ビッグモーター問題に関する記事

プレジデントオンライン「なぜビッグモーターは「車検の基本料金」が他社より安いのか…中古車業界でささやかれていた「本当の評判」」記事

中古車販売大手ビッグモーターの不正について、プレジデント オンラインの記事で、『成長の原動力は会社を儲からないようにする』(プレジデント社)を出した磯﨑自動車工業(本社:茨城県ひたちなか市)の磯﨑孝会長と磯﨑拓紀社長が語っています。

なぜビッグモーターは「車検の基本料金」が他社より安いのか…中古車業界でささやかれていた「本当の評判」(プレジデント オンライン)

もしかしたら前社長や前副社長は、不正まで犯すつもりはなかったのかもしれません。しかし、数字をとことん追求していった結果として、現場が不正行為に手を出すしかなくなるということは十分に考えられます。

(中略)

当社の場合、以前からあえて厳しい基準を設けて車を仕入れてきました。当然、利幅は薄くなります。それでも「いい車を売っていれば、お客さまはついてきてくれる」という判断でやってきたんです。現在のビッグモーターとはまさに真逆の経営方針といえると思います。

なぜビッグモーターは「車検の基本料金」が他社より安いのか…中古車業界でささやかれていた「本当の評判」(プレジデント オンライン)より

磯﨑孝会長が8月に出した書籍『成長の原動力は会社を儲からないようにする』(プレジデント社)の第3章「軽自動車の時代が来る!」の構成を見ると、以下のようになっています。「いつかはクラウン」の時代にあえて軽自動車販売にシフト/「会社を儲からなくする」新方針に社員は大反対/わずか1年で3億円の売上増を達成!/業績拡大を支えた経営理念「顧客の創造」。「会社を儲からなくする」新方針は、書籍のタイトルにもなっています。目先の利益追求ではない方針により大きな成長を実現した磯﨑自動車工業は、中古車販売の不正問題による影響についても、「地域密着で地道に商売をしてきましたので、実際のところそれほどの影響はありません」と語っています。

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さて、この記事を紹介したのは、同記事の最後に磯﨑拓紀社長が以下のように話しているからです。

【磯﨑(拓)】時代が変わったということですね。ケーズホールディングスの加藤修一名誉会長が唱える「がんばらない経営」がこれからのスタンダードでしょう。無理な営業ノルマを課さない、長時間の残業をさせない。それでも成果を出すことはできるのですから。中古車販売業界でもこの方針は十分に通用するはずです。

なぜビッグモーターは「車検の基本料金」が他社より安いのか…中古車業界でささやかれていた「本当の評判」(プレジデント オンライン)より ※下線太字は筆者による

目先の利益追求で毎年増益を重ねて行くことだけが正しい経営ではありません。社員に無理をさせず、お客様に嘘をついたり、お客様を騙したりするような商売にしないことで、社員も正しい行動が出来るようになり、お客様に強く支持される会社になることで、市況に左右されないようになるのです。このような代表事例として、加藤修一氏の「がんばらない経営」が取り上げられているのは注目されます。「無理をしない、させない」「嘘をつかない、正しい」経営は、家電量販業界に限らず、さまざまな業種・業態に通用するのです。

研究所長 川添 聡志

株式会社流通ビジネス研究所 所長 雑誌および書籍の編集者として出版業界に携わる。家電量販店向け業界誌『月刊IT&家電ビジネス』編集長を務めた後、家電量販企業に転職。営業企画やWebを含めた販促などを担当し、その後流通コンサルタントとして独立。ケーズデンキ創業者・加藤馨氏および経営を引き継いだ加藤修一氏の「創業精神」を後世に伝えるため、株式会社加藤馨経営研究所の設立に携わり研究所所長に就任。その後、ケーズデンキに限定せず、幅広く流通市場を調査研究するため、2022年1月からコンサルティング会社「株式会社流通ビジネス研究所」を設立し、同年4月より活動拠点を新会社に移行

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