、販路を絞っている美容機器など、ヨドバシカメラの旗艦店には、一般的な家電量販店にはない品揃えが多くみられる。仕入れ先との交渉は確かにシビアだが、圧倒的な集客力と販売力で、取引業者にとってもメリットが大きいのがヨドバシカメラだ。百貨店に比べて「品がない」商売ではない。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そもそも、単なる「安売り屋」という見方は10～20年前の古い認識だ。現在では家電量販店も淘汰が進み、プレーヤーが減った。業界首位のヤマダHDは、住宅やリフォーム、電気自動車といった非家電事業に注力しており、極端な価格競争を避けている。そのため、業界全体として価格競争が落ち着いているのがここ何年もの家電流通市場だ。そもそも、今の時代、安くしたからといって数が売れるわけではない。古い認識で家電量販店を「安売り屋」と見下す風潮は、百貨店らしいと言えば百貨店らしいが、筆者としては納得できないところだ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そもそも、区長や西武従業員からの「池袋にヨドバシカメラはいらない」という声は大きいが、地元住民や池袋利用客の声があまり聞こえてこないのも不思議だ。かつては、住宅地にドン・キホーテが出店する際に、「地域の風紀が乱れる」「深夜に駐車場で若者が騒ぐなど、生活が脅かされる」などの地元民の反対運動が起きた。しかし、ヨドバシカメラの池袋出店に関してはそのような声はあまり聞かれない。実際には、反対意見も賛成意見も両方あるはずだし、池袋利用者の反対意見があまりに大きいようであれば、ヨドバシカメラだって高いコストをかけて出店しないだろう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ブランド力という点でもヨドバシカメラは評価が高い。国内はもとより、外国人観光客にとってもヨドバシカメラの新宿、秋葉原、梅田などの旗艦店は人気のスポット。かつて筆者が中国の家電量販企業の旗艦店店長向け研修を請け負った際にも、関心が高く、多くの質問があったのはヨドバシカメラの旗艦店についてだった。欧米や中国の家電量販店とも違う、世界に類を見ない、面白くて魅力的な店舗がヨドバシカメラだ。海外により優れた店舗がある百貨店よりも、海外旅行客のヨドバシカメラへの関心は断然高い。</p>



<p class="wp-block-paragraph">結局のところ、「この店はしっかり稼いでいるのだから雇用を守れ」という西武池袋の従業員、「高級ブランドショップは街の顔だ」という古い価値観の政治家、そして「長年池袋を本拠地としてきたビックカメラを守れ」という利害関係者の声が大きい印象だ（ヤマダとは戦えるが、ヨドバシカメラが相手となるとかなり厳しい戦いとなる）。売却を決めたのはセブン＆アイHDであり、ヨドバシカメラはあくまでテナント出店する立場に過ぎない。なんの落ち度もないのに「悪者」扱いされるヨドバシカメラは本当に気の毒としか言いようがない。これが池袋という街の難しさなのだろうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">主要ターミナル駅でありながら家賃が比較的安く新華僑のチャイナタウンが形成され、アニメや漫画のオタクの街としての立場を秋葉原から奪いつつある池袋。2009年には三越池袋店が閉店しその後ヤマダの「LABI1日本総本店池袋」となり、2010年には池袋東口駅前のカメラ量販「さくらや」がドン・キホーテとなり、2021年には東急ハンズの大型店が閉店しその後ニトリとなるなど、商業施設の入れ替わりも多い。雑然としてたくましいところが池袋の魅力だと思うが、駅直結の場所は百貨店の高級ブランドショップでないと「今まで築き上げてきた文化のまちの土壌が喪失する」（故・高野之夫 豊島区長）という。本当に不思議だ。いずれにせよ、法律や条令、地元住民の意向、さらには企業の経営とはまったく関係のないロジックで、出店可否が議論されるのはおかしな話だ。これが駅前立地ビジネスの難しさと言えるかもしれない。</p>



<h2 class="wp-block-heading">補足：</h2>



<p class="wp-block-paragraph">今回は雑感なのでつらつらと思うところを書いたので、いわば愚痴のような内容となっている。ちなみに筆者は池袋の文化の発信地としての側面を否定するつもりはない。もともとロゴデザインやグラフィックデザインに関心があり、セゾングループのクリエイティブディレクターとして活躍し、無印良品、セゾンカード、LOFTのロゴタイプや西武百貨店の包装紙をデザインした田中一光氏のファンでもある。池袋は田中一光氏がデザイン力を発揮した象徴的な場所の一つでもあるが、池袋のブランド力について、高級ショップや百貨店ばかり論じられるのは違和感しかない。公益社団法人日本印刷技術協会に、田中一光氏の以下のような言葉が紹介されているが、街のデザインも同様だろう。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">「私のデザインの基本的な考え方は、企業とデザイナー、社会とデザイナーという双方向のチャンネルを常に確保しておくという点である。クライアントとの関係だけでデザインするだけでなく、消費者や観客の立場でデザインする。常にその三角形を意識しながらそれぞれを頻繁に往復することで、デザイン本来の姿に戻れると思っている」</p>
<cite><a href="https://www.jagat.or.jp/past_archives/content/view/3934.html" target="_blank" rel="noopener" title="">田中一光　華麗なる裏方（前編） デザイナー、クライアント、消費者の三角形を意識　（公益社団法人日本印刷技術協会）</a></cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph"></p><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2256">池袋ヨドバシ出店についての雑感</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>ノジマの下請法違反について</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2308</link>
					<comments>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2308#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 05 Jul 2023 03:16:18 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[ノジマ]]></category>
		<category><![CDATA[ヘルパー問題]]></category>
		<category><![CDATA[下請法]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>6月29日　公正取引委員会は、家電量販店ノジマに対し、下請法違反で再発防止の勧告をした。 参考記事　公取委、下請法違反でノジマに勧告　オリジナル商品で下請け費を減額　（Yahoo!ニュース　朝日新聞DIGITAL）　　　 &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2308" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">ノジマの下請法違反について</span></a></p>
<p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2308">ノジマの下請法違反について</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">6月29日　公正取引委員会は、家電量販店ノジマに対し、下請法違反で再発防止の勧告をした。</p>



<p class="wp-block-paragraph">参考記事　<a href="https://news.yahoo.co.jp/articles/e8654351f29d18f55a1a38938d3588a54ac7b62a" target="_blank" rel="noopener" title="">公取委、下請法違反でノジマに勧告　オリジナル商品で下請け費を減額</a>　（Yahoo!ニュース　朝日新聞DIGITAL）<br>　　　　　<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE298TR0Z20C23A6000000/" target="_blank" rel="noopener" title="">ノジマが7千万円不当減額　下請法違反で公取委勧告</a>　（日経新聞）</p>



<p class="wp-block-paragraph">　　公正取引委員会の報道資料によると、ノジマオリジナルの家電製品等の製造を請け負う下請事業者2名に対し、下請代金から総額7310万円を、拡売費、物流協力金、セールリベートなどの名目で減額して支払ったという。</p>



<p class="wp-block-paragraph">下請法では、親事業者（発注側）が資本金3億円超の場合、下請事業者を資本金3億円以下と定義しており、今回のノジマの場合も、下請事業者は資本金3億円以下である。親事業者の義務とされているのは、以下である。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li>書面の交付義務（第３条）</li>



<li>書面の作成・保存義務（第５条）</li>



<li>下請代金の支払期日を定める義務（第２条の２）</li>



<li>遅延利息の支払義務（第４条の２）</li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph">一方、禁止事項としては、</p>



<ul class="wp-block-list">
<li>受領拒否の禁止（第４条第１項第１号）</li>



<li>下請代金の支払遅延の禁止（第４条第１項第２号）</li>



<li>下請代金の減額の禁止（第４条第１項第３号）</li>



<li>返品の禁止（第４条第１項第４号）</li>



<li>買いたたきの禁止（第４条第１項第５号）</li>



<li>購入・利用強制の禁止（第４条第１項第６号）</li>



<li>報復措置の禁止（第４条第１項第７号）</li>



<li>有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止（第４条第２項第１号）</li>



<li>割引困難な手形の交付の禁止（第４条第２項第２号）</li>



<li>不当な経済上の利益の提供要請の禁止（第４条第２項第３号）</li>



<li>不当な給付内容の変更・やり直しの禁止（第４条第２項第４号）</li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph">——が定められており、今回のノジマは上記リストの2番目「下請代金の減額の禁止（第４条第１項第３号）」に違反する行為と指摘された。公正取引委員会の報道資料には以下のような強い言葉も併記されている。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">下請法は、下請事業者の責任がないのに、発注時に定められた金額から一定額を減じて支払うこと等を<strong>全面的に禁止</strong>している。値引き、協賛金、歩引き等の<strong>名目、方法、金額の多少を問わず</strong>、また、<strong>下請事業者との合意があっても、下請け法違反</strong>となる。</p>
<cite>令和5年6月29日公正取引委員会 報道資料「株式会社ノジマに対する勧告について」より　※太字は筆者による</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">「全面的に禁止」「名目、方法、金額の多少を問わず、下請事業者との合意があっても下請法違反」という言葉から、どのような理由があっても「下請代金の減額」は許さないという姿勢が伺われる。当然だ。入金されるはずの金額が知らぬ間に減額されれば資金繰りに影響し、倒産につながりかねない。支払う側の企業規模が大きいだけに、生殺与奪権を握られるようなものだ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今回注目されるのは、家電量販店でよく問題になる優越的地位の濫用（独占禁止法）ではなく、下請法という点だ。一般に家電メーカーと家電量販店、いわゆる製販の関係であれば、独占禁止法になる。しかし、今回はノジマのオリジナル家電での取引であり、ノジマは製造を発注した立場。下請け業者への支払代金から勝手に減額したことにより下請法違反となった。支払代金を減額した総額約7310万円の内訳は以下のとおり。</p>



<figure class="wp-block-table alignleft is-style-regular"><table><tbody><tr><td>拡売費　　　　　　　　　　　　</td><td>　　　　約5403万円</td><td>（下請事業者１名）　　　</td></tr><tr><td>物流協力金</td><td>　　　　約833万円</td><td>（下請事業者２名）</td></tr><tr><td>セールリベート</td><td>　　　　約575万円</td><td>（下請事業者１名）</td></tr><tr><td>キャッシュリベート</td><td>　　　　約474万円</td><td>（下請事業者２名）</td></tr><tr><td>オープンセール助成</td><td>　　　　約19万円</td><td>（下請事業者１名）</td></tr><tr><td>発注手数料</td><td>　　　　約3万円</td><td>（下請事業者１名）</td></tr><tr><td>総額</td><td>　　　　約7310万円</td><td></td></tr></tbody></table><figcaption class="wp-element-caption">和5年6月29日公正取引委員会 報道資料「株式会社ノジマに対する勧告について」より</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">総額の約74％を占めるのが拡売費。対象となる下請事業者は１名で、負担の大きさが伺われる。「拡売費」というのは、一般に、商品の販売を拡大するためにメーカーが支払う費用で、陳列棚の確保や装飾などの費用、小売店で行われる値引きやクーポン、キャッシュバックなどの販促キャンペーンの原資などが該当する。</p>



<p class="wp-block-paragraph">また、他のセールリベートやキャッシュリベート、オープンセール助成なども含め、いわゆるリベートであり、大手家電メーカーなら、長年の商習慣で支払っているケースも少なくない。もちろん、リベート要求の仕方や内容次第では「優越的地位の濫用」となることは言うまでもない。</p>



<p class="wp-block-paragraph">これがオリジナル家電となれば話は別。メーカーから商品を仕入れているのではなく、製造を委託している。メーカーの既存製品を一部仕様を変更して自社ブランドとして販売する場合も同様だ。あくまで流通が自社製品として販売するのであり、製造委託先メーカーに対して、大手家電メーカーのプロパー製品（正規の流通ルートを通して卸されて販売される定番商品）と同じように販売協力金を要請するのはお門違いだ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">プロパー製品の場合、競合製品などの実勢売価が下落すれば、対象商品の仕入価格を見直したり、拡売費名目でリベートを提供したりするなど、大手家電メーカー側も拡販のために流通を支援する。特に家電量販店は国内家電販売の6割以上のシェアを有しており、メーカーとしても流通との協力関係は重要だ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ではオリジナル家電の場合はどうか。市場の同等品の売価を見つつ、お得感を出せるような販売価格を実現できるように、製造原価を抑えて委託する。例えば、販売当初プロパー製品が新販売で粗利25～30％なら、オリジナル家電は40～50％確保できる（実際の粗利率は商品によって異なる。サプライ品や小物は比較的粗利率が高い）。だからこそ、「オリジナル商品は利益率の向上に役立つ」と各社が力を入れる。</p>



<p class="wp-block-paragraph">しかし、家電の場合、実勢売価は常に変化する。家電は販売サイクルが１～２年でその間価格は下落し続ける。同等品の実勢価格が3割減少すれば、プロパー製品は粗利がほぼなくなる。そこで、原価見直し、値引き対策費といったリベートを提供するなどして15～20％程度の利益を確保できるよう、メーカーが流通に対して便宜を図る。さらには、販売数量目標の達成リベート、あるいは同一メーカーの販売増領に対する期末リベートなどもあるだろう。結果的に、価格下落の影響を大きく受けずに利益を確保できるような商習慣が存在する。</p>



<p class="wp-block-paragraph">一方、オリジナル製品の場合、同等品の売価が3割も下がると、店頭でかなり割高になってしまう。そこで価格を見直すのだが、あくまで自社製品なので、仕入原価に当たる製造原価はすでに固定されている。また、達成リベートや期末リベートもない。価格を大きく下げずに売っても、在庫が残れば在庫管理にも費用がかかる。プロパー製品ならば、旧品処分のための支援リベートの提供、あるいは市場売価の維持のため返品を受け入れてくれるケースもあるが、オリジナル製品は叩き売るにも廃棄処分するのも自社責任だ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「オリジナル製品は利益率向上につながる」というが、それは売価がほぼ固定されているコンビニや、ある程度価格が維持され値引き交渉が存在しないスーパーやホームセンターの話（ユニクロ、ニトリなどのSPAは除く）。相対値引きや、商品の価格下落が当たり前の家電とは異なる。逆を言えば、この価格変動があるからこそ、独自の商習慣に支えられて家電量販店が「専売」状態が維持されている面もあるのだ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">このような価格変動の特性、オリジナル製品の向き不向きを理解せずに、製造委託先メーカーに従来の商習慣だからとリベートを要求すれば完全にアウト、グレーではなく真っ黒だ。ノジマは「エルソニック」などオリジナル商品に力を入れているが、このようなことすら社内に周知していなかったことにむしろ驚く。プロパー製品でさえ、売場における展示装飾やPOPなどの製作費を流通がメーカーに要求すればアウトとなることも少なくない。「オリジナル製品は儲かる」と軽く考え過ぎではと非難されてもしかたないだろう。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「ヘルパー不在＝親切」ではない。</h2>



<p class="wp-block-paragraph">ちなみに、ノジマは「メーカーからの派遣販売員がいない」ことを売りとしている。ノジマのホームページには、以下のような記載がある。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">メーカーからの派遣販売員の方も、しっかりと接客対応はしてくれるでしょう。ですが、お客様の立場から見ると、ひとつのメーカーの商品のみを提案されることになり、本当に自分のニーズに合っているものを提案してもらえるとは限りません。そのため、ノジマではメーカーの派遣販売員を一切入れず、すべて自社雇用の従業員が接客するようにしています。</p>
<cite>ノジマホームページ　<a href="https://www.nojima.co.jp/support/koneta/71913/" target="_blank" rel="noopener" title="">【カンブリア宮殿で話題に】ノジマの感動接客「コンサルティングセールス」とは？</a></cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">メーカー販売員、いわゆるヘルパーは家電業界に長く存在する。決してほめられた商習慣ではないが、現在では、ヘルパーも自社商品しか売ろうとしないわけではない。中には、家電量販店の販売員よりも空調家電や調理家電に詳しい人もいる。もちろん、逆もしかりでまともに接客も挨拶もできない人もいるが、筆者の印象では、グイグイと押しが強い携帯電話や通信のヘルパーに比べ、家電ヘルパーはちゃんと接客ができる人が多い。ヘルパーは本来売場にとって異物ではあるが（店舗との雇用関係が存在しない）、いわば家電量販店を働き場所として共存しているような状況だ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">確かにメーカーから派遣されるヘルパーは、自社製品を売ってなんぼ。他社製品を購入しようとするお客を、自社製品に考え直させるようなこともかつては散見された。しかし、現在ではヘルパー派遣自体がリベートのような側面がある。店舗における自社製品の販売台数を追い求めるより、量販企業との良好な関係を維持する意味合いが強い。ヘルパー自身も、店舗との良好な関係を築くべく、お客に失礼のない接客をする人が多い。</p>



<p class="wp-block-paragraph">一方、ノジマの場合、筆者が店頭で接客を受けたり、あるいは知人の体験などを聞くと、「強引な売り方」が目立つ。一例を挙げると、パソコンを買いに来た女性客に対し、不要だと繰り返し伝えているのに延長保証サービスをしつこく勧め、拒否したにもかかわらず、レジで会計のときにちゃっかり乗せられていて文句を言った――というケースもある。私の母も携帯電話でノジマでしつこい接客を受け大揉めに揉めたことがあった。</p>



<p class="wp-block-paragraph">もちろんノジマにも良い接客をする店舗や販売員がたくさんいる。先に挙げた事例は、極端な例にすぎないかもしれない。しかし、注意したいのは、自社販売員だからこそ、販売ノルマなどに強く縛られ「無理売り」をするケースもありえるということだ。先の事例では、パソコンは粗利が極端に低いため、利益確保につながる延長保証サービスをセットにするよう本部から強く指示されていた可能性がある。ヘルパーがいない分、店舗人員を自社でまかなわなければならず、個々の販売員に対し、高い利益率の実現を求めているのだろうか。もちろん、これは推測に過ぎない。しかし、現在の家電量販店は「ヘルパーがいない＝親身な接客をしてくれる店」と限らないのは確かだ。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img data-recalc-dims="1" decoding="async" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/07/DSC01299.jpg?resize=693%2C521&#038;ssl=1" alt="" class="wp-image-2324" width="693" height="521" srcset="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/07/DSC01299-scaled.jpg?resize=1024%2C768&amp;ssl=1 1024w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/07/DSC01299-scaled.jpg?resize=300%2C225&amp;ssl=1 300w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/07/DSC01299-scaled.jpg?resize=768%2C576&amp;ssl=1 768w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/07/DSC01299-scaled.jpg?resize=1536%2C1152&amp;ssl=1 1536w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/07/DSC01299-scaled.jpg?resize=2048%2C1536&amp;ssl=1 2048w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/07/DSC01299-scaled.jpg?w=1880&amp;ssl=1 1880w" sizes="(max-width: 693px) 100vw, 693px" /><figcaption class="wp-element-caption">2011年に撮影したノジマ店舗の入り口。10年以上前から「お客様ニーズにお答えするためメーカー派遣はおりません」と訴求。しかし、「お答え」が不自然であるほか（本来は「お応え」）、「お客様ニーズに」という言葉も買物客へのメッセージと思えない、独りよがりな印象だ</figcaption></figure>
</div>


<h2 class="wp-block-heading">業界の根深い悪弊</h2>



<p class="wp-block-paragraph">ノジマの2023年3月期売上高は、6261億円。金額だけ見れば、ケーズHD、エディオンに次ぎ、上新電機を上回る。しかし、家電販売額だけとなると2665億円で、家電販売事業の構成比は約43％にすぎない。一方で、経常利益ベースでの構成比は約57％となっており、家電事業の売上高経常利益率は7.7％。ちなみに利益率が高いと言われるケーズHDの売上高経常利益率は約4.8％。ノジマの数字はセグメント別売上高、利益額なので、単純比較はできないが、この高い利益率を実現するためにオリジナル商品に注力するのであれば、正しい商売を心掛けてほしいものだ。</p>



<p class="wp-block-paragraph">プロパー製品においても、あるいは工事・配送業者に対しても、なにかトラブルを起こすと、罰金のようなかたちで要求することが流通ではみられる。相手の落ち度に対し見返りを要求するのもよくないが、「相手が悪いのだから当然」として勝手に支払代金から相殺するのは法律上問題があるだけでなく、企業のコンプライアンス意識、管理体制が疑われる。契約外業務を強制した上で一方的に契約解除をした、下請け業者に対し一方的に不利な契約を強要したなど、2005～2008年にかけて家電量販企業が下請け法違反で告発された事例はあるが、下請法違反に該当するような事例は2023年になった現在もまだまだ残っている可能性がある。業界慣習に基づく悪弊だけに、競合他社も自社の管理体制や契約内容を改めてしっかりチェックする必要があるだろう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">筆者としては、リベートやヘルパーは「不健全な商習慣」と考えであり、麻薬のようなものと考えている。しかし、長年培われてきた商習慣だけに、いきなりやめるのが難しいのも確かだ。多くの量販企業各社が「オリジナル商品」に注力しているが、「高い粗利率」を確保しつつ、従来の商習慣の「リベート」に順じたうまみも残せという「いいとこ取り」は、まさに麻薬の禁断症状のようなもの。「今までもそうだった」「他社もやっていること」といった言い訳がまかりとおり業界ではあるが、このままでは今後も同様の問題が発生するに違いない。</p>



<p class="wp-block-paragraph"></p><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2308">ノジマの下請法違反について</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>「わかりやすさ」こそトップの自信</title>
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					<comments>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2293#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 03 Jul 2023 04:27:22 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[経営戦略]]></category>
		<category><![CDATA[トップの言葉]]></category>
		<category><![CDATA[マネジメントの資質]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>加藤馨氏の出演した「モーニングショー　宮尾すすむのああ日本の社長」（テレビ朝日　1986年12月3日放送）。あるいは加藤修一氏の出演した「プライムニュース」（BSフジ　2012年8月23日放送）などを見ていると気づくこと &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2293" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">「わかりやすさ」こそトップの自信</span></a></p>
<p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2293">「わかりやすさ」こそトップの自信</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏の出演した「モーニングショー　宮尾すすむのああ日本の社長」（テレビ朝日　1986年12月3日放送）。あるいは加藤修一氏の出演した「プライムニュース」（BSフジ　2012年8月23日放送）などを見ていると気づくことがあります。それは、ビジネスや経営に詳しくない、それこそ小学生でも誰でも理解できるような平易な言葉で常に語っているということです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">たとえば加藤馨氏。「<a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/188" target="_blank" rel="noopener" title="">がんばらない＝能率を上げる</a>」の記事でその発言をピックアップしています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">宮尾「商売というのはどうすれば儲かるんですかね」<br>会長「信条として、<strong>『品質が良い』『値が安い』『サービスが良い』</strong>という３つの目標を実行してきています。そういうことを誠実に実行することが、まあお客さんの信頼につながるんです」<br>宮尾「しかし、ある程度の利益がないと、会社の成長というのもない」<br>会長「<strong>利益は『能率』の中にある</strong>んです。事業の利益というのは」<br>宮尾「能率を上げるためにはどうしますか？」<br>会長「当社の場合、<strong>各人が自分が受け持っている仕事を、この会社の中で一番自分が上手によくできる人間になるんだという信念</strong>ですね」</p>
<cite><em>「宮尾すすむの　ああ日本の社長」（テレビ朝日）より　※言い回しは多少手直ししています</em></cite></blockquote>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img data-recalc-dims="1" loading="lazy" decoding="async" width="640" height="480" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201225-151342.jpg?resize=640%2C480&#038;ssl=1" alt="カトーデンキ店内で笑顔で話す加藤馨氏" class="wp-image-189" srcset="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201225-151342.jpg?w=640&amp;ssl=1 640w, https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201225-151342.jpg?resize=300%2C225&amp;ssl=1 300w" sizes="auto, (max-width: 640px) 100vw, 640px" /><figcaption class="wp-element-caption">カトーデンキ店内で笑顔で話す加藤馨氏（1986年12月3日放送 テレビ朝日「モーニングショー」内、宮尾すすむのああ日本の社長」に出演したとき）</figcaption></figure>
</div>


<p class="wp-block-paragraph">「ああ日本の社長」というバラエティ色の強い番組ですが、加藤馨氏の語り口は普段どおりです。ごく自然に自身の考えを語っています。気負いやてらいは一切見られず、自分の考えをわかりやすく相手に伝えようとする姿勢が目立ちます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">加藤修一氏も同様です。「プライムニュース」の番組冒頭で、ケーズデンキの店舗では、音楽も静かで、販売員がしつこく背後につきまとってガンガン売り込みするような姿勢がないことを問われて、以下のように答えています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">（番組冒頭に識者が説明）静かで落ち着いていて、店員さんが売らんかなの背後霊のようにずっとくっついてくるような、ガンガン売るぞみたいな雰囲気がまるでないのが新鮮というか、印象的でした。<br><strong>司会</strong>　加藤さん、まずお店の雰囲気について伺いたい、どうしてこういうふうに？<br><strong>加藤</strong>　若い頃は多少はがんばったような気がするんですよね。二十歳代のころはやはり若いですからいろいろがんばるわけですよね。でも、その中で頑張りってのは続かないなって気づいてくるわけです。そしてやっぱりこれはマラソンとかスポーツと同じで自分の持つ力をうまく配分していくことが、その間の中で最大の実績を残すことだというふうに気がついたわけですよね。<br><strong>司会</strong>　その雰囲気を実際のお店にもという感じ？<br><strong>加藤</strong>　売場の場合はですね、会社の都合でお客さんにアピールするんじゃなくて、お客さんの言っていることをよく聞いてお客さんのためになるようにすれば、どこかでお客さんが儲けさせてくれるんであって、儲けようというところから入っちゃうと押しつけになっちゃうんですよね。</p>
<cite>BSフジ「プライムニュース」2012年8月23日放送　より</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">また、「がんばらない」ための施策の一つとして何百通り以上のバリエーションがある勤務シフトについて問われ、以下のように答えています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph"><strong>加藤</strong>　私としては社員の残業を減らしたいという話がありますね。お店としては10時から21時まで営業している。当然、早番遅番となる。そうすると、お店は一番ひまな時間に一番社員が（多く）いる状態になっちゃうんですよ、通常の早番遅番で処理したら。だから、そうじゃなくて中を抜くとか、勤務時間をある程度組み合わせるとかして、ひまな時は少ない社員で、忙しい時は多くの社員で働くようにしなければ、残業を減らしていくことは不可能だということで、そんなふうにしたらどうだとは言いました。<br>で、５～６通りのパターンができるのかなと思って、何年か経って気がついたら何百通りと言われてびっくりしているんですけどね。<br>考え方だけは示しましたけども、そのあとは全然携わっていないので、今日初めて（勤務シフトの表を）見ています。<br><strong>識者</strong>　個々の従業員の人たちのいろいろな生活のパターンがあるじゃないですか、そういうのを聞き入れながら作っていくから数が増えていくということですか<br><strong>加藤</strong>　そうですね。それは人事とお店と、営業の人が考えていることで私の範疇ではない。私の知ったことではないけども（笑）、まあ工夫はした方がいいだろうとは言ったんですね。<br>（中略）<br><strong>加藤</strong>　結局、そういう方向までみんなでみんなで考えて決まっているんであれば、それ以上私らには関係ない、現場の人がやった方がいいわけですよね。</p>
<cite>BSフジ「プライムニュース」12年8月23日放送　より</cite></blockquote>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img data-recalc-dims="1" loading="lazy" decoding="async" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/img_3607.jpg?resize=671%2C392&#038;ssl=1" alt="BSフジ「プライムニュースに出演したときの加藤修一氏（2012年8月23日）" class="wp-image-2300" width="671" height="392"/><figcaption class="wp-element-caption">残業やノルマがない「がんばらない経営」について質問を受ける加藤修一氏<br>（2012年8月23日放送　BSフジ「プライムニュース」に出演）</figcaption></figure>
</div>


<p class="wp-block-paragraph">「残業なし」に続いて、「ノルマ不要」について質問され、加藤修一氏は以下のように説明しています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph"><strong>司会</strong>　ノルマ不要は、働く方としてはうれしいんですが、こんな感じでいいかって割と適当な感じになったりしないんですか。<br><strong>加藤</strong>　そうみんな不安に思いますけども、社員というのはたぶんね、仕事が面白かったら勝手にどんどんやるんだと思いますよね。で、人に言われてやるというのは結構大変なんですよね。子供さんがいてね、母親から勉強しろ勉強しろと言われると、本当はやる気あるんだけど、なんとなく言われてやったというのは価値がなくて、やりたくなくなってしまうっていうことありませんか。<br><strong>司会</strong>　あります、今やろうと思ったのにって（笑）<br><strong>加藤</strong>　ところがそんな要求受けなければ、面白さを与えておけば社員は自らやると思うんですよね。だからサボる心配はないと思います。<br><strong>司会</strong>　でも、サボる人が出てきたらどうする？<br><strong>加藤</strong>　みんながちゃんとやってるとね、サボる人はその会社にいずらくなって辞めていくんじゃないですかね。ぶら下がっているだけというのが目立っちゃえば。</p>
<cite>BSフジ「プライムニュース」12年8月23日放送　より</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">長く引用しましたが、難しい言葉や難解な理論はまったくありません。誰でも話していることが理解できます。そして、加藤馨氏、加藤修一氏、ふたりの考え方の根底が同じということもわかります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">経営者、あるいは経営幹部は、立場に見合った自分の姿を演出するために、「特別感」を出そうとしがちです。会社の説明資料やホームページで腕組みをした写真を掲載したり、あるいはカタカナ語やマーケティングの専門用語などを駆使して難しそうな話をしたりする人もいます。一例を挙げるなら、ここ最近注目され始めた「ES（従業員満足度）向上」という言葉。それよりも、両加藤氏が話す「従業員を大切にする経営」のほうが誰でも理解できますし、伝わります。そもそも、ESという言葉が出るよりもはるか昔から、加藤馨氏は加藤電機商会の頃からすでに「人を大切に」してきました。言葉よりも実行が重要であり、しかも高い実績を出してきたのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">トップが、社員が理解できない、伝わらない話をいくらしても、社内のモチベーションは高まりません。また、トップや幹部が現場の細かいところまで自分が一番理解していると話していれば、下の人間は何も意見を言えなくなります。結果、上司の顔色ばかり気にする指示待ち人間ばかりになるのです。加藤修一氏は、番組中で現場のことを問われて「知りません」と平気で答えます。自分の考え方は示しているから、現場の細かいことは知らなくても問題ない、自分が細かく指示するよりも現場が実情にあわせて決める方がうまくいく‥‥こう考えているからこそ、トップとして自信を持って「知りません」と言えるのです。「特別感」を出すために自分を大きく見せる経営者とは、大きな違いです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">人間というのは、他者とかかわる中で「自分の方が優れている」「自分の方が経験豊富だ」「自分が一番会社のことを考えている」など、優位性を出そうとしがちです。いわゆる「マウンティング」です。ここに肩書や権威が加われば、ハラスメントになりかねません。自分を大きく強く見せたいからこそ、難しそうな話をして、自分が優れていると主張するのです。しかし、周囲が理解できないような難しい話をするというのは、裏を返せば中身がないということです。中身がないからこそ、難しそうな言葉や難解な経営理論を引っ張り出して、自分の考えをきらびやかに飾り立てるのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そもそも、社員が理解できないような難しい話をトップがしていて、話を聞いた社員が行動に反映できるはずがありません。満たされるのは「俺はすごいだろ」というトップの自尊心のみです。話を聞く時間すらも無駄ですし、非生産的です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">これに対し、加藤修一氏はみんなが無理なく、楽しく働けるようにすることがトップの役割と考えています。自分を大きく見せる必要もなく、卑下することもなく自然体です。加藤修一氏は、「がんばらない経営」を取り上げるテレビ番組に出演する際に、事前になにも用意せずに臨んでいたそうです。自分の考え方を話すだけだから準備は要らない、聞かれたことに答えるだけとのこと。これこそがトップとして考え方がぶれない「自信」なのでしょう。自分の考えがしっかりまとまっているからこそ、誰にでも理解してもらえるように、いくらでもかみくだいて話ができるのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">経営者や経営幹部に限らず、店長をはじめ部下を持つマネジメント職の人は、コミュニケーションにしっかり気を配るべきです。自分を偉く見せることは能力が無くても肩書があればできます。しかし、自分一人の自尊心は満たされても、会社の業績があがるわけではありません。それよりも部下が理解し行動できるようにわかりやすく考えを伝えることのほうが、マネジメントとしての能力が求められますし、結果的に組織はうまく動き、会社の業績も上がります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏、加藤修一氏は、話す言葉が簡単だからとって、能力が低いわけではありません。二人の実績がそのことを示しています。経営者やマネジメントの立場の人には、ぜひ二人が話す映像を見て学んでほしいと思います。</p>



<p class="wp-block-paragraph"></p>



<p class="wp-block-paragraph"></p><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2293">「わかりやすさ」こそトップの自信</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>入隊して最初の前線　続き</title>
		<link>https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2276</link>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 27 Jun 2023 02:40:40 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[戦争体験]]></category>
		<category><![CDATA[カンチャーズ島事件]]></category>
		<category><![CDATA[北安]]></category>
		<category><![CDATA[歩兵第49連隊]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>以前、「入隊して最初の戦場」の記事で、加藤馨氏が陸軍に入隊して最初に経験した戦場、昭和12年6月の「カンチャーズ島事件」について紹介しました。「回顧録」に記された文章を再度引用します。 　初年兵としての教育訓練が３ヶ月あ &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2276" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">入隊して最初の前線　続き</span></a></p>
<p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2276">入隊して最初の前線　続き</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">以前、「<a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/1278" target="_blank" rel="noopener" title="">入隊して最初の戦場</a>」の記事で、加藤馨氏が陸軍に入隊して最初に経験した戦場、昭和12年6月の「カンチャーズ島事件」について紹介しました。「回顧録」に記された文章を再度引用します。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">　初年兵としての教育訓練が３ヶ月あり、これが終って全員一等兵という階級になり、ひととおりのことができるようになりました。この年の６月にソ満国境のアムール河の中にある小さな島をソ連軍が占領したとのことで、我が部隊に出動命令が来て、連隊長以下全員出動しました。<br>　この時の命令が無理だったらしく、部隊は疲労困憊して、現地に着いた頃には、みんな口もきけないように行軍で疲れてしまいました。この日の夜、近くの満人の部落に野営しましたが、夜になって隊長以下全員が死んだようになって寝てしまいました。この夜に私は夜の10時から２時間歩哨として番をしましたが、時間が来ても誰も交代に来ず、私も夜が明けるまで１人で歩哨（寝ないで番をする役）を寝たり起きたりしながら努めました。もしソ聯軍が攻めてきたら我が部隊（約５００名）は全滅になるところでした。<br>　私は今でもこの日の苦しさは死ぬより苦しい１日で人間は疲労困憊したら駄目と悟りましたので、以後軍人生活中この教訓を守りました。この頃満州は春で、野原一面にタンポポの花が咲き、この異様な光景に私はびっくりしました。その後ソ連軍が撤退したので我が部隊も元の地に帰りました。</p>
<cite>加藤馨氏「回顧録」より　読みやすいように表現等を編集しています</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">「みんな口もきけない」ほどに「疲労困憊」した行軍。加藤馨氏の別の手記「家系記録」には以下のように記されています。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">日本とソ連邦との紛争で黒龍江カンチアース島の戦闘に急派されたが、戦闘に至らず休戦となる。約10日、この間に<strong>死にかかる苦闘をして人間は苦闘すると死を恐れなくなる</strong>ものだと感じた</p>
<cite>加藤馨「家系記録」より</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">「死にかかる苦闘をして人間は苦闘すると死を恐れなくなるものだと感じた」という文章は強烈です。戦闘に至らなかったものの、初めての戦場は加藤馨氏に強烈な印象を残しました。その後、加藤馨氏は暗号・通信担当となり、ラバウルで米軍機による攻撃や厳しい食料事情なども経験しています。しかし、最初の戦場はそれらを超えるほどの体験だったのでしょう。その最初の戦場である「カンチャーズ島事件」ですが、上記2つの手記以外に加藤馨氏が言及している資料は現状ではありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そのような中、「<a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/1278" target="_blank" rel="noopener" title="">入隊して最初の戦場</a>」の記事に関心を持たれ、問い合わせをいただいた日ソ紛争史の研究者がおり、その方の論文の参考資料を読んでいたところ、「カンチャーズ島事件」を知る手掛かりとなる資料をみつけ、さっそく古書を入手しました。「戦記 甲府連隊　山梨・神奈川出身将兵の記録」（産経新聞社）、「甲府聯隊写真集」（国書刊行会）の2冊です。研究者の方によると、カンチャーズ島事件に関する資料はあまり残されていないとのこと。加藤馨氏の戦場体験を知る上で非常に参考になる書籍です。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">　北満に、ふたたび春がめぐってきた――。四十九連隊が渡満してきてから、ちょうど一年たったのだ。厳しい寒さも遠くシベリアのかなたに去り、雪も消えた。<br>　北安一帯の大波状地は、雪どけ水が音をたてて流れだした。長い冬からの解放である。<br>　五月も中旬を過ぎると見渡すかぎり草原に、ことしもまたタンポポの黄色いジュウタンがひろげられた。名も知れぬたくさんの草花もかれんな花をひらき気候も急に暑くなってきた。</p>
<cite>書籍「戦記 甲府連隊」　「2．カンチャーズ事件」から</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏の回顧録にある「野原一面にタンポポの花が咲き、この異様な光景に私はびっくりしました」と重なる描写です。そして昭和12年6月19日、ソ連の国境警備兵が島に上陸し、占拠しているらしいとの報が満州の国境監視隊から入ります。加藤馨氏がいる歩兵第49連隊が所属する第一師団は、同年6月24日から移動を開始。6月末には北安の連隊本部から歩兵第49連隊主力が出動する事態となります。出動命令が出ても、作戦の詳細は一般兵には知らされません。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">　「非常呼集演習か――」ややガッカリしながら内田一等兵らも手早く武装をつけて兵舎前に整列した。各人に三八式歩兵銃と実弾百二十発が渡された。前盒後盒に入れると、腰にぐっと重みがかかる。<br>　「本中隊は尖兵中隊となって、ただいまより目的地に向け出発する――」<br>　中隊長稲垣正治大尉の号令で夕暮の営門をでて北安駅に着いた。<br>　すでに黒い貨車が何両も引き込み線にはいっていた。「乗車――」の命令で、どかどかと乗り込むと、そのまま列車は動きはじめた。<br>　「演習にしてはおかしいぞ――どこにいくのだろう‥‥」兵たちも、すでにふつうの演習ではなさそうだと気がついていたが、討伐なのか、どこへゆくのか見当もつかなかった。</p>
<cite>書籍「戦記 甲府連隊」　「2．カンチャーズ事件」から</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏が第49連隊のうち、どの中隊に所属していたか分かりませんが、手記からは同日に出動していたものと思われます。それまでは訓練のみで、はじめての前線への出動ですが、加藤馨氏も上記一等兵と同じような心境だったでしょう。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">　孫呉についた第七中隊は、三原中佐の指揮下にはいった。<br>　「ただちに遜河に向け出発――到着次第歩哨線を張り、住民を黒竜江方面へは一歩もだすな――」<br>　黒河から到着したばかりの三原中佐は稲垣中隊長にテキパキと命令、第七中隊はトラックに分乗して、夜明けの大草原を遜河に向け出発した。<br>　ひどい道だった。起伏のはげしい荒野原――、湿地帯も多く、トラックは揺れに揺れた。ホロをおろしたなかに詰め込まれた兵隊たちはつかまっているのがやっとだった。（中略）<br>　ほどなく後続部隊が到着したので、稲垣中隊はただちに黒竜江岸に向かって行軍を開始した。こんどは徒歩行軍である。果てしない波状地を越えて、首までつかるような湿地帯をわたり苦しい行軍だった。落伍者がふえはじめるころ、目の前に黒々と海のような水をたたえた大きな河がみえてきた。<br>　「アムール河だ‥‥」<br>　兵たちは思わず叫んだ。<br>　初年兵にとっては、はじめてみる黒竜江の流れである。無気味なほど静かな流れである。江岸の小さな部落に到着、後命を待つことになった。</p>
<cite>書籍「戦記 甲府連隊」　「2．カンチャーズ事件」から</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">　加藤馨氏の手記だけでは伝わらない臨場感、緊張感が伝わります。急な出発で貨物列車に乗り込み、悪路をトラックの荷台で進み、その後は首までつかりそうな湿地帯での行軍。「落伍者がふえはじめる」ほどの困難な行軍だったことが伝わります。この行軍で加藤馨氏もまた、過去に経験したことがないほど疲労困憊します。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img data-recalc-dims="1" loading="lazy" decoding="async" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/img_3594.jpg?resize=674%2C504&#038;ssl=1" alt="「甲府聯隊写真集」より、北安の湿地帯の風景のページ" class="wp-image-2290" width="674" height="504"/><figcaption class="wp-element-caption">北安地域は冬は零下30度であらゆるものが凍り付き、春を過ぎると雪解けにより湿地帯になる厳しい環境。写真は「甲府聯隊写真集」より昭和11年の歩兵49連隊による討匪行の様子</figcaption></figure>
</div>


<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">　この時の命令が無理だったらしく部隊は疲労困憊し、現地に着いた頃には、皆口もきけないほどに疲れてしまいました。<br>　この日の夜、近くの集落に野営しましたが、隊長以下全員死んだように寝てしまいました。<br>　この夜、私は夜10時から２時間歩哨（寝ないで番をする役）をしましたが、交代時間になっても誰も来ません。夜が明けるまで一人で寝たり起きたりしながら歩哨を務めましたが、もしソ連軍が攻めてきたら我が部隊（約500名）は全滅になるところでした。</p>
<cite>加藤馨氏「回顧録」より</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏が「部隊は疲労困憊し、現地に着いた頃には、皆口もきけないほどに疲れてしまいました」というの中での、歩哨任務は本当に苦しいものだったでしょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">その後、出動部隊のうち稲垣大尉以下第七中隊は、占拠されたカンチャーズ島に上陸します。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph">　敵はいないが、ものすごい蚊とブヨの攻撃が、将兵をおどろかした。歩くと草かげから蚊柱がたつほどのおびただしい大群だ。赤い色をした大きなブヨから、コヌカのような小さな蚊の群れが煙幕のように将兵の周囲を包んだ。<br>　「ワーッ、これはひどい」こんな声があちこちでする。みなあらかじめ防蚊フクメンを持ってきており、それぞれ顔にかぶってはいるのだが、そのアミの目からさえはいってくる蚊がいるのだ。　</p>
<cite>書籍「戦記 甲府連隊」　「2．カンチャーズ事件」から</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">その後上陸した部隊は、侵入したソ連艇と戦闘となり、一隻撃沈します。しかし、加藤馨氏はこの戦闘でソ連艇を一隻撃沈したことを知らず（偕行社に送った質問状）、加藤馨氏は上陸部隊にはいなかったようです。もちろん、上陸部隊での戦闘を経験しなかったからといって、任務が楽だったわけではありません。任務も分からないまま命令に従って動かなくてはならず、極度の疲労困憊、さらには厳しい自然環境。だからこそ、「死にかかる苦闘をして人間は苦闘すると死を恐れなくなるものだと感じた」と回想しているのでしょう。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large is-resized"><img data-recalc-dims="1" loading="lazy" decoding="async" src="https://i0.wp.com/ryutsu-biz.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/img_3595.jpg?resize=657%2C466&#038;ssl=1" alt="「甲府聯隊写真集」より、カンチャーズ事件のページ" class="wp-image-2291" width="657" height="466"/><figcaption class="wp-element-caption">これまでの対ゲリラ戦と異なり、大国ソ連との一触即発の事態となった「カンチャーズ島事件」。出動の様子が「甲府聯隊写真集」に掲載されている。左上写真に「監視の哨兵には一瞬の油断も許されぬ」との説明があるが部隊到着当日の状況は違ったようだ</figcaption></figure>
</div>


<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏が入隊し、北安に赴任したのは昭和12年2月。その翌月3月には、歩兵第49連隊の町田等第6中隊長が、部下20人と共に現地でゲリラに襲撃され全滅します。歩兵第49連隊は、山梨、神奈川出身者で構成されており、町田隊玉砕の報は出身町村に衝撃を与えました。「嗚呼町田隊」という芝居が各地で上演され、全国からの寄付により1年後には甲府に町田少佐の銅像がたてられたほどです。歩兵第49連隊に所属し、初めて前線に赴任した加藤馨氏にとって、死は身近なものだったのでしょう。その後３か月の教育訓練を経て一等兵になった加藤馨氏は、その１か月後にカンチャーズ島事件を経験したのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">愛国心に燃えて志願したわけではなく、父の急死により進学をあきらめ、実家の農業を手伝うしかなかった中で、職業として軍人を選んだ加藤馨氏。その加藤馨氏にとって、カンチャーズ島事件の経験は、イデオロギー云々ではなく、戦争という非日常の理不尽さや狂気を身をもって知る体験となったのではないでしょうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">カンチャーズ島事件から約１か月後、加藤馨氏は下士官を養成する教導学校の学生応募に志願し合格。同年9月下旬に豊橋陸軍教導学校入学のため北安を離れます。歩兵第49連隊は、その後もソ連・満州国境の警備を続け、黒河省神武屯に移駐。昭和14年にはノモンハン事件での戦闘に加わります。昭和19年以降、グアムやレイテといった南方戦線に投入され、多くの将兵が玉砕しました、</p>



<p class="wp-block-paragraph">20歳でカンチャーズ島事件を体験した加藤馨氏。「10日間、死にかかる苦闘をして人間は苦闘すると死を恐れなくなるものだと感じた」――加藤馨氏のこの言葉は、置かれた環境において人間の精神がいかに変化するか、死を恐れなくなることの怖さを物語っています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">加藤馨氏は、ケーズデンキの創業者としてビジネスを成功させます。「人を大切にする経営」「お客様のための本当の親切」といった経営哲学、創業精神を学ぶことも大切ですが、加藤馨氏の「戦争は悲惨です。決して起こしてはならない」という強い思いもしっかり受け継いでほしいと思います。</p><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2276">入隊して最初の前線　続き</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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		<title>加藤馨氏の評伝「正しく生きる」発売</title>
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		<dc:creator><![CDATA[研究所長　川添 聡志]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 29 Mar 2023 08:18:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ニュース]]></category>
		<category><![CDATA[会社の歴史]]></category>
		<category><![CDATA[家電流通史]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>ジャーナリストの立石泰則氏が執筆された、ケーズデンキ創業者・加藤馨氏の評伝が岩波書店から発売されました。 立石 泰則・著『正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯』（岩波書店）終戦直後の焼け野原のなかで妻と二人で始 &#8230;<br /><a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2263" class="more-link pen_button pen_element_default pen_icon_arrow_double">続きを読む <span class="screen-reader-text">加藤馨氏の評伝「正しく生きる」発売</span></a></p>
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										<content:encoded><![CDATA[<p class="wp-block-paragraph">ジャーナリストの立石泰則氏が執筆された、ケーズデンキ創業者・加藤馨氏の評伝が岩波書店から発売されました。</p>



<blockquote class="wp-block-quote is-layout-flow wp-block-quote-is-layout-flow">
<p class="wp-block-paragraph"><a href="https://www.iwanami.co.jp/book/b621820.html" target="_blank" rel="noopener" title=""><strong>立石 泰則・著『正しく生きる　ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯』（岩波書店）</strong></a><br>終戦直後の焼け野原のなかで妻と二人で始めたラジオ修理店を、全国有数の家電量販店へと育て上げた加藤馨。「会社はそこで働く全員のもの」とする、彼のユニークな会社観、経営哲学はどのようにして生まれたのか。生い立ちから戦争体験、起業、引退後の暮らしまでを、丹念な取材によって明らかにし、その人生を戦後家電流通史とともに描き切った壮大なノンフィクション作品。</p>
<cite>岩波書店Webサイトより</cite></blockquote>



<p class="wp-block-paragraph">パナソニックやソニーといったメーカー、ヤマダ電機やケーズデンキといった流通、製販両面から家電業界全体を長く取材してきた立石氏だからこそ書けた評伝です。生い立ち、戦争体験、そして戦後にラジオ修理店を始め、後のケーズデンキの土台となる経営思想を築いたその背景に詳しく迫っています。立石氏は、柳町事務所に眠る多くの資料を丹念に調べ、ひとつひとつの出来事の背景を解き明かしながら、加藤馨氏がどうして「人を大切にする経営」「がんばらない経営」「会社はそこで働く全員のもの」という経営思想に至ったのか、そして創業当初からどのように経営思想を実践してきたのか、明らかにしています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">加藤馨経営研究所を立ち上げたメンバーとして私も微力ではありますが、加藤馨氏が残した資料の整理、あるいは古い記事や外部資料などを探すなど手伝わせていただきました。とはいえ立石氏の執筆も困難を極め、最終的に実に456ページの長編となり、とても読み応えのある書籍となっています。世の中によくある「経営者の成功談」ではありません。日本が経験した戦争、家電流通史を学べるとともに、正しく優しさにあふれた魅力的な人物の生涯を追体験できます。ふだん読書をされない方は、書籍の厚さに尻込みするかもしれませんが、内容はとても読みやすいので、経営者や家電業界関係者に限らず、幅広い方に読んでいただきたいと思います。</p>



<p class="wp-block-paragraph">昨今、米国経済界でも「会社は株主のもの」から「会社は従業員のもの」に考え方がシフトし、社員満足度の重要性などが注目されています。しかし、そのような世の中の潮流とは関係なく、加藤馨氏は「人を大切にする経営」を創業当初から実践してきました。「きれいごとでは経営はできない」という声もよく聞きますが、加藤馨氏が創業した加藤電機商会は、「ズルをせずに正しく」「人を大切に」しながら厳しい競争環境を勝ち抜き、現在ではケーズホールディングスという、日本を代表する流通企業の一つになっています。加藤馨氏の「人を大切にする経営」に、ようやく時代が追いついたと言えるかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">本書を読み、加藤馨氏の生き方や思想を知り、共感する人が一人でも多く増えることを期待します。</p>



<p class="wp-block-paragraph">Webで購入する場合はこちらから　<a href="https://amzn.asia/d/60ZyeN1" target="_blank" rel="noopener" title="">アマゾン</a>　<a href="https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784000614931" target="_blank" rel="noopener" title="">紀伊国屋書店</a>　</p><p>The post <a href="https://ryutsu-biz.co.jp/archives/2263">加藤馨氏の評伝「正しく生きる」発売</a> first appeared on <a href="https://ryutsu-biz.co.jp">（株）流通ビジネス研究所</a>.</p>]]></content:encoded>
					
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